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ぬか床センチメンタル

こいつぬか床とぬか漬けの記事ばっかやん!って思った方すみません。
私好きなことはとことん語るタイプなのです。
でも今回はテイストがちょっと違います。

最近ぬか漬け記事が増えて来たのでのマガジンを作りました。多分これからも増えます。

では本題。

混ぜるのを忘れて表面一面に白い酵母を発生させたり、塩を入れ過ぎてしょっぱくしたり‥と私のぬか床ライフは波瀾万丈である。

毎日混ぜなくてもいいという素晴らしいぬか床を無印良品で見つけてから私のぬか床ライフが始まった。
と言っても、夫婦2人なのでそこまでたくさん漬けることはない。余りそうな野菜を漬けて楽しむ程度である。
基本人参、大根、エリンギなど漬けている。
夏はミョウガが夫のお気に入りだった。
個人的にごぼう、カブも美味しかった。


最近ぬか床を混ぜたあとに気づいたことがある。
ぬか床を混ぜた後の手の匂いが、以前飼っていたワンコの頭の匂いに似ているのである。
混ぜたあと、手を濯ぎ何気なく鼻を掻いた時ん?この匂いは‥となったのだ。

少しずつ掌からぬか床の匂いが薄れていくと、ますますワンコの頭の匂いがする。
匂いの奥底に確かに居る。
多分獣臭と言われる奴に似ているのだと思う。
色んな野菜を漬けてきたせいか、元々の無印のぬか床の匂いなのか。
それとも私の掌とぬか床の化学反応のせいなのか。
正解は分からないけれど、複合的な要素が重なった上の偶然だろう。
ある意味奇跡だ。

夫に嗅がすと「臭い!」と言われて普通に落ち込んだ。
そうだよね、犬の頭の匂いなんて良い匂いではないよね‥。
これは私だけの楽しみとして取っておこうと思う。

匂いの記憶とは凄いもので、嗅いでいると色んな記憶が蘇ってきて切なくもなりつつ、嬉しさもある。
今思えばしょっちゅう頭の匂い嗅いでたな。
亡くなってしまっているのでもう二度と嗅げない思っていたから匂いがした時、素直に嬉しかった。
ありがとう、ぬか床。と思いながら混ぜる。
掌の残り香にワンコを感じたくて混ぜる頻度が増えた。

ぬか床でセンチメンタルな気分に浸るなんて思わなかったけれど、思わぬ収穫だった。

これから野菜を漬けていくとこの匂いも変わって、もしかしたら無くなってしまうかもしれない。そう思うと寂しいけれど、たったひとときだけでもあの匂いを思い出せて良かった。

今も少しずつ薄れていく掌の匂いにあの子を感じつつ、次は何を漬けようか考えている。


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