004 水の4大特性 ②-1【水抵抗:水の三次元抵抗】
「水泳いいよ。やるとさ、筋バランスがよくなるんだよね」
と、僕が子どもの頃、水泳のメリットを誰だったかが話していたことをよく覚えています。
当時は「へーそーなんだ」って思うだけでしたが、何で筋バランスが良くなるのかについてはあまり興味がなく、掘り下げることをしませんでした。(そして多分掘り下げたらその人は口を閉じただろうw)
これから話す水抵抗の特性はプールの最も大きな魅力だと個人的には思っています!複数回に分けて掘り下げますので、良かったら読んでくださいね。
さて、、、
水の中って、三次元抵抗なんです。
だから身体をどこにどう動かしてもキツい
陸の上は、二次元抵抗なんです。
だから重力に反発する動きだけがキツい
それぞれ説明します
二次元抵抗って何だ?
このキーワードを分かりやすく話すために、少しだけ遠回りして身体の動きと筋肉のことに触れます
【筋肉の表と裏の関係】
肘の曲げ伸ばしを例に挙げると、肘を曲げる筋肉(上腕二頭筋、いわゆる力こぶのヤツ)が縮むと肘が曲がり、肘を伸ばす筋肉(上腕三頭筋、いわゆる二の腕)が縮むと肘が伸びる。
この様に、身体の動きには筋肉の表と裏の関係がある。
んで次、アームカールというウエイトトレーニングを例に
【アームカール】
手に重りを持って力こぶをフンフン!鍛えるトレーニング。下の写真のコレ↓
アームカールの動きを見ると肘は曲がったり伸びたりを繰り返しているから、一見どっちの筋肉も鍛えているようにイメージしがちですが、
実はアレ、肘を曲げる筋肉しか鍛えて(使って)いません。
それは、陸の上では筋肉が重力に反発する動きにしか力を発揮する必要がないから。つまり
【アームカールの動き】
肘を曲げる=重りが下から上へ移動
→重力に反発するので力が必要
肘を伸ばす=重りが上から下へ移動
→重力に反発しないので力が必要ない
こーゆーことになります。もっと言うと、上げた重りを脱力してガクンと下ろすと危ないので、だいたいの方は、重りをゆっくり下ろしますよね?それって重力に反発する力を使ってやってます。
結論、重りを持ったアームカールで肘を曲げ伸ばししたところで使われるのは肘を曲げる筋肉だけって話になります。もし肘を伸ばす筋肉を鍛えたかったら、
重りを持って肘を伸ばす動作が重力に反発する(下から上)方向になるようにフォームを作る必要がある。
ってことです。
【二次元抵抗】ってのはこういう事をいいます。
二次元抵抗では難しいこと
全身の筋肉をバランス良く、かつ効率的にトレーニングしようとすると、二次元抵抗では少し難しいことがあります。
あるトレーニングで表と裏の筋肉の動きが起こっても、重力の負荷がかかって鍛えられるのはどちらかに偏りやすい。(表と裏のバランスが崩れる可能性)
だったら!と、表も裏も両方鍛えようとしたら、まあまあ時間かかる。
全身の筋肉をバランスよく鍛える(使う)にはなかなか時間と気合いが必要だということです。
「運動しなきゃ!だけど時間ないから手っ取り早く簡単にいい運動がしたい!」
ってライトな感覚の方にとって、二次元抵抗はあまり都合良くありません。
三次元抵抗、いいじゃん
前置きが長くなりました
じゃあプールはどーなのよ?
水の中では重力の影響が激減するので
下から上だろうが、上から下だろうが
どんな方向に身体を動かすのも筋肉の力が必要になります。
先に話したアームカールの動きもプールの中で行うと
肘を曲げる時は曲げる筋肉を使うし
肘を伸ばす時は伸ばす筋肉を使う
しかないんです。
一度の往復動作で表も裏も筋肉が使われる
これが筋肉をバランス良く鍛えている(使って)正体です。しかも二次元抵抗に比べて小難しくなく時短にもなる。
プール、すげぇ!感心します。
「難しいの嫌い!時短で運動したい!バランス良く全身を鍛えたい!」ライトな感覚で運動したい方には、ウエイトトレーニングではなくプールでの運動(水泳、アクアビクス、水中ウォーキング)がモアベターになる可能性は十分にあります。
この三次元抵抗のメリットを知らない方が本当に多くて、「勿体ない!」と私はいつも思っています。
じゃあプールの中でどれだけ筋肉が鍛えられるのか?その見解については次の記事でお話しますね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?