【短歌一首】 アイビーの統べる森には十月のヒグラシ鳴きて夏を留めん
10月に入ってもまだまだ暑さが残る。
久しぶりに渋谷の近くの代々木公園を散歩した。
まだまだ蒸し暑く、蚊もたくさんいて何箇所が刺された。公園内にはカシ、ナラ、サクラ、イチョウ、シイ、クスなどの大木が生い茂り、場所によっては昼でも少し薄暗く感じほど木々がうっそうとしてる。
公園の木々には常緑樹も多くあり、緑が夏のように広がっている。
高木をびっしりと覆う木蔦(キヅタ:英語名アイビー)も公園内の木々の見所の一つ。キヅタはつる性の常緑の低木に種類分けされているが、木や岩や壁などを伝って、高いところまで絡みついている。
キヅタは他のツタよりも木という感じ(木質化)が強いので「キヅタ」と言うらしい。ツタは冬に葉を落とす落葉性であるが、キヅタは常緑性で冬でも葉を落とさないため「フユヅタ」とも呼ばれるとのこと。 どおりで秋になっても青々としているわけだ。
サクラやケヤキやイチョウの大木にキヅタが絡みついてまるで森を支配しているようだ。キヅタに覆われた大木の上の方では、まだヒグラシやツクツクホーシといった蝉が鳴いている。 蒸し暑い中で蝉の声を聴いていると、秋というにはまだまだ早いような気もしてくる。蝉たちも夏を止めようと必死に鳴いているのかも。
木蔦は晩秋には黄緑色の小花を密集させてつけるとのこと。だいぶ秋の進行が後ろ倒しとなっているようだが、晩秋というのはいつ頃と見ておけば良いだろうか。 そして翌春には黒く丸い実をつける。 もう少し季節が進んだらまた観察に訪れてみよう。
猫間英介
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