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種から育てた干瓢巻き
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昨年の10月のこと。
いただいた種が育って、大きな果実が実った。
家庭菜園ならではの、何ができるかわからないという無計画な栽培。
カボチャ? 冬瓜? どうやら干瓢らしいわよ、と教えられる。
わーい、初めての干瓢収穫だ!
「とったどー」とばかりに家に持ち帰ったはいいものの、一体どう処理すればいいのかわからない、、
玄関に置かれた干瓢は、そのまましばらく皆の出入りをただ見守る日々を送っていた。
「カンピョ〜行ってきます」
「ただいま〜カンピョ〜」
時々、ぽんぽんと叩かれ、家族の癒しの存在として佇んでいた。
だが、いつまでも放置しておくわけには行かない。
なんとかしてやらねば、、という気持ちにだんだん苛まれてくる私。
年が明け、気合を入れて、いよいよ包丁を入れる決心をする。
![](https://assets.st-note.com/img/1649907903357-hcDnt5pfwg.jpg?width=1200)
表皮は硬くて、干瓢工場のように外側から削っていくのは到底無理そうだったので
半分に割ってみることにする。
内側から削っていくしかなさそうだ。
それでもなかなか包丁が入らない。
刃がダメになりそうだったので、カッターナイフで少しづつ線を入れていき、なんとか半分に割ることができた。
割ってみたら思ったよりも中身はスカスカ、ほとんど皮しかない状態。
時期が遅すぎたのか?
それとも干瓢ってこんなものなの?
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種を取り出して、内側に切り込みを入れてカットしていこう。
作戦では螺旋状に切り込みを入れて、表皮に沿っナイフを入れて、長いヒモ状に切り取っていくつもりだった。
だが、想像以上に難しい。
あるいは不器用すぎて、途中でギブアップ。
短くてもヒモみたくなってればいいか……と途中から投げやりになりながら、切れ切れのヒモを切り出していった。
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できたできた! 干瓢ができた!
だけど、量的には少しだけだなあという印象。
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とりあえずまずは、お味見。
水で戻して茹でこぼしただけでは、まだ苦味がある。
さらに、一日浸水させてアク抜きをしてから煮てみた。
「うむ、うむ、肉厚で美味しいよ、カンピョ〜!」
ひとまず自己満足した私は、残りの干瓢をジップロックに入れてまたもや放置。
「そうだ。干瓢巻きを作ろう!」
桜満開の頃、ふと思い立つ。
吹き出したばかりの木の芽を見て、冷凍庫の干瓢の事を思い出したのだ
濃いめに炊いた干瓢と木の芽は、予想通り相性バッチリ。
待たされてばかりだった干瓢も、ようやく満足したかもしれない。
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