【短歌一首】 暴風雨明けたる朝に空分かち気は真二つに明暗分ける
短歌は天候観察セラピー。
今年、五月の天候の変化はかなり極端な感じがする。
遠い南方で台風1号が発生し、その気圧の変化や雲の動きで関東地方も今週月曜日から雨。ニュースなどで雨がそれなりに強くなる可能性があるとは聞いていたが、まだ台風接近は先の話。
しかし、火曜日夕方から水曜日明け方にかけては大雨のレベルを超えて、もはや台風そのもののような暴風雨。 猛り狂う風の音、強く窓を叩く雨の音、ベランダのバケツや物がひっくり返り転がる音、高圧電線が震える音、どれをとってもこれまで経験してきた台風そのものだった。とても五月の梅雨入り前の雨とは思えない。
水曜日の朝5時ごろにカーテンを開けて外を見ると、ようやく雨が上がり、雨を降らせていた雲にも峰ができて、いわゆる「畝雲(うねぐも)」に変わっていた。雨がたくさん降った後の畝雲は、これから晴れてくる兆しの雲と子供の頃に習った。
畝雲は晴れの兆しと思って期待して空を眺めていると、また少し空が暗くなり、少し雨がパラついてきた。畝雲=晴れの兆し、も今の日本の急激な気候変動に、アップデートが必要かもしれない。
さらに30分くらい経った後に再び空を観察してみると、ようやく西の空に少しづつ晴れ間が現れてきた。畝雲公式の面目躍如か。こちらの気持ちもだんだん晴れ晴れをしてくる。
いよいよ西の空が、雨を降らせていた雲の塊と晴れた空に明確に分かれ始めた。
まるで空が真っ二つに分けられて、明るいところと暗いところでそれぞれ別の役割を天から担わされているようだ。
午前7時ごろになると、いよいよ晴れの部分は広がり、これまで濃いグレーだった雲の群れもところどころ光を通すようになってきた。
今週は月曜日、火曜日のいずれも仕事に向かうときに雨に降られていた。今日は大丈夫そうだ。と安心して家を出た。やはり畝雲=晴れる兆し。
ところが、駅に向かう途中でまた雨が降ってきた。さらに、この日の外出先である千葉県幕張に着いた時には、駅のホームの中まで水浸しの横殴りの大雨となっていた。なんじゃ、こりゃ〜、と心の中で叫びつつ、雨に濡れながら混み合う駅の階段を登り、そしてバスを待つ(機嫌の悪い人々の)長蛇の列へ向かう。
天気は自然現象、まさに「天の気」。侮るなかれ。ちっぽけな人間の期待や読みなど当てにならない。
猫間英介
【余 談】
言葉選びで「気」が良いか、「季」が良いのか迷いました。
念の為、辞書を引いてみたら、広辞苑では「気」の一番最初の意味がまさに我が意を得たりでした。
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