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時は戻せない…。けど。"彼"からの手紙

続き。

届いたメールは。
彼からのものだった。


あの日。
僕は以前からのさくらのメールを読み返していた。
そして、今までさくらが僕にしてくれてきたこと、僕とのために使ってくれた時間を思い出していた。

さくらが新しいことをはじめるのをきっかけに、今までさくらが僕のためにしてきてくれたことが、全て無くなってしまうのじゃないかと思った。
さくらが定年になって、お子さんたちがみんな巣立ったとき、さくらは自由になって自分の好きなことを好きなようにし始めて、僕を置いてどこかに行ってしまうだろうと思った。

きっかけは「飲み会に参加する」という些細なことだったけれど、僕は不安になった。
そして、その不安に耐えきれず、さくらとの別れに向かって暴走してしまった。

そのことを、今は後悔しています。

さくらがいなくなってから、色々な人に相談にのってもらいました。
「そんなことで別れちゃうんだ!」と驚いた人もいれば「恋人が飲み会に行くのは正直嫌な気持ちになるよね」と言ってくれる人もいました。

でもね。
良く良く考えてみたんだ。
さくらが前に言っていたように、この先、新しい人と出会わないで生きていくなんて不可能だよね。
仕事でも地域のことでも子ども絡みでも、新しく誰かと知り合いながら生きていくのは当たり前のことだよね。

ごめんね、さくら。

さくらのことを信用していなかった訳じゃないんだ。

なのに、なんで僕は、あんなことをしてしまったのだろう。
本当にごめんなさい。

もしもね。

さくらが、僕と出逢えて一年を祝った、幸せだったあの日の気持ちに戻れるんだったら。

やっぱり僕には


メールは、ここまでで終わっていた。

「やっぱり僕には」

の!
続きは!?

えええええ?

そこで終わるの、アリ??

私は、どーすりゃいーの!!

でもまあ。
彼は自分のしたことを後悔している模様…。

そこは成長…。
なのか?

なのだろう。

彼に真剣に向き合った人間として、その成長は喜ばしいこと、か…。

でもよ?
時は戻せないよ。

気持ちだって、戻せないだろうよ。

ここまで離れておいて。
あの日に戻れるなら、だと…?

いやまあ、それは無理ゲー。
さすがに甘いよ…。

私、そんなにチョロくないと思うよ?

とか考えていると、またメール。


途中で送っちゃった。

やっぱり僕には
さくらが必要。

今でも愛してる。


ふわわわわわ!

まさか!
まさかの!!

復縁希望メール???

来た!!!

と。
と。
と。

とりあえず返信しないと!
逃げられる前に!←笑

「メールありがとう。とっても嬉しかったよ。」

あ、短すぎた…。

えとえと。
なんて送れば、彼はまた、返信をくれるんだろう…。

うん。
この手でいこう!

「できれば、顔を見て話ができればと思ってる。もしも、しんちゃんが私に会いたいと思ってくれたら連絡ください。待ってます。」

よし。
これで送信!

すると即メールが届く。

「さくらに会いたい。昨日も今日も明日も。」

ぐわーーーーー!!!

そしてトドメ。

「会えなかった日も全部さかのぼって、毎日さくらに会いたい。」

あんなに。
あんなに。

一目でもいい。
会いたい。

一言でもいい。
言葉を交わしたい。

そう強く願った相手からの、このメッセージ。

思考回路、キャパオーバー。

何も考えないで返事を送ってしまった。

「会おう!会いたい。」

…。
バカだなあ、私…。

いや?
まあ。

でも、そこがいい!!!
(自画自賛)

後悔はしてない!

能動的で本能的なワタクシさくらん。
元サヤになるのかどうかはわからないけれど。
とりあえず和解だけは、しておきたい。

あんなに向き合った人なんだもん。
拒絶されたままでは辛すぎる。

続きは次号!!!
(てか、これからっす。笑)

どんな未来が待ち受けているのか。

それは誰も知らない…。

でもないのか?
笑。

でも絶対に。
後悔しない選択をする自信があるぜ!!!

てなわけで。
行ってきます!

屍は拾ってやってください。