【短歌一首】 川べりのススキ野越しに落陽は水面揺蕩ひ秋を確かむ
夕方に川沿いの道を歩いていると、ススキの茂みがあった。
川沿いの道には全く日影がないので、夏の暑い間はほとんど訪れることがなかったので、久しぶりにゆっくりと歩いた。
ススキは秋の七草の一つで秋に大きな花穂をつける。
少し歩いていくと水面に夕陽が揺れているとのが見えた。川面にゆらゆらと揺蕩っている落陽をススキ野越しに見ていると、最近あまり感じることのできなかった秋の大気を感じ取ることができたような気がした。
暑さと強い日差しを嫌がって川沿いの小道から足が遠のき、秋になって涼しくなったらゆっくり来ようなどど思っているうちに、秋どころか立冬を越えて冬に入ってしまった。
夕陽もすすき野越し、つかの間の秋を確かめているのもしれない。 川沿いの節気の定点観測、もう少しまめに行おう。
猫間英介