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中身空っぽの日本人

日本の問題点としてよく挙げられるのが同調圧力である。とにかく皆が皆同じでなければならない、集団主義、思考停止、全体主義的なマインドセットがこの国の人間の特徴である。経済は資本主義でも文化的には共産主義国家だといえる。

これは帰国して以来ずっと感じているのだが、日本人の大多数は「自分」という意識がほとんどない人々である。(一部例外もいるが大抵は変人扱いされて社会の片隅に追いやられている)

自分がないため何も考えられず、それゆえに理性や論理も育たず、道徳や善悪の概念さえもほとんどない。これらは自身で考えることによって成長する要素である、しかし日本の教育はそもそも子供が考えることをしないように設計されている。

いわば日本人は教育によって精神や思考を麻痺させられ、それゆえに精神や自我は育たず、成長を阻害された奇形的な精神状態で生きているのである。そのような状態であるゆえに、日本人は外から来る影響に容易に支配されてしまう。何故ならそれに抵抗する自己を持ってない。何より周りに逆らって自分を出そうものなら、酷い目に遭わされることは学校という刑務所で嫌というほど叩き込まれている。教育でこのような精神的虐待を受け、自身を守るウイルスソフトをインストールしないまま、ウイルスだらけの社会に放り出されるのである。

結果として日本人はとりあえず生きていくために、周りの人間に追従する。そして資本主義社会の金と虚栄、自分の利益だけが全てといった価値観を身に付け、空っぽの人間になっていく。それらの価値観に異議を唱えるような異分子は排除せねばならない、なぜならそのような人間の存在は自身のアイデンティティーを脅かすものでもあるし、周りの人間もそうしているから。自分がターゲットにされないためには自分もそうしなければならない。お上に逆らうなんてことはもってのほかである。こうして支配層に都合の良い社畜ロボットが完成する。

日本における同調圧力の問題の根っこにあるのは、個性や自我を破壊する教育と日本人自体の個人としての意識の弱さだといえる。「信念を持たない者はあらゆることに流される」マルコムXの言葉であるが、日本人向けに言えば「自分がない者は外から来るものに支配される」のである。日本人は個人としての意識を発達させるために、頭のおかしい社会や集団から逃れる必要があるだろう。自身を含む日本の社会こそが自身を縛り付ける精神的な枷であることを認識すべきなのだ。

しかし大多数の日本人には1人になっても精神的な支えとなる核がない。爪弾きにされることは自身の存在価値を失うことになり、それは死活問題でさえある。社会や集団の価値観が狂っていても、それに従うしかない。

何にせよ国民の大多数がこのような状態である以上、この国が内部から変わる可能性は皆無と言ってもいい。敗戦に匹敵するほどの何かが起きない限りどうしようもない状態にあると思われる。

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