見出し画像

Uywefa

ウガンダでは、国内外、様々なNGOが活動しています。その中で今回は、Uywefaという首都カンパラで活動するCommunity based organization(地域社会組織、CBO)を訪問しました!

画像1

Uywefaの運営する学校(正面)

UywefaはUganda Youth & Women’s Effort Fighting AIDS/HIVの略称で、主にAIDSやHIVにかかった女性や子ども達を対象に活動しています。 活動地はKazoという地域で、政府関係者などの金持ち層と最脆弱層が混在して生活しており、その差は国内でも最大級です。脆弱層はスラムに住み、女性の多くは生活のために売春婦として働いています。首都と隣県の県境にあり、行政の中心地からかなり遠いため、公立の施設がほとんどないという問題を抱えています。例えば、病院やSecondery school(日本の中学校・高校レベル)は一つもなく、住民は高いお金を出して私立のところに行くか、2,3時間歩いて中心部にある施設に行きます。これらのことから、AIDSやHIVにかかりやすい環境にあり、さらにかかっても治療することが難しく、子ども達のほとんどは学校に行けていません。

そんな問題が山積みのKazoでUywefaを運営するのが、Ronaldという男性です。彼はもともと、個人的にウガンダにある問題(貧困、HIVなど)について各地でボランティア活動をしていました。その中でたまたまKazoに来た際に、この地域の女性たちが生きていくために売春婦として働いており、そのためAIDSやHIVに感染している、という事実を知ります。そこで、住民に状況を詳しく知るための聞き込み調査をしながら、女性たちのカウンセリングを始めます。しかし1人ではその深刻な状況に対して出来ることに限界があると思い、また周りからの指摘も受けたことから、団体設立を決意します。そこで出来た団体はまだ女性にフォーカスをあてて活動していましたが、子ども達にもAIDS/HIV感染者がおり、またほとんどの子ども達が学校に行っていない現状があることも知り、子ども達も対象とすることにしました。この時点で現在のUywefaの大枠が完成します。

画像2

リーダーのRonaldと筆者Leon

ゼロから立ち上げたため、最初はパソコンも使えないし建物もお金もなかったそうです。そこで、コミュニティの人々と一緒に何をすべきか話し合い、母親たちから1人少額(日本円で約30円など)の寄付を集め、子ども達への教育支援を始めました。徐々に支援が集まるようになり、ウガンダの大手企業や銀行などから食料や設備、お金の寄付が集まりました。さらに外国からの支援・寄付も受けるようになり、特にUVP(Uganda Volunteers for Peace)・ UPA(Uganda Pioneers Assorciation)といったボランティア派遣団体を通して、様々な国からのボランティアが来ているようです。教育支援が始まった当初は、子ども達は全く積極的に学校に来ていませんでしたが、珍しい外国人が先生をしていると知ると、興味を持って来るようになりました。

主な活動の目的は、「子ども達が教育を受ける」「女性たちが売春ではない選択肢を持てる」の2つです。UywefaはCommunity based organizationであり、全ての活動が外国からのボランティアとコミュニティの人々によって成り立っています。活動費も全て善意の寄付でまかないます。上記の目標を達成するために、①カウンセリング②経済支援③エンパワーメント④食糧支援などを行っています。①は、団体設立前からずっと行っている活動の中心です。女性に対しては、貧しいとはいえ売春に手を染めないよう、悩みを聞き、別の解決策を探します。子ども達には、犯罪に手を染めないよう、また学校に積極的に行けるように話をします。②については、読み書きが出来ない人々や弱年結婚をした子ども達、HIV/AIDSに苦しむ人々が対象です。自らの手で本(教科書、ノート)を作り、自分たちで使ったり学校やコミュニティに販売します。また、近年は洋裁の技術訓練も始めています。大きな活動の①②に加えて、③の音楽やスポーツを通したメンタルケアやエンパワーメントを行ったり、コロナ下は緊急的に食糧支援(④)も行いました。

画像3

洋裁教室(コロナ下は週1に)

2007年から本格的に活動を始めたUywefaですが、最近ではなんと、メインの活動のカウンセリングを、コミュニティメンバーが自分たちで行うようになったそうです。彼ら彼女ら自身で行うことによって、自分たちの経験を通して、自分たちの言葉(言語)で行うことが出来ます。以前のように、学んだ知識を使って団体メンバーがやっていた時より、ずっと寄り添ったカウンセリングが出来るようになりました。そのため、団体メンバーの活動としては、月1回程度、どのようにみんなが問題を解決しているかの様子見のみ行っています。

上記のUVPやUPAに加えて、現地のパートナーシップ協定にも参加し、情報交換はもちろん、Uywefaが関われない分野の支援が必要な際に協定に参加している他の団体に助けを求めることが出来るようです。

Uywefaの取り組みは、大規模な支援を行うことは出来ませんが、Community based organizationとして、コミュニティのメンバーが自ら課題解決を行うようになっています。本当に必要な支援の在り方は、他から持ってきた「理想」を押し付けるモノではなく、困っている人々が必要とするものを、自ら考え調達できるようにすることだと、この団体の取り組みを通して改めて思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?