煉獄杏寿郎は、聖人君子かもしれない。
書く書くと言っておきながら、書けていなかった劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』の感想。めっちゃ今さらになっちゃいましたが…。
今回は、個人的に琴線に触れたシーンを挙げていきます!
※映画以降の原作ネタバレ含みます!
まずは、列車の中で、煉獄さんとご対面するシーン。
煉獄さんの隣に炭治郎が座るわけですが、なんといっても2人の体格差がよい!!
お兄さんと弟、師匠と弟子、先輩と後輩という感じが体の大きさからも伝わってきて、グッときた。炭治郎、かまぼこ隊の中ではいつもお兄さんポジだから、弟っぽくなっている姿が新鮮でかわいい。
お次は、車掌さんが切符を切るシーン。
それまでワイワイ話していたのに、鬼の気配を察知した途端、煉獄さんのまとう空気が変わる。閉じていた目を開く、あの一瞬のカットがとてつもなくかっこいい!
このシーンに限らずだけど、登場人物たちの、本気モードの目の描写がとてもとても好きです。瞳の下半分くらいに、瞳と同じ色の光がはっきり描かれるようになるんですよね。
それが綺麗で、強い意志が光から感じ取れるようで、ものすごく好き。
そこからの戦闘シーンの素晴らしさは、前回の4DXの感想でも述べましたが…。ここで付け加えておきたいのが、壱の型・不知火のあと!
二面相の鬼の首を一撃で切るわけですが、切った後の煉獄さんの姿を見てほしい。肩越しにふりかえるんですよ、なにその余裕、超かっこいい!!
首を切った確信があるから、背中を向けるわけで。もし、確信が持てていなかったら、切った後「どうだ!?」ってすぐに相手に向き直るはず。
それをいとも容易くやってのけて、肩越しに一瞥をくれるその貫禄たるや…!これが柱の力…!!(雑魚鬼みたいな感想になっちゃった)
その後、全員深い眠りに落ちていってしまうのですが。
ここでも、炭治郎が煉獄さんの肩にもたれて眠っていて。ここもグッときた。かわいい。この2人のセットは仲の良い兄弟を見ているみたいで、すごく微笑ましい。
当の本人たち、廃人にされる瀬戸際なので、微笑ましいなんて言ってられる状況じゃないんだけどね。
そして、煉獄さんの夢の中へ。
煉獄さんが、お父上に柱になったことを報告。
しかし、冷たくあしらわれてしまいます。
このときの煉獄さんの表情ァァァァァァ
静かに、それでも確実にショックを受けているあの表情が、ほんとに忘れられない。
千寿郎くんと抱き合って、励まし合います。
はい、第1泣きポイント。この「頑張って生きていこう!…寂しくとも」の声が切なすぎるのよ。
きっと煉獄さん自身も寂しかったんだろうなぁ。自分にも言い聞かせているような、そんな気がしました。
ふと疑問に思うのが、これは煉獄さんが望んだ夢だったのかということ。
厭夢は、幸せな夢・その人が見ていたいと思う夢を見せるはず。
それなのに、母上はおらず、父上も情熱を失ったまま。
煉獄さんは本当にこの夢を見たかったのかな。
そんな日々でも、その中にある些細な出来事に幸せを見出だしていたのかもしれない。
ああ、ダメだ、泣くわこんなん。
続いて、第2泣きポイントに参ります。(泣いてばっか)
炭治郎が家族の制止をふりきって、家を飛び出します。
「本当なら」
鬼がいなかったら続いていたはずの、家族との暮らし。
この言葉を何度も繰り返すごとに、現実を認めたくない気持ち、無念、憤り、炭治郎の思いが伝わってくる。
「でももう俺は失った!!戻ることはできない!!」
決意を胸に炭治郎は走り出す!
炭治郎、15歳だよ。本当に心の強い子だと思います。
また、六太くんの「お兄ちゃん、置いて行かないで!!」が涙腺に来るんだよぉぉぉ
こうして無事、炭治郎は現実の世界に戻ってきます。
ねずこちゃんのおかげで、他のみんなも目を覚ます。
でも、ねずこちゃん、厭夢の触手に腕を掴まれて大ピンチ…!
が!!ここ!!ここのBGM!!!
一瞬、線香花火のように雷がパチパチするのですが、その瞬間だけ音楽が止んで、ビートの音だけ残る。
キタァァァァァ!!!!!!!
毎度、鳥肌が立つ。からの雷の呼吸。からの
「ねずこちゃんは俺が守る」
これはもう惚れるしかないでしょ!!最高だよ、我妻善逸!!!
