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2020年6月30日にまたここで会おう
著者の瀧本哲史さんは2019年に、47歳の若さで亡くなりました。
その瀧本さんが2012年に東大で行った講義録がこちらの本です。
瀧本さんは、いつも20歳までの若者に向けてメッセージを送っています。
その他の著書でも、交渉力や決断力などの、自分のまわりを変えていく武器を渡していくような内容になっています。こちらの本でもそういった内容はチョコチョコ出てきます。
僕の中でこの本の中から特に忘れてはいけない内容は、
「盗めないものは、なんだ?」でした。
一つは、内部で何をやっているのか分からない生産プロセス。
一番大事なのはその人の人生(バックボーン)。
アイデアは盗まれるしそもそも価値はなく、最終的にものをいうのは実行力と信念。
過去にこんなことがあった
家族にこんな人がいた
生まれつきこんな生き方だった
くやしい想いをし続けてきた
こんな素晴らしい出来事があった
など、自分に起きた出来事は盗まれない。
それは立派にその人の武器であり、それがあるから頑張り続けられるし、まわりの人を動かすストーリーにもなります。
そう考えると、結局本を読んだり見たり聞いたりしたことって、賢くなることはできるけど物語を作り出すことはできない。
たぶんマーケティングの方法としてモノを少し売るためだけの物語ならば、簡単に創り上げられるかもしれない。
でも、大きく、よりリアルに人を動かす物語は、自分が経験した事を人に伝えて、その揺るぎない原動力で動き続けるしかないのかもしれない。
もちろん僕にそんな大きな物語はない。坂本龍馬が国を変えようと思ったような出来事は、僕の物語には、まだない。
だけど、小さな物語ならある。
思春期のくせ毛へのコンプレックスがあったときの物語は、今接しているくせ毛のお客様の気持ちを動かすと思う。
不親切な歯医者に歯の寿命を縮められた過去は、僕の商売のスタンスを誠実にしてくれている。
ハゲたくないと必死こいて色んな育毛剤を試している現在だって、もし未来に同じ悩みを抱えた方を救う時にはとてつもない武器になる。
今自分にある物語は無駄にはならない。
僕は34歳なのでこの本のターゲットよりはかなり大人になってしまいましたが、無駄に生きないという事を後押ししてくれるには充分な内容でした。
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