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「ふるさと納税」で芽生えた意識

募集中のお題を見ている時に、「#ふるさと納税の話」という項目を見つけ、思わず「あ」と声が出ました。
なんてタイムリーなお題なんでしょう!
昨年末(と言っても数日前)、申し込みたいと強く思っていたとある自治体に、ふるさと納税を申し込んでいたのです。

私とふるさと納税の始まり

私がふるさと納税デビューをしたのは、2018年。
しかも、履歴を見ていたら2018年の12月30日に初回の納税を行っていました。
その時を思い返してみると、年末年始休で実家に帰っていた時に、妹がふるさと納税をやっていたことを知り、衝動的に始めたように思います。

当時、ふるさと納税という存在は知っていて興味もありましたが、なんだか得体のしれないもののような気がしていて手を出さずにいたのですが、妹がやっているなら大丈夫だろう、とおっかなびっくり、上限額に全く届かない額で納税してみました。

ただ、一度やってみるとあら簡単!
しかも翌年に納める税金を前倒して納められるし、納めた税金に対して返礼品がついてくる!
納税は国民の義務ですが、やらなければならないこと(=納税)に、嬉しいプレゼントがついてくるのであれば、こんなに嬉しいことはないですよね。
そんな考えで、2019年からは欠かさずに、せっせと上限額を計算しては納めていました。

ただ「お得」と思って納税したのに

全国の美味しい特産品を、ふるさと納税で頂いては満足していたのですが、2019年年末、運命の出会いがありました。

「いくらは去年もらったし…ことしはホタテが食べたいな!」と、「返礼品」「ホタテ」で調べて出てきたのが、北海道紋別市のふるさと納税でした。
この時になって初めて気にしたのが、「寄付金の使い道」
紋別市の寄付金の使い道は以下の通りです。

1.アザラシの保護活動等のオホーツク海の海洋環境に関する事業
2.森林、湖沼、河川等の環境保全啓発活動に関する事業
3.市内経済の活性化に関する事業
4.次代を担う人材の育成に関する事業
5.医療、福祉又は子育て支援の充実に関する事業
6.人口減少対策に関する事業
7.公共施設の整備に関する事業
8.市長が必要と認める事業

北海道紋別市ホームページより

私達夫婦は、お付き合いして初めてのデートが上野動物園だったというくらい、無類の動物好き。
だからこそ、野生動物たちが置かれている環境、人間都合で多くの動物達が住処を奪われている現状は知っていました。
そんな私が真っ先に目を引いた使い道が、「アザラシの保護活動等のオホーツク海の海洋環境に関する事業」でした。

―――あ、そうか。寄付金の使い道は、私が選んでいいんだ。

当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、返礼品しか目に行かなかった私が、初めて「自分が貢献したいと思うことに寄付をする」ということを意識した出来事でした。

ちなみにその後、紋別市からこんな封筒に入って寄付証明書が届きました。

封筒の表面も、アザラシのかわいいイラストが描いてありました。

か、かわいいじゃないか…!?

封筒に映ったアザラシを見て、少額ではあるけれど、この子たちの笑顔を守る活動に貢献できたんだ、と少し誇らしい気持ちになりました。

せっかく自分で使い道が選べるのであれば、自分が興味あることや、社会貢献に使ってほしい、と思うようになり、以降は「寄付金の使い道」をなるべく意識してふるさと納税を行うことにしました。

本気で応援したいと思った自治体

紋別市に申し込んだ2019年が明け、2020年。
2月頃からコロナが猛威を振るい始め、打撃を受けた飲食業界に少しでも貢献できればと思い、コロナにより行き先を失ってしまった商品を返礼品として取り扱う自治体に、ふるさと納税をするようになりました。

そして明けて2021年。
この年、必ずふるさと納税をしたいと思う自治体がありました。

「北海道浜中町」

ご存知の方もいるかもしれませんが、北海道浜中町の霧多布岬では野生のラッコに会うことができます。

私が幼い頃、水族館に行けば必ず会えていたラッコは、次第にその数を減らし、ついに国内の水族館で会えるラッコはわずか数頭…
その多くが高齢ラッコで繁殖も難しく、また外国からラッコを連れてくるというのも難しい状況で、遠くない将来、ラッコが国内で見られなくなる可能性があります。

そんな寂しい想いをしていた中で、霧多布岬に野生のラッコがきた、という報せはとても嬉しいものでした。
しかし、それは同時に悲しい事実を突きつけます。

偶然、上記の記事を読む機会がありました。
マナー違反者が絶えず、せっかく来てくれたラッコがいなくなってしまうかもしれない。
この記事をきっかけに、少しでもラッコが住みやすい環境になるように貢献したい、今年は必ず浜中町に寄付しようと思い、昨年末にふるさと納税を行いました。
もちろん寄付の使い道は「自然環境ならびに地域景観の保全および活用に関する事業」
ラッコのための環境整備にピンポイントで使われるとは限らないと思いますが、それでもきっと少しは貢献できるだろう、と思って納税しました。

少額ではあるけれど、私の寄付したお金が少しでもラッコ一家のためになりますように…

一人の納税者としての意識

ふるさと納税に関しては、多くの批判があります。
ふるさと納税を行う人が多ければ多いほど、自分の住んでいる自治体の税収が減ってしまい、行政サービスが減ってしまう可能性があります。
(私が住んでいる自治体もそこそこの人口なので、もしかしたらいつか行政から注意喚起が来るかもしれません。)
それ以外にも、返礼品目当てでふるさと納税の本来の意義を見失っているとか、多くの仲介業者が様々な特典をつけたりとか…

私もここまで色々と書きましたが、良い返礼品だから、と言う理由でふるさと納税をする自治体を決めることがあります。
ただどの自治体を選んだとしても、寄付金の使い道を自分で選べることに魅力を感じています。
ふるさと納税を始めるまでは、「税金」と言えば毎月毎月給料から自然と徴収されるもので、あまり強く意識することはありませんでした。
ただ「あー、こんなに引かれて嫌になっちゃう。」と思うよりかは、同じ税金でも「このことに使ってもらえるんだね。」「少しでも色々な社会課題に貢献できるんだ!」と分かりやすく意味付けができるのであれば、一納税者としては嬉しく思うのです。
せっかく納めるのであれば、より良く使って欲しいよね。

また返礼品を目的に納税した自治体は、今は確かに縁も所縁もない土地かもしれませんが、ふるさと納税をきっかけに知ることができた自治体はたくさんありました。
ホームページを見ながら、「あ、こんなところなんだ、素敵だな。」「近くに行った時には、ちょっと寄ってみようかな。」なんて思うこともあります。
(ちなみにホームページの写真を見ながら、その土地に思いを馳せ、脳内旅行をしているときが私にとって至福の時です。)

そういう点では、ふるさと納税は悪いことばかりではなく、私に「納税者」としての役割を意識させ、しかも私にとって至福の時間も提供して頂ける(ついでに言えば、将来的にその土地を訪れてお金を落とす可能性がある)、ありがたい側面もあるように思うのです。

「じゃあ自分の住む地域の行政サービスはどうなってもいいのか!」とお叱りの声が聞こえてきそうですが、ただやっぱり私は、自分が納める税金をどのように使うか自分でも決めたい。

素敵だ、応援したい、と心奮えるものにお金を使いたい。

今のところそう思っているので、私はこれからもふるさと納税を続けたいと思っています。

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