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Vol.5 進化するICT教育

 こんにちは!教育を考える学生たちです。

 今回のテーマは「進化するICT教育」です。これまでは生徒が学校に足を運び、教師から授業を受けるという教育観がベーシックでしたが、これからはICTの技術を教育に応用させていく流れが強まっていくことが考えられます。そのため、今回はこのようなテーマに設定し、述べていきたいと思います。

1.GIGAスクール構想

 2019年、文部科学省は「GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想」を打ち出しました。GIGAスクール構想とは、「子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現」を目指し、1人1台のタブレットやPCといった端末と、校内wifiを整備するといったものになります。昨今は新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインでの遠隔学習により注目が集まっており、その影響を受けて、文部科学省はGIGAスクール構想の前倒しを行い、2020年度中に全て端末等の整備を行う方向で動いています。資金面での課題や、教師や親のITリテラシーの課題など、様々な課題を抱えているGIGAスクール構想ではありますが、これからの教育の流れを考えていく際に、外すことのできないテーマとなっているでしょう。実際、ICT教育を導入している学校では、生徒の学習効率が向上したことや、教師が生徒の学習状況をこれまで以上に詳細に把握できるようになったことなどをはじめ、様々な良い効果があるとの声があがっています。

2.ICT教育を支える教材

 ICT教育を支える基盤として、様々な教材が存在しています。近年、「EdTech」という、「Education(教育)」×「Tecnology(テクノロジー)」という概念が注目を集めているように、学習者がICT端末を利用して学習を行うことを前提とした様々なサービスが開発されています。その中の一つに、株式会社COMPASSの、「Qubena」というサービスがあります。Qubenaでは、算数・数学等の教科において、タブレットを用いてAIが一人ひとりの生徒の誤答傾向などを分析し、個別最適化された問題を出題されるようなサービスを提供しています。タブレット上でありながら、定規やコンパスなどを使った作図を行うことができるといった高い操作性を持っています。さらに、生徒の解いている問題やその回答時間や正答率といった詳細な情報が教師のもとへ届き、それらを用いて的確な指導や成績評価を行うことができます。実際の学習効果として、授業を標準の半分の時間で終えることができたり、単元テストでの点が向上したり、より生徒が意欲的に学ぶ姿勢を持つことができるといった様々な効果が挙げられています。現在も、計100以上の自治体、計750校以上の小中学校にて導入がなされており、非常に注目を集めているサービスとなっています。このようなサービスが、教育のICT化をより促進しているのでしょう。

 さらに、最近の中学生や高校生は、Youtubeの映像を視聴し、学習をしているといった生徒も存在するようです。例えば、現在チャンネル登録者数120万人を超える「とある男が授業をしてみた」では、中学1年から3年の国語・数学・理科・社会・英語や、高校数学などを始めとする、中学高校生向けの学習支援の動画を配信しています。私も中学生の頃、テスト対策でこの動画を見ていたことがありました。懐かしいです。ほかにも、「映像授業 Try IT」や、大学の数学・物理を専門とした「予備校のノリで学ぶ『大学の数学・物理』」などといった教育系Youtubeチャンネルも多く開設されています。しかも、このような映像は無料で公開されているため、世界のどこにいても、高い質の教育を無料で受けることの実現にも寄与していると考えられます。このように、実際に学校に行き、教師と対面し、紙の教科書を用いて授業を行っている現在の教育にも、少しずつ変化が訪れているのかもしれません。

3.変化する教師像

 私たちは教育のICT化によって、教師像に変化が発生していくと考えました。先ほども述べたように、これまで教師は、「生徒に知識を分かりやすく伝達するための人」といった要素を多く含んでいたと思います。しかしながら、教材のICT化などを始めとして、教師が生徒に直接指導を行わずとも、生徒が自分自身で学びを進めていくことのできる環境が整備され始めようとしています。そうなると、教師は「生徒の得意なところや苦手なところを客観的に分析し、的確な助言を与え、成長を促進させることのできる人」であったり、「生徒の内発的な興味を引き出すことのできる人」「生徒の意欲・モチベーションを引き出すことのできる人」といった、これまでの教師像とは少し異なった存在へと変わっていくのだと思います。機械により効率化することのできるところは機械に任せ、より人間だからこそできることに、教師は注力していくことが求められてくるのではないでしょうか。人間とAIの共存は、教育の現場にも訪れようとしているのです。

 以上が「進化するICT教育」についてでした。次回は今回の3章の変化する教師像に注目し、述べていきたいと考えています。最後まで読んで下さり、ありがとうございました!


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