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窓枠に切り取られた景色

6:56の阪急電車。

オール明けで、社会の流れに逆らうように進む車内でのこと。

まるでそう教わったかのように、皆均等に距離を空けて座る。

普段は視線のやり場に困る環境でも、この時間はまっすぐ前だけを向くことができる。

車内では顔を合わせることが当然だったデバイスは、昔よく聴いていたミスチルのアルバムをシャッフル再生するだけのものになっていた。



窓の外に目を向けると、今の自分には眩しすぎる青と緑が飛び込んでくる。

他にも大きな看板や橋、スーパーマーケット、整骨院…

それは幼い頃に、別の窓枠から切り取られていたものだった。

わがままのゴリ押しで買ってもらったMのロゴ入りドリンク。

それを片手に、次々と変化していく見知らぬ景色。

車内でよく流れていたメロディーが、記憶と共に思い起こされる。

過去と現在がつながった瞬間だった。


ーーーまもなく〇〇、〇〇でございます。

前を向いて進むといいことがある。

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