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FE 35mm F1.4 GM導入後1年後の感想
FE 35mm F1.4 GM (SEL35F14GM) がやってきて一年と少々。
AマウントとFEマウントを併用しているので同じ焦点域のレンズがある場合、撮影環境や描写傾向でレンズ(マウント)の選択をするのですが、35mmに関しては原則FE 35mm F1.4 GM一択。
今までだと、ボケ質が気になる撮影の場合は35mm F1.4 G、ボケ質無関係な(或いは気にならない)撮影では35mm F2.8 ZAを選択し、それによって85mmや50mmといったレンズ(とボディ)の選択を左右するようになっていましたが、解像力とボケ質の両立が成し遂げられているように思える35mm F1.4 GMであれば組み合わせを考える必要はなくなりました。
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購入以来、相当数のカットを35mm GMに任せ、愛用していたSONY 35mm F1.4 G (SAL35F14G) やSonnar T* FE 35mm F2.8 ZA (SEL35F28Z) を殆ど刷新するまでになりました。
記憶が確かなら、この一年、Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZAは一度も使っていなくて、35mm F1.4 Gは一度か二度しか使っていない。
35mm GMは以前感想文を書いていますが、この一年でその印象は変わったでしょうか。
過去一年間に撮ったものを引っ張り出しつつ進行したいと思いますが、まずは遠景での解像力を確認してみましょう。
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描写は絞り開放でもカリカリです。
周辺は中央に比べ劣るものの高い解像力が確認出来て、色収差も殆ど気にならない。
周辺減光がそこそこありますが、F1.4クラスで周辺減光や口径食といった〝絞れば解消する〟要素を完全に抑制したレンズは数少ないので、その振る舞いは普通です。
周辺まで含めた性能MAXはF2.8~
F8まで絞ると少々解像力は減少するようですが使用範囲で、やっぱり解像性能はかなり凄い感じがしますね。
同じ場所でPlanar T* FE 50mm F1.4 ZA ( SEL50F14Z)も同様に撮影しているのですが、35mm GMを見た後では緩く見えてしまう…
近接での解像力はどうでしょう。
F1.4開放で撮る事は原則無いので数少ないのですが。
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モヤッっとした不明瞭な描写はなく十分過ぎる解像力を発揮していて絞り開放でも十分実用に足る性能です。
実際のところ、通常最低2段程絞るので必然的に最高性能領域で撮影する事になり解像描写に不満を感じた事は無いです。
ただ、不明瞭さは〝柔らかさ〟でもあるので、優しい描写とは言えない面もあります。 近接では圧倒的な解像力とその為に生まれるボケ量で柔らかさを演出しているといえ、マクロレンズ的とも言えます。
性能が良いのでストロボを使う際に不都合がある事は当然無いですねぇ。
光質はBOXでも壁バウンスでも紗幕でもリングでもクリップオンでも問題ない。
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ここまで絞れば通常どんなレンズも問題ないんですけどねw
こんなに絞るのにF1.4は必要なのか?と言われたら要らないと思うし、状況的にはズームの方が良いのですけど、ズームレンズを持ってないのでね…
グラビアちっくな撮影では高い解像力のあるSonnar T* FE 35mm F2.8 ZAでも良いんですが、FE 35mm F1.4 GMの方がボケが綺麗なので状況を問わず安心して使えます。
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AF速度はAF-Cで使うと速いですが、ワンショットだと特別遅いという感覚は無いものの、速くはないです。
このレンズに限った話では無いと思いますが、ボディによっては迷うような振る舞いを見せる時もあります。
個人的な用途だと、歩きながら撮る場合にAF速度や精度、認識力が重要になるんですが、AF-Cでだいたいは何とかなってるような気がします。
動きを見せたいという意図なので、睫までキッチリ止めないと、という撮影ではないんですが。
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F2.8
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改めて見ると歩きながら撮ってるのが多いなぁ…
基本片手で撮っているのでレンズは重量が軽く全長が短い方が好ましくて、自分の体力だと35mm F1.4 GMは振り回せるギリギリくらい。 もっと軽い方が勿論良いですね。
1Kg近いズームレンズで撮っていた時期も有りましたが、重くて長くて振り回しづらく使いづらいので、単焦点は必須です。
50mmでも同じように撮れる…というのは無くて、歩きながらモデルさんの周りを回っていたり、上や下から撮るとかしてる時もあるので(気持ち悪いな…)、15mmの差なんですけど、使い勝手がかなり変わってしまう。
点光源の描写は良い方です。
点光源内部の渦巻きは殆ど目立たず、縁のハッキリしたクッキリ系なのでより良いレンズと比べれば状況によっては不自然に見る時もありますが、通常使用するかぎり不満を覚える事はないです。
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単体で見ると別にどうと言う事は無いのですが、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA ( SEL50F14Z)と比較すると、クッキリし過ぎていない事がよく判ると思います。
