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バカのふりして「いつかアトロク2に出たい」と叫ぶ

はじめに

 私は兼ねてより尊敬する人としてライムスター宇多丸さんを挙げています。その宇多丸さんは長らくTBSラジオで文化系の番組のパーソナリティをされています。ウィークエンドシャッフル、アフター6ジャンクションと続いて、今年の10月からはアフター6ジャンクション2として夜10時から放送を続けています
 私はウィークエンドシャッフルの頃から番組が好きで、radikoやポッドキャストで聞いてきました。最近アフター6ジャンクション2(以下アトロク2)になってyoutubeでも見られるようになったのでスタジオを見ながら番組を楽しんでいます。

 この記事では番組の特徴と魅力を書いて、ぜひ皆さんにも聴いてもらいたいと思っています。特にクリエイターの方はかなり得るものが多い番組だと思います!

魅力!

1、様々な文化の情報を摂取できる

 カルチャーキュレーション番組と名乗っているだけのことはあり、多彩な文化に関する知識、情報、知見を得ることができます。知ることそれ自体も楽しいですし、それによって好奇心を喚起させられたり、ものの見方を学ぶことを私はこの番組を通じてずっとして、感性を育ててもらったと感じています。
 最大の例として宇多丸さんが複数番組にまたがってライフワーク的に続けている映画レビューがあります。「シネマハスラー」「ムービーウォッチメン」と名前を変えながら長く続くコーナーです。恐らくこの番組が有名になった最大の理由でしょう。
 映画の面白さや問題点を膨大な映画の知識と文化的感性に裏づけて論理と情熱をいりまぜて分析的かつ親しみやすく語るその評は本当に面白く勉強になります。また、過去作との連関やジャンルごとの味わい方などもその評を通じて学ばせてもらったと思います。私は映画の見方や、作品の語り方を宇多丸さんの映画評を通じて学びました。言うまでもなく私のゲームレビューや書評も強烈に影響を受けています。ていうか私の活動の3割ぐらいはタマフル、アトロクのパクり…
 色々なカルチャーへのアンテナを伸ばすことも番組を通じてできます。例えば、最新のイベントや美術展などを知り「こんなのあるんだ」って思いを馳せたりしています。他にも古典的な作品、今まで触れたことのないジャンルの楽しみ方を教えてもらったり、全く知らないインドネシアのクラブミュージックの存在を知ることもありました。ラジオ番組らしく音楽はやはり強く、連続シリーズで何年もかけてアメリカのポップミュージック史を語る特集もあったりします。宇多丸さんは日本を代表するヒップホップグループのMCなのでもちろんヒップホップの話は国内国外ともに充実しています。
 あと、生活に根差した話も多いです。定期的に文房具特集をしていて、私が愛用している「パワータンク」というボールペンはこの特集で知ることができました。

 先日はブルボン総選挙というリスナー投票企画がありました。この回がすごく面白かったのでぜひ見てほしいです。ちなみにこの記事はその総選挙で1位だったお菓子を食べながら書いています。

2、パートナーを起点にした番組構成

 メインパーソナリティの宇多丸さんの他に曜日ごとにアナウンサーの方がパートナーをされています。その上で、曜日ごとの番組構成は宇多丸さんというよりもパートナーの志向を意識して作られているのがアトロク2の大きな特徴だと思っています。ラジオ番組はパートナー、あるいはアシスタントがただの聞き役になってしまうことが起きてしまうことがあるのですがこの構成によりそれを逃れています
 例えば読書家でアニメ好きの宇垣美里さんがパートナーを務める月曜日(アトロク1の時は火曜日)は読書やアニメについての話が多く、アニメライターの方と通話をつないで最新アニメの話をしたり、ゲストを呼んで読書歴を聞くというような企画が行われます。火曜日(1の時は水曜日)の日比麻音子さんは美術館巡りが好きなので美術の話をしたり、あるいはお酒が大好きなのでお酒を飲みながらトークをするなど、番組の構成にパートナーの趣味趣向を取り入れています。そのため宇多丸さんはメインパーソナリティーでありながらパートナーやゲストの受け手に回る時間が案外多かったりします。宇多丸さんはすごくトークにおける受けがうまく、話を整理しながら話し手の魅力を引き出せる方で、私も学びたいものです。
 また、番組が年数を重ねるに伴い、パートナーの方が番組で披露した知識を生かして仕事をする例が増えています。前述の日比麻音子さんは番組を通してお酒好きとして知られたことで「おんな酒場放浪記」の出演者になりましたし、宇内梨沙さんはゲーム好きが講じてアナウンサーとしては異例の個人によるゲーム実況チャンネルを開設したり、2023年の東京ゲームショウのオフィシャルサポーターに就任されました。ラジオのワイド番組は長く続く傾向があるのでその中で出演者の成長や変化を楽しめるのも魅力ですが、アトロク2は特に番組とリンクした成長が見られると思っています。

3、いい意味でおかしな人を見られる

神田伯山さんが「問わず語りの神田伯山」のオープニングで必ず

ラジオは人に伝わる本音が聞ける場所

 と言っているのが私は大好きなのですが、アトロク2もまさに人に伝わる本音が聞ける場所です。また、人間のいい意味でおかしなところ、変なところを見られる番組だな思ってます。
 アトロク2の第一回のミニコーナーで、普段は道路交通情報などをされているキャスターの楠葉絵美さんがいらっしゃったのですが、交通情報の話をするのかと思ったらすずめの戸じまりを語り始めます。見ていただくと分かるんですけど、ヤバいんですよ。「私はすずめです」とか真顔で言うんですよ。おかしいんですよ。これはまじで見て欲しいです。あまりの作品愛に震えます。
 
このように、普段はしっかりしている方のおかしな姿を見られるのはやっぱりラジオらしいなと思います。それ自体楽しいのもありますし、このような姿を見ていると「ああ自分もちょっと変だったとしてもそれはそれでいいのかな」と自己肯定できるのもいいですよね。

バカのふりして「出たい」と叫ぶ

 アトロク2は単純に面白いだけではなく、私に強烈な影響を与えている番組です。ぜひラジオやPodcast、youtubeで見てみてください。特にyoutubeで見るとラジオの放送中のスタジオというかなり貴重な映像が見られますし、本当に楽しんで番組をされているのがよく伝わります。ていうか宇垣総裁映像になったら強すぎだろ…。
 そしてバカのふりして言いますけど、

「いつか出たいです!」

 この、「バカのふりして」というのは番組で使われる言葉です。自分たちの規模だとまずオファーしないところにオファーする時の常套句として「バカのふりして」を使っています。覚えているところだとバカのふりしてオバマ元大統領にオファーしたのだったかな…。私もすごく好きな言葉なので、今回バカのふりしていつか出たいぞって言わせてもらいました。
 何の特集なら可能性が…。Vtuber特集?はもっと適任がいそうですね。読書歴の話?私以外と読書歴しょぼいんですよね…。インディーゲーム、フリーゲーム特集なら…?でもjiniさんやyusuke3rdさんいらっしゃるし…。

#好きな番組


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