製品開発は作ってからも売れてからも勝負が続く

今回の池塾(TPA)の課題図書は製品開発やプライシングの話です。

日本はアーキテクチャ革新に長けている

日本は製品アーキテクチャ革新に長けている。という記述がありました。

アーキテクチャ革新とは・・・製品の中にある個々の要素技術が新しいものでなくても、それらを製品として組み合わせるためのアーキテクチャが革新的な場合を、アーキテクチャ革新と呼びます。

アーキテクチャ能力が高いと技術どうしの複雑な組み合わせが可能となり複雑なうえに正確性、安全性も求められる高品質な車のような製品だったり、製品の小型化・軽量化にも影響を与えることができ軽量・高品質ノートパソコンの製造にもつながります。

日本においてこの能力が高くなった理由は、日本特有のゆるやかな分業制があるのではと思っています。自身の領域だけでなくそれ以外の領域の経験やスキルをのある多能工な人材が輩出される文化があったことが、製品開発全体の理解につながり、目標に向かって互いの知識や技術をいい感じに組み合わせることにつながったのだと思います。

製品開発は作って終わりではない

「製品開発」というとなんとなく作るところまでをイメージしていましたが、課題図書を通してマーケティング活動そのものだと感じました。
作って終わりではなく、製品開発は企画して設計して製造して流通させて知ってもらって最終的に選んでもらう。そして、選び続けてもらうところまで考える必要があるマーケティング活動そのものです。

日本の経済成長をささえた製品アーキテクチャ能力はものづくりの国、日本を確立したかもしれないですが、今の時代においては、いいものを作った後に買っていただく、選び続けていただくための戦略面もレベルアップをしなければ淘汰されるため作って終わりではない。その中でプライシングの戦略は非常に重要な部分であり、日本が不得意と言われている分野。

プライシング

プライシングの考え方のひとつに顧客の中のどの財布を狙うか?を捉えなおし製品やサービスの売り方を変え、それに合わせたプライシングをするというものがあります。

本書(※)では、オーディオを例に取り上げています。

①自分の部屋オーディオを設置する場合
②車にカーステレオを設置する場合

上記は同じようにオーディオを検討するシーンですが、②のカーステレオの時の方が気前よく高い値段を決断できるというインサイトを発見します。
これは、顧客の中で無意識に財布を分けていて、①は「趣味の財布」からの出費、②は「車の財布」からの出費と考えていて②のほうが財布の中にあるお金が大きい場合が多く、気前の良さにつながるというもの。

※デジタル時代の基礎知識『商品企画』

カフェ付きのコインランドリー

(これは自分の感覚かもしれないですが)カフェが併設された広々としたおしゃれなコインランドリーも上記の考え方をうまく取り入れていると思いました。

小さな子どもがいると、1人の時間を作る方法としては「カフェに行く」が最初に上がります。ただ、そうしづらい時もあるので、そんなときこのコインランドリーがあると、洗濯物を片づけながら自分の時間を手に入れることができ、ありがたい。1人の時間づくりの財布からコインランドリー代を出すことになるのですが、併設されたカフェを使わなくても広々とした店内でゆっくり過ごせます。そうすれば10分100円で自分の時間が手に入り、カフェに行くのと同じくらいの出費で家族にも感謝されるおまけが付きます。

お店としては、乾燥まで終わったら出ていく必要があるので長時間居座る人を自然となくすことができ、コインランドリー密集時代に良くできていると思いました。

コインランドリー

コインランドリー2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?