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おばあちゃんを泣かせて、大切なことを学んだ。


「俺さ、おばあちゃんのカレー食べたいんよね。」


2020年2月某日。
その一言で、僕は病床のおばあちゃんを泣かせてしまった。
体が思うように動かなくなって、毎日辛い生活をしていたおばあちゃん。
早く元気になってほしいと思って僕が放った言葉は、おばあちゃんに体が自分の思い通りに動かないという現実を突きつけてしまったのだと思う。

今思えば、それまでにももっとたくさん、おばあちゃんに「カレー食べたい」と伝えられる機会はあった。
だけど、高校生になり部活と勉強が忙しくなり、大学生になってもなかなか帰省しなかったりで、だんだんとおばあちゃんに会いに行く回数も減った。
それが一般的なのかもしれない。
でも、そうしているうちにおばあちゃんの体調は悪化していった。
大好きなカレーを作ってもらえなくなった。
おばあちゃんのカレーはもう二度と、食べられない。

あの味を再現しようと思って、試行錯誤を繰り返したけど、どうにも再現できない。
作り方聞いとけばよかった。って思うこともあった。
でも、僕は自分で作ったカレーよりも、おばあちゃん家で食べるあのカレーが好きだったんだと思う。
木曜日夜7時、ポケモンやナルトを見ながら、おばあちゃんとじいちゃん、妹、母さんとおばあちゃんのカレーを食べる。都合が合えば父さんも一緒に。@おばあちゃん家
ばあちゃんのカレーは世界一だ。
シンプルに味がめちゃくちゃ美味いというのもあるけど、僕は家族が集まって食べるあの味が好きだったのかもしれない。
だから、おばあちゃんが亡くなった今、あの味は二度と再現できない。


元気?最近どう?
俺は元気にやってるよ。最近は○○やってて~。
今度○○行って、○○しようよ。
好きだ!ありがとう!
また会いに来るね~。

僕がおばあちゃんに伝えられなかった言葉たち。


おばあちゃんの死をきっかけに僕は、大切な人にきちんと言葉と行動で感情を伝えるようになった。


家族に会うときは、握手とハグ。
ありがとうってたくさん言う。たくさん話す。LINEもたくさんする。
じいちゃんにLINEの操作方法を説明して、メッセージのやり取りと電話をできるように教えた。じいちゃんは日記みたいなLINEばっかり送って来るけど、それはそれで元気な様子が分かって嬉しい。僕も写真付きで返信する。
できるだけ頻繁にかつ長期間帰省する。

親友にもたくさんLINEをする。たまに電話もする。用事が無くてもしてる。(迷惑だったらごめん。笑)
帰省するたびに遊ぶし、ドライブ行ったり、ご飯行ったり、一緒に野球見に行ったり。話の内容は野球のこととか、音楽のこととか、最近頑張ってることとか。くだらないことももちろんたくさん話す。
嬉しいことを言ってくれた時は、照れくさいけどありがとうって言うし、まずいことしちゃった時はごめんって言うように意識している。
就活の最終面接前に熱い言葉をくれたり、チャンテ風に応援してくれたりして、素直に嬉しかったから力になったありがとうって伝えた。

好きな人には大好きってたくさん伝える。しつこいくらい伝える。
小さい脳みそ振り絞って、思いついた愛情表現を片っ端からする。
会える時間がちょっとでもあるなら会いに行く。
好きな人の笑顔が見れるなら何でもするマンになる。


何が正解かは分からないけど、おばあちゃんに自分の気持ちをきちんと伝えられなったという後悔をもう味わいたくはない。
だから僕は、大切な人には自分の気持ちを伝えられる時に伝えるし、会えるときに自分から会いに行く。


おばあちゃんの命日でもなんでもない日だけど、最近周りの人に支えられているなと感じることがたくさんあったので、このnoteを書いてみました。
周りの人を大事にできる人間でありたいなあ。

ヘッダー写真は、おばあちゃんの病室で食べたアップルパイ。
どこのアップルパイかは忘れた。
実はおばあちゃんと母さんが奥に写っているのもこの写真の好きポイント。

おばあちゃんしんけん好きよ~!
また帰った時に墓参り行くけん待っちょってな~!

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