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いよいよ最終節。その前に思うこと…。

アルベル監督を招聘し、「改革元年」と標榜した今シーズン。
現在FC東京は勝ち点49の6位に位置しています。
J1最終節が今週土曜に控えた今、1年追いかけたサポーターとして感じることを綴ってみようと思います。

「新生FC東京」のサッカーとは

サッカーの専門的なことは分かりませんが、今の戦い方が健太サッカーとは全く別物であることは理解できます。
自陣から繋ぐ姿勢、相手チームのハイプレスでGKやCBにプレッシャーがかかっても、クリアをするのではなくとにかく繋ぐ。
SBの中への動き、色々なところに顔を出す3トップやシャドー。
去年までは個人の能力に頼る部分の大きかった攻撃が、チーム全体として人もボールも動き相手を翻弄し、時には脅威となる迫力も見せてくれました。

今シーズンの東京は試合ごとの浮き沈みが特に激しく(ここ数年で一番と言っていいかもしれない)、見ているこっちの気持ちが追いつかないこともあったけれど、それでもシーズン終盤に思うのは「このサッカーを見せてくれてありがとう」「来シーズンが今から楽しみだな」と言う感謝と期待。
改革元年だからこそ、「残留争いも覚悟しなくちゃいけない。」と思っていたのですが、アルベル監督が理想と現実のバランスを取ってくれたこともあり、私にとっては想定以上のシーズンだったと思っています。

最終節の相手は、開幕戦の相手でもあった川崎フロンターレ。
開幕戦で見せた「新生アルベルトーキョー」が、本物であることを証明しよう。
そして来年は、今年以上に胸躍らせるシーズンにしよう。

結果ももちろんですが、見ていてワクワクするサッカーに出会えたことに感謝です。

アンカー最適解

今のFC東京で不動のアンカーと言えば、東慶悟選手。
前半戦はベンチを温めることが多かった東選手のV字回復は、2018年からの健太サッカーを見続けた私としては感慨深いものがありました。

健太さんがいた時から思っていたのですが、東選手は全体を俯瞰で見ることができ、いてほしいところにいてくれる、出してほしいところに出してくれる、チームのために戦える、そんな選手だと感じていました。
だからこそ、健太さんは彼にキャプテンを任せたのだろうし、10番も与えた。
ある意味健太トーキョーの象徴とも言える選手が、サッカーの内容も質も全く違うアルベルサッカーに対してどういう適応していくのか、とても気になっていました。
(特に2021シーズンの彼の不調を知っているからこそ、心配な気持ちが大きかったです。)

少し話は変わりますが、2020年に長谷川前監督が目指した4-3-3は、アンカーに橋本拳人選手がいるから成り立つ部分が大きかったように思います。
ケントが海外に移籍し、途中森重選手をアンカーに据えてみたりと試行錯誤するも、結局はアンカーの最適解を見つけられないまま健太さんの退任を迎えたと思っています。
(色々な意見はあると思うのですが、私はそう感じています。)

今シーズン、前半戦は青木選手の活躍で「ついに最高のアンカーが見つかった!」と思っていたのですが、残念なことに怪我で離脱。
アンカー、どうなるんだろう、と心配をしていた時に名乗りを上げたのが、東選手でした。

健太サッカーの時から見せてくれた「灰になるまで走り切るプレー」や、元々あったパスセンス、アンカーには必要なボールの奪取能力。
以前からやってたんじゃないの!?と思う程、まさかここに健太トーキョーでは見つけられなかった答えがあったなんて…。
東選手のプロとしての底力を見た気がしましたし、まだまだ輝けることを証明してくれたと思います。

先日の名古屋戦、健太さんの前でアンカーとして戦った東選手。
試合は負けてしまいましたが(しかも永井選手の決勝点で試合が決まるなんて、勝負の神様も残酷…)、それでも「健太トーキョーのキャプテン:東」ではなく、「FC東京最高のアンカー:東」として生まれ変わった姿には感慨深いものがありました。

毎試合の結果がどうであれ、毎回東選手のパフォーマンスの高さには感動します。
キャプテンの重圧から解放された彼が、再度輝きを取り戻した姿を見ると、心の底から「待っていたよ」「また一緒に戦おう」と感動してしまうのです。

東京の10番が今、最高にかっこいいです。

木本選手、ありがとう。

今シーズンの東京を支えた選手として、もう一人、私にとっては忘れてはならない選手がいます。

今年、名古屋から加入した木本恭生選手です。

FC東京からの熱烈なオファーに応えてくれて、今シーズンから加入。
(報道のみなので事実は知りませんが、FC東京は数年かけて、何度もラブコールを送っていたよう。)
どんな選手なんだろう、とシーズン開幕前はドキドキしていたのですが、FC東京が長年欲しかった理由が、プレーを見て分かりました。

CBtとしての能力が抜群であることはもちろんですが、彼のロングフィードや攻撃参加のセンスも素晴らしい!
昨年までは、森重選手のロングフィードに頼っていた部分があるようにも見えましたが、木本選手の加入後、CBからの攻撃の選択肢が増え、見ているこっちもワクワク。
さらに、前節名古屋戦での得点。
「そんな引き出しも持ってたの!?」と良い意味で期待が裏切られ、今後の活躍が楽しみでなりません。

エンリケ選手、森重選手がケガで相次いで戦列を離れ、CB危機に陥ったこともありましたが、一年通してフル稼働してくれた木本選手に大大大感謝です。
今シーズン、FC東京のMVPを選ぶとすれば、私は間違いなく木本選手を選ぶでしょう。

入団会見の時、強張った表情と言葉数の少なかった彼が、今は弾けんばかりの笑顔でプレーをしている。
その姿がなによりも嬉しく思います。
一年間、戦い抜いてくれてありがとう。
最終節の活躍も期待しています!

今年の終わり方、そして来年へ

2019年、見えていたはずの頂を掴むことができずにシーズンが終了しました。
ただ、一瞬でも優勝を間近に感じた経験は、私にとっては貴重なものでした。

「リーグ戦制覇できるかもしれない。」

リーグ優勝は、夢でもなんでもない、実現できるところまで来たことを実感しました。
そして今年、「新生FC東京」となり、残念ながら優勝争いには絡めませんでしたが、未来への希望を感じるシーズンでした。

「夢のあるサッカー」「やっていてとても楽しい」シーズン開幕前、選手が口々にアルベルサッカーをそう評していたのですが、その全貌が見えた今、サポーターも選手たちが感じた高揚感を存分に味わっている気がします。

何より、プレーをしている選手が楽しそう。

今年は土を耕し、種を植えるシーズン。
だからこそ、一試合一試合の変化を楽しむことができました。

さあ、来年が勝負!
FC東京が初のシャーレを掲げる瞬間は、来年の楽しみにとっておきましょう。
そのためにも最終戦、しっかりと勝ってシーズンを終わらせたいですね!

 

 



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