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宇宙と僕をちょっとだけ変えたアイドル ーでんぱ組のエンディングに寄せてー

 その知らせを見たのは、ちょうどポッドキャストの打ち合わせDMを送っているところでした。

思わず「ちょっと待って」とDMを送り、twitterにもちょっと待ってと打ちました。

 ここ何年かの動向を振り返ればいつ来てもおかしくなったのになぜか来ないと思っていた、その言葉。

心臓は高鳴り、締め付けられ、腕と目は所在を失いつつもタイムラインを追いかけ続けました。

語りたいことは無限にあります。

好きな曲、好きな振り付け、ライブの思い出、でんぱの神々の好きな回、メンバー変化によるパフォーマンスの変化、彼女たちがアイドルシーンやエンタメ全般に与えた影響……

でも、改めて彼女たちのことを思い出すと真っ先に出てくるのは

「僕を決定的に変えたこと」への感謝です。


でんぱ組を知るまでの日向日影は全然違う存在だったと思います。
いわゆる「アイドルなんて…」という気持ちも持っていたでしょう。多分周りからは堅物とか偏屈とか思われていたんじゃないでしょうか?実際に当時の私はかなり凝り固まっていたと思うし、今以上にネガティブで色々と皮肉屋めいたり冷笑的なことも言ってたりしました。

 もちろんその時代の私のよさもあったでしょう。素直に言えば小説を書くにはその時期のマインドがあった方がよかった面もあります。当時の自分があるから今の私がいるのも間違いないし、そこには後悔はないです。なんにしてもあの日、ラジオで「でんでんぱっしょん」を聴かなかったら私の人生はきっと今とは違っていたでしょう。


最初は「いい曲だな」と思って聴き始めただけ。「ほら、曲がよくて聴いているだけでアイドルが好きとかじゃないから」というよくあるルート。
 そこから知った彼女たちは、アイドルというものの私の見方がいかに偏狭だったかを思い知らしてくれました。

自分たちの苦しい過去をさらけだした曲
体格やスキルが違いすぎて振付が揃わないことから生まれた演劇的なパフォーマンス


 自分たちの苦しみやコンプレックスを見せながら、それでもできることを積み重ねていき、それが自分たちだけの形になっていく。だからこそ心身の奥からにじみでるかわいさと輝き。そんな彼女たちの姿が、私にとって刺さり、あっという間に夢中になっていきました。


 対バンライブで初めて彼女たちを見た時、「本物だ…」とまさに「アイドル偶像」とは何なのかを心身で刻み込まれるような感動が立ち上りました。
 ジャケットとカップリングがメンバーごとに違うバージョンが出た時、人生で初めてCDを複数買いました。
 毎週彼女たちが出るバラエティを見るのが楽しみでした。
 新曲が出る度に泣いていた時期もありました。
 もがちゃんの脱退の時は、本当に言葉を失っていました。
 最大の推しである夢眠ねむさんの卒業・結婚は、なんとなくそうなるんだろうなとわかっていました。
 新メンバーを見る度、新しい可能性とその模索にわくわくしつつも、何とも言えない大変さというか、難しさを抱えていることには気づいていました。

そして、エンディング。


 彼女たちを知ることで色々なアイドルを好きになったり、今まで自分が触れてこなかった文化に飛び込めるようになりました。アニメを昔は全然見なかったですが最近見るようになったのもきっと影響があるでしょうね。

 何より、彼女たちが自分たちのやり方、決して王道とは言えないやり方で前に進んでいく、挑んでいく姿は、きっと私の心の深いどこかに焼き付いていて、どこかで憧れを抱いていたのでしょう。

 今、私は、Vtuberとして他者に自分を見せる存在になりました。


 でんぱ組に出会わなかったらVtuberに対して、きっと半笑いだったでしょう。まして自分がなるなんて絶対になかったはずです。


あなたたちのおかげで、僕もマイナスからのスタートを始めることができました。ありがとうございます。


 「でんぱ組.inc」とは私にとって決定的に大切な存在です。
 でんぱ組より曲を聴いたアーティストはいるけれど、でんぱ組より影響を受けたアーティストはきっといないでしょう。考えてみれば、私の今のVtuber活動も、でんぱ組がアイドル界でやってきたことを参考にしているところがあるかもしれません。できないことじゃなくてできることの中で工夫してやるとか、他種のクリエイターさんとの関わりを持つところとか。

 もしかして、私、でんぱ組に入りたかった…?

 それはわかりませんが、でも、「宇宙を救う」と言って活動を始めた彼女たちはこの宇宙でいくばくかの人やものを救ったり、前に薦めたりしてくれていて、私もその一人です。それは間違いありません。

 ここまでこの文章を読んでくれたみなさん。これから「エンディング」まで、ぜひ皆さんにもでんぱ組を知ってもらいたいです。
 全く知らない人、あの6人時代しか知らないという方もいるでしょうが、彼女たちは今も最高のアイドルであることをぜひ知ってもらいたいです。ぜひその姿を、心身に焼き付けてください。

(えっ衝動的S/K/S/Dが2年前…?)

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