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謎の装置を発見~神楽坂・竹の湯

新宿区神楽坂,言わずと知れたオシャレな街。
この界隈には3軒の銭湯がある。
「熱海湯」。千鳥破風の玄関と,お仕事前の芸妓衆が立ち寄ること,そして格別の熱湯で有名。
「第三玉の湯」。デザイナー感あふれるリニューアル,そして多彩なお湯が楽しめることで有名。
しかし,「竹の湯」を知る人は少ない。地元の人でなければわざわざ訪れようとする人は,いないだろう。

大久保通りと早稲田通りに挟まれた地帯,かつては3軒の銭湯があったが,現在残るは「竹の湯」のみ。
下駄箱の札に書かれた番号,女性は赤,男性は黒。
暖簾をくぐり,脱衣所へ。おぉ「台秤」「扇風機」「ぶらさがり健康器具」「足つぼマッサージの板」・・・「昭和レトロ」な小物がすました顔をして並んでいる。

顔を上げると,不思議な装置。「森林浴発生装置」
深緑に塗られた金属製の箱。ダイヤルやスイッチがいくつかついている。

ボクの世代なら『鉄人28号』(横山光輝の名作ロボット漫画)で正太郎少年が操作するリモコンなどを思い出し,目を輝かすこと必須

浴室へ。カランの数は23。
かつてはもう一つあったようだが,蛇口などが外されている。
浴槽は入口右から,「森林浴」,立ちシャワー×2,バイブラ,ショルダージェット,電気風呂があったと思われる一画,座風呂(腰ジェット)×2,深めの浴槽にジェットバス(腰,腹,臀部),水風呂,そして左手に間口の狭いドア(これは有料サウナでつながっている)。

湯温は42度程度。カランも同じくで,なじみやすい中温。
ペンキ絵やタイル絵はない。

何気ない「竹の湯」だが,特長が4つ。
(1)浴槽が天然石で囲われている。
(2)日替わりで入浴剤が投入される。今日は「アロエ」。
(3)強めのジャグジー類。湯温が高くないので,凝った体をゆっくりと解
          きほぐすことができる。
そして最後に(4)「森林浴」。実はミストサウナ。
3人しか入れない。温度は低め,体感85℃?
と思いしや,いきなりオートロウリュウ始動。
たちまち温度上昇95℃くらいまで上昇。汗が噴き出る。
何分か経つと蒸気がおさまり,また数分後に噴き出すくり返し。

そのたびに温度が上下するので,何セットか続けて長居ができる。
オートロウリュウと共に微かな香りを感じる。これが「森林浴」か。
何が「発生」しているんだろう。
あぁ~無性に知りたくなる。そして,
一度でいいからあの装置を操作してみたい~~

水風呂はかなり冷たい(体感12度前後)。
というわけで,普段使い感覚の銭湯。
たっぷり1時間楽しんできました。

「竹の湯」さん,ありがとうございます。いいお湯でした。

出る時にはとっぷり日が暮れていました。

後日談。
2度目の訪湯で,我慢できずにご主人に聞いてみました。
「森林浴発生装置って珍しいですねぇ。どんなものが発生するんですか」
すると意外なお答え。
「…あれね,今やっていないんですよ

浴室内の今は無料となっている低温サウナ(その名も「換気浴室))は
以前は200円の別料金をとっていた。
その後無料化❣
けれど,「あの装置に入れるやつね,あれがたくさん必要だし,けっこう高いんですよ」「ウチみたいな風呂屋じゃ,もうやっていけなくてねぇ…」

「すみません」と,頭を下げられてしまったが,こちらが申し訳ない思いになる。いやもう無料サウナだけでけっこうです。
竹の湯さん,毎年行きますから,ぜひ続けてくださいね。

竹の湯には有料サウナもあります。
そちらは入ったことがないけれどサウナ好きの方は有料・無料2つのサウナを楽しんでください。
ふつうの銭湯で2種類のサウナがあるって珍しいのでは?
 

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