申し訳ありません。取り乱しました。
煉獄さんも目を覚まします。
「穴があったら!入りたい!!」
ってあんな元気よく言う人初めて見た(笑)
炭治郎と伊之助の共闘。伊之助が伸びてくる無数の手を見て、
「キモツ!!!」
っていうのが笑える(笑)
厭夢の首を落とし、列車が脱線。
伊之助が負傷した炭治郎の下にかけ寄る。
「大丈夫か、三太郎!!」
名前、違うんだよな~(笑)
炭治郎を抱き起こすときとか、寝かせるときの手が優しい。
伊之助、成長したね(涙)
厭夢、最期の走馬灯。
その中で、煉獄さんが刀をふるっているシーンがありますが、このときの羽織の軌跡がめちゃめちゃ美しい。
上に広がる羽織と、振り下ろした刀の斬撃が、ちょうど弧を描いているようで、見とれてしまいました。
そして、猗窩座の襲来。
もうここまで来ると、いやがうえにもその先を想像してしまうので、このあたりから半ベソです。もう、やめてくれよ…(懇願)
いつも笑顔を絶やさない煉獄さん。しかし、猗窩座の言葉を聞いた次から、顔から笑みが消え去っていて、「初対面だが俺はすでに君のことが嫌いだ」というお言葉、その通りなんだな、と。
いや、それにしても辛辣。
しかし、猗窩座もめげません。さらなる勧誘!
でもさ。思ったんだけど、「猗窩座」って「→→→」っていうアクセントじゃないの?「↗→→」なの?
っていうのが、気になってしまった(笑)
ここから、炎柱VS上弦の参の死闘が始まります。
破壊殺・羅針も、妖しく光ってとても綺麗。雪の結晶……。
煉獄さん、猗窩座に一度列車に叩きつけられます。
それでも、刀を握り直して立ち上がる。
絶対にあきらめない姿に、心が震えます。
柱としての覚悟、気迫が感じられる。
すぐに体が再生する鬼と違い、煉獄さんはボロボロです。
でも。
「俺は俺の責務を全うする!ここにいる者は誰も死なせない!!」
煉獄さんの背後に、情熱の炎が燃え上がります。
血を流しながらも、不敵な笑みを浮かべる煉獄さん。
お母上との思い出。力を振り絞り。
そして………
煉獄さんは、炭治郎たちに言葉を残します。
伊之助が肩を震わせて、泣いている…。
ああ…今この文章書いてるだけで泣きそう。
遠のいていく意識の中、現れた母上の面影。
「立派にできましたよ」
煉獄さんは満面の笑みを浮かべ、そして静かに首を垂れて旅立ってしまわれました。
母上の言葉は煉獄さんを鼓舞するものでありながら、知らず知らずのうちに縛り付けていたのかなとも思います。
その言葉で、どんなに辛くとも前を向いて来れた。でも、少なからず自分の気持ちを抑えてきた。
それがやっと、母上から褒めてもらえた。認められた。
煉獄さんは心の底から安堵し、解放されたのではないでしょうか。
あの一瞬見せた、どこか幼さが残るような笑顔に、そんなことを思いました。
またエンドロールまでしっかり泣かせてくる。
30分ごとに泣いてたのに、ラスト30分間ずっと泣いてた。
炭治郎や他の柱たちは、自分の肉親、大切な人を鬼に殺され、いわば敵討ちを目的として、鬼殺隊に入ります。
じゃあ、煉獄さんはというと、入隊理由は「由緒ある鬼殺の家柄だから」。
根本が、人のために命をかけてきたお家柄なんですね。
たまたま、生まれ出た家が鬼殺の名家なだけであって、もしかしたら一切鬼に関わらず生きることもできたかもしれない。鬼殺以外の道を歩めたかもしれない。
それでも、煉獄さんは人のために命を賭すことを選んだ。
己を犠牲にしようと、その場の全員を守り抜いた。
尊い人です。煉獄さんは、本当に尊い人です。
私が鬼滅を知ったのは、20歳になる年のことでした。
原作で煉獄さんに出会って、「自分と同じ歳で、こんなにもできた人格の人がいるのか」と衝撃を受けた記憶がある。
こんな人になりたいと思いました。
どうか安らかに。ゆっくり休んでね。
何回観ても、展開がわかっていても、毎度同じ熱量で泣ける映画。
本当に素晴らしい作品です。
映画を観てからだいぶ日が空いてしまったけど、思い出しただけでも胸に迫るものがあるもんなぁ。
ここまで長々と書いたものを読んでいただき、ありがとうございました!(ほんとに長い)
アニメの2期!遊郭編も楽しみ!!
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