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問題な青年レポート① ストーカー君

コミュニケーション能力に問題を抱えているのはおじさんだけではない。若い人だってコミュニケーション能力に問題がありそうな人に遭遇する。

大学受験に失敗し、予備校に通い浪人をしていた時のことだ。同じクラスで、志望の医学部と同じ、通学に使う路線も同じという男の子がいた。きっかけは忘れたが、顔見知りになり、向こうが物理や数学の質問をして来たり、ともに自習室で最後まで残っているので帰る時間も自然と一緒になり、一緒に帰るようになった。

相手に違和感を覚えたのは、仲良くなって2.3か月くらいしてから。自習室は200席近くあり、自習室利用券をもらいにいくと、ランダムに席利用を渡される。その200席近くある自習室でいつも彼が近くにいるのだ。そして、私が自習している最中に教えてほしい問題があると聞いてくる。最初はそれに答えていたが、だんだん自分の勉強時間が削られるために対応が嫌になってきた。私が塩対応をしても、もう先生に聞けばと促しても、彼はめげない。もちろん帰る時間は一緒であるために、一緒に帰ることになった。正直、彼に嫌気がさしていた。私としては勉強にし予備校に通っている。男の子についての悩みなど無駄以外何物でもない。全面的にそれを態度に出していた。ただ、相手はへこたれることがないのだ。

ある日、彼が自習室の利用券を借りるところを目撃した。受付の人に私の近くの席になるように頼んでいた。意図的にやられたことだと知り、不快感を覚えた。それから私は彼が私のそばに座るたびに、受付に行き、彼から離れた席に変更してもらうことにした。自分がきた瞬間に私が逃げるのだから、嫌われていることに気づくであろうと考えた。しかし相手にとってはこれが逆効果だった。私が逃げれば逃げるほど相手が近づいてきた。帰る時間になると自習室の前で私を待ち伏せするようになった。私が嫌がるそぶりに彼は全く動じないのだ。途中から、こいつ私が嫌がっているってことに気づいてないのかと思うようになってきた。

私はついに嫌いであることを彼に伝えた。伝えた後、彼は泣いていた。たぶん、自分が嫌われていることに気づいていなかったに違いない。突然、直接嫌いであるといわれてショックだったのだろう。私としては、それより前の態度で気付くだろと思う。ただ、その普通が通じない。

はっきりと相手に嫌いと伝えるのは、こちらとしても罪悪感がある。日常生活ではそういった直接のぶつかり合いを避けるために態度などでしめす。ただ、そういった人にはいうしかないのだ。そういったときに、こちらが罪悪感を感じすぎてはいけない。

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