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94日目 古墳の家から始めよう

「古墳の麓にある家をもらっちゃった」と相談があったのは2年ほど前になる。古墳の麓??何かの記事で海外の無人島に建つ家の管理人の仕事があるというのを見たような気がするが、ことは古墳である。まず宮内庁が黙っていないのではないか?そもそもなんでそんなところに家が建っていたのか?むしろ奈良はほぼほぼ古墳の麓なのか?気になるところ満載だったが、見学に行くとやはりその家は古墳の麓に建っていたのである。「古墳の上に」と言っても差し支えない程に堂々と建っていた。

その「古墳の麓の家」が動いた。いや、移動したという意味ではなく「山が動いた」という意味で、いやいやここは「古墳が動いた」と言うべきか。ややこしいな、もう。とにかく資金調達の目処がたちDIYによる改修が始まるというのだ。律儀に連絡を頂いた。しかも、2年前に紹介していたTEAMクラプトンさんと一緒にやるというのだから喜ばしいことだ。さっそくクラプトンのアキラさんに連絡を入れた。

天理の山辺の道に側にあるその古墳は、聞けば古墳調査されるときに計測された範囲外も、後に古墳の一部であるとわかったらしく、それで、そこが宅地になっていたという(正確な詳細は確認できていないのでご容赦)長年住まわれていて昔ながらの竈なども残っている古民家だったのを知人が縁あって引き継ぐことになった。夏に見学にいったが草が生い茂り、壁も落ちかけていて整理だけでも大変そうだったし、古民家というより廃屋だった。

もらったものの、土地の権利や法律的なことも色々とクリアしないといけないことが多く、まして資金のあてもまだないというのが2年前の状況だった。私も、もう少し現状の仕事と育児に余裕があればコミットしたかったのだが無理はできず外野からの見守りに留まっていた。それが次第に仲間が集まり知恵を絞り、お金を集め、ついにプロジェクト化。合同会社cofuniaとして事業スタートしたという。古墳の引力がすごい。比べてみよう。もし「古墳の上の家」でなく「お墓の上の家」だったら、古墳だし、そうとも言えるのだが印象が全く違う。「盛り土の上の家」だったらどうか?すぐに災害区域入りである。「丘の上」も「山の上」もいたって普通である。何の上だったら人は居ても立ってもいられなくなるのか?やはり「古墳の上」である。

「古墳の麓」「古墳の上」パワーワードであり、キラーコンテンツである。



20231207

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