うろ覚えむかしばなし 赤い靴
あやふや度 ★★★☆☆
むかし、あるところ(外国)にひとりの女の子が住んでいました。
ある日、彼女はショーウィンドウで見かけた華やかな赤い靴のことが忘れられなくなってしまいました。
女の子は働いて、赤い靴を買いました。
ぴかぴかの赤い靴を履くと、女の子は踊り出したいような気持ちになりました。
そんな中でも、悲しい出来事は起こります。
ある日、女の子のおばあさんが、亡くなってしまったのです。
女の子は悲しみました。
教会のお葬式でおばあさんにお別れをする時に、女の子は、ちょっとくらい良いだろうと思って、お気に入りの赤い靴を履いてしまいました。
皆が黒い服を着て黒い靴を履いている中、女の子の赤い靴はとても目立ちました。
ある人が言いました。
「そんなに赤い靴が好きなら、ずっとその靴で踊り続けるがいい」
女の子の靴は呪われて、女の子を乗せたまま踊り出しました。
昼も夜も休みなく、女の子は踊り続けました。
女の子がくたくたに疲れて泣いても踊り続けました。靴はけして脱げませんでした。
街はずれの木こりの家の前まで踊り歩いた時、女の子は叫びました。
「もういや、この足を切り落としてください」
木こりが頼みを聞いて女の子の両足を斧で切り落とすと、2本の足は踊りながら町を出て行きました。
親切な木こりは、女の子に義足を作ってくれました。
おしまい。
昔話の好きな子供でした。でも、あの頃読んだ昔話は今や記憶の中でうろ覚えのあやふやになり、混ざり合いごちゃごちゃになっています。
きちんとした話を目にしてしまう前に、うろ覚えの状態の自分の中の物語を書いておこうと思いました。
きちんとしたものを目にしてしまえば、うろ覚えの状態には戻れないのですから。
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