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「食体験は課題解決のきっかけになる」坂本英文、フードクリエイターという生き方

コーヒースタンドを起点としたサービスを展開するHYPHEN TOKYO。

OPEN NAKAMEGURO〔中目黒〕、000Cafe〔渋谷桜丘〕、SWITCH KOKUBUNJI〔国分寺〕の直営店運営の他にも、クライアント様の「やりたい!」に寄り添い、コーヒースタンドをきっかけとした場づくりのプロデュースやサポートも行っています。

▼ HYPHEN TOKYOとは
コーヒースタンドを起点とした場づくり。
私たちは、人が往来する為に必要な機能はコーヒースタンドだと考えます。
その機能が内包された場は、つまりカフェ。
HYPHEN TOKYO ができることは、「統一感のあるチェーン店」のように、店舗設計や運営方法を一定のフォーマットで固めて、「個性豊かな個店」のように、そこに関わる人のアイデンティティで変化が生まれる仕組みをつくること。
幅広い世代や属性の方が集い、誰でも日常の一部として利用できて、個人・法人問わずPRや表現の場として活用されるカフェの新しい在り方。
そんな多様性を持った、ヒト / モノ / コト の個性が最大限に発揮できる場所を一つでも多くの地域に展開していくことで、そこにしかない価値を生み出していきます。

今回の『HYPHEN TOKYO "BEHIND THE SCENES"』では、HYPHEN TOKYO の "食” を担うフードクリエイティブユニット Mo:take のヘッドシェフを務める 坂本英文さんにインタビューを実施しました。

▼ Mo:take とは
「食」にもっと自由で、無限のアイデアを。というコンセプトを掲げ、
オリジナル商品 / メニュー開発 をはじめ、ケータリングサービスも展開。
Mo:take MAGAZINE を通じて、新しい食の楽しみ方も発信している。
Mo:take
Mo:take MAGAZINE

「食も空間も、最大限に楽しんで欲しい」

体験型ケータリング

現在はMo:take ヘッドシェフ / フードクリエイターとして活躍される坂本英文さん。元々は、都内のイタリアンレストランのシェフとして10年ほど働いていました。

しかし、20代後半になった頃、「大好きな飲食業界を盛り上げるためには、一度第三者的な視点から飲食業界を見つめ直す必要がある」と考え、IT企業への転職を決意したのです。

そして転職先で出会ったのが、株式会社Yuinchu代表の小野さんでした。
▼小野さんのインタビュー記事はこちら

その小野さんとの出会いが転機となり、レンタルスペース「GOBLIN.」の立ち上げへと至ったのです。

坂本さんがケータリングに出会ったのは、GOBLIN.のスペースをパーティ会場として貸し出している時でした。冷凍食品が多用される現場を目にし、坂本さんはここにチャンスを見出します。

「お客様に提供する料理はもっとより良くできるのではないか」「食も空間も、最大限に楽しんで欲しい」そんな坂本さんの想いがきっかけとなり、ケータリングサービスに特化した Mo:take が生まれました。"「食」にもっと自由で、無限のアイデアを。"これがMo:takeのコンセプトです。

「食を共にすること、それ自体が特別な体験」と、坂本さんは言います。初対面の人でも、食を挟むことで一つクッションができる。そして、それが新たなコミュニケーションのきっかけとなる。坂本さんにとってケータリングとは、食を通じた体験の表現方法の一つに過ぎません。現在はケータリングに加え、食に関する商品開発や商品プロデュースも手掛けています。

きっかけは、おばあちゃん。そして、映画製作。

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坂本さんが食に目を向けるきっかけとなったのは、”おばあちゃん”の存在でした。ご飯を食べることさえも苦労したおばあちゃん世代。

「洋服は着なくてもいいけど、食うもんはちゃんとしなさい」というおばあちゃんの言葉が、心に今でも残っていると言います。

大学卒業後、坂本さんが最初のキャリアとして料理人の道を歩み始めたのも、偶然の積み重ねでした。

大学時代、たまたま集まった映画好きの友人たちと共にオリジナル映画を撮影することになりました。ところが、映画を撮るための機材を購入するお金がない。

そこで「賄い飯を食べながらお金を稼げたら最高じゃん!」と考えた坂本さんは飲食店でのアルバイトを決めました。

パスタが好きだった坂本さんは、イタリアンレストランで働くことにしました。しかし、蓋を開けてみるとそこは超本格的なイタリアン。既製品は一切使わず、厨房ではイタリア語が繰り広げられる毎日。「右も左も分からず、ただ我武者羅に、必死についていった」と当時を振り返ります。

そんな日々の中、面倒見の良い先輩に恵まれ、「料理って面白いかも」そう坂本さんは気がついたと言います。

同じ材料を使い同じタイミングで調理をしても、先輩には敵わない味。
「同じものを作っているのにどうしてだ!」と、坂本さんの探究心がくすぐられます。気軽に始めた料理人としてのアルバイトが、いつしか坂本さんの夢・憧れへの変化していったのです。

" 食べる。" は必ずオフライン。

MotakeLABO画像①

2020年12月、Mo:take は「食体験のアップデート」をテーマに代官山に研究所をオープンしました。その名も Mo:take LABO 。兼ねてから、「食を通じた情報発信・交流の場」の必要性を感じていたことや、コロナ禍でケータリング需要が落ち込んでいたこととも相まって、坂本さんは自身の商品開発・商品プロデュースに力を入れていくことを決意しました。

がっちり連動するのは、自身も所属する小野さん率いる株式会社Yuinchu。「Yuinchuの強みは、人々を豊かにするタッチポイントを有しているところです」と坂本さんは言います。

食べるという行為は必ずオフラインだからこそ、食と空間を同時に体験してもらう場所が必要だと坂本さんは考えたのです。

Mo:take LABO。商品開発や撮影などクリエイティブ要素を絡ませ、最適な形で発信する。それは、まるで食に特化した広告代理店。スタジオ機能も兼ね備える Mo:take LABO だからこそ、作るだけで終わらない "食" を発信可能なものにすることができるのです。

「食×体験」 味わうだけで終わらない食の可能性

食べられる土

坂本さんの代表作の一つに「食べられる土」があります。食べられる土を開発した一番の理由は、お客さんに驚いて欲しいという想いがあったからです。

坂本さんが最も大切にしているコンセプトは五感を使って体験してもらうこと。食と体験が結びつくことで、その瞬間は鮮明な記憶として心に残ります。だからこそ、「驚き」という体験は、新たなコミュニケーションのはじめの一歩として活躍するのです。

ただ料理を作るだけじゃない。食体験を通じて課題解決のきっかけを作るのがフードクリエイターとしての使命。何をするにもまず "食うもん" からという、おばあちゃんの教えが今でもなお坂本さんの原動力になっているのかもしれません。

(取材・執筆:山田はんな)

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