好みといえばそうなんですが、クッキリハッキリしたボケに対して柔らかいボケとは普通言わない。
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FE 35mm F1.4 GMの前に発売されたFE 35mm F1.8 ( SEL35F18F )、これはとても性能が良さそうで迷ったんですけど、店頭で触った感じボケ質(羽根形状)が自分の許容範囲外だったのでスキップしました。
35mm GMは11枚羽根の効果が遺憾なく発揮されているので二段絞ってもしっかり円形といえる形状を保ちます。
点光源描写はボケ評価の一部分に過ぎませんが、FE 35mm F1.4 GMは縁のクッキリ感以外は高いレベルにあり、失望した事はないですね。
イルミネーションの撮影では通常、胸より上程度を担当する焦点距離として35mmを使用していて、口径食を抑制する為にF2.5~F2.8程度に絞って撮影します。
口径食が目立たず、点光源が潰れてしまう事もせず、かといって余計な主張もせず良い感じの描写ではありますが、一般的尺度で性能が悪化するような要求は出来ないですけど、多少偽色があった方がイルミの丸が判りやすくなって良いと言えなくもなく…
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イルミでは膝上から腰下辺りまでを85mmで賄いますが、腰上辺りで撮影しようとすると35mmではボケ量が足りずショボく見えてしまう場合が多く、85mmでは通常ボケ過ぎて潰れてしまうので、適度なボケ量を得ようとすると50mmが必要になるのですが、レンズ交換が面倒くさいので35mmをクロップしAPS-Cモードで撮影すれば開放近辺が使えて口径食の影響が最小限に抑えられるのでは?と思い実験しました。
下記が50mmが欲しくなる事が多い距離感。
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絞り開放から解像力が高いので、描写が緩くなるような事はありませんが、クロップしても開放でのボケ質は落ち着きが無く、案外口径食の影響はある。
この例だと口径食が気にならないのはF2.0で、F1.8でギリ。
あんまりボケ量を求めないのであれば使える手段ではありますね。
それと、トリミング画像を見れば縁のクッキリ感が目立つのが判ると思います。 高望みするならここはもう少々馴染みが欲しいところ。
35mmそのままで使った方がボケ量で誤魔化しが効く場合も多い。
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イルミネーションでのクロップはあんまり上手くいかなかったですが、それ以外の撮影でのクロップは案外イケると思います。
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点光源描写はイルミネーションでは見苦しく見える事がありますが、通常はそんなに影響がないし、イルミで欲しくなるボケ量も通常の撮影だとそんなに必要だと思わないのでむしろ使い易い。
オマケにシャッタースピードも稼げるので実用的です。
開放近辺での性能が良いから出来る事ですね。
冒頭、ボケ質が気になる状況では35mm F1.4 G (SAL35F14G) 、ボケ質が気にならない/解像力が欲しい状況ではSonnar T* FE 35mm F2.8 ZA (SEL35F28Z)を使っていたと書きましたが、FE 35mm F1.4 GMなら本当にこれ1本で済む。
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ちょっと前に感想文を書いたFE 85mm F1.4 GM (SEL85F14GM)には結構辛辣な事を書いてますが、FE 35mm F1.4 GMに対してそれはないですね。
フードは10mmくらい余裕があるように感じるので、収納時にはフードは逆付けするので邪魔にならないし、もう少々長くても良いかも知れない。
FHBが一つ、というのは相変わらず頂けませんが、85mmに比べ35mmの方が一般的に縦位置は少なくなると思われるので省略したのは良くはないのですけど、理解は出来る。
フォーカスリングはもう少々粘り気が欲しいところですが、絞りリングはユルユルでなく節度があるので勝手に動いている事はないし、なによりスペックにしては小型軽量です。
もう1~2cm全長が短いと尚可搬性は増すと思いますが、カバンからの出し入れや、ぶら下げていて邪魔に感じた事はないです。
比較的小型で地味とも言える佇まいは、高級レンズ=デカくてハッタリが効く、という無粋な感覚とは真逆ですね。
カメラとかレンズとかの機材は最終(撮影)結果を得る為のものなので、見た目は極論どうでも良いのですが、小型軽量である事は重要な性能の一つです。
撮影ジャンルが違えばまた違うと思いますが、うーん、自分の用途だとやっぱり欠点を探すのが難しいですねぇ…
強いて言えばお値段かも知れないですけど〝頑張れば〟価格だと思うし、普段使いもし易いので十分元は取れるんじゃないかなぁ。
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FE 35mm F1.4 GMくらいの描写力なら〝神レンズ〟と称していても不思議では無いのですが、自社/他社の35mmクラスも秀逸なレンズが多いように思うし、そりゃまぁ絞り開放や逆光やコマ収差が目立つような状況で撮り続ければ〝らしさ〟が撮れるかも知れないですけど、撮影する目的はレンズの長所を見せる為じゃない。
ただ無意識に使っていても〝このレンズでなければならない何か〟が感じられないと〝神〟と称する事は出来ないので〝神〟ではないですね。
まぁ〝理想的なレンズ〟になる程全てが完璧に近づき〝味〟という個性からは遠のいてゆくので〝このレンズでなければならない何か〟は得られにくくなる、という気もしますので、個人的用途では状況を問わず頼りになる素晴らしく良いレンズではあるけれど、神がかり的な何かがあるわけでは無いです。
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