小型水力発電の開発 2年間の軌跡 (YumesFrontier)
初めて記事を投稿させていただきます。
私は、2014年にYumesFrontier((株)ユームズ・フロンティア)を起業し、製造業向け機械の買取・販売事業をしてきました。
それらも軌道に乗り始めた2018年に「安定した電力供給を再生可能エネルギーで実現する」ために小型水力発電の開発を始めました。
なぜ水力発電なのかというと太陽光発電や風力発電は天候に大きく影響を受けます。地熱発電は試作をするにしてもコストがかかりすぎ、温泉地などでは規制もあり開発が進みません。バイオマスはカーボンオフセットという考えがありますが、木質チップなどの森林資源は成長に時間を要するためそれ以上に資源を使いすぎることには問題があります。
なので身近にあり常時使うことができるエネルギーを考えていたところ、川の水は使えないかという発想でした。
しかし川の水を使うには、水利権や河川法の規制がありそれらをクリアするためには1年以上の時間がかかることがわかり、規制がない工場排水やビルの循環水を活用することに決めました。
工場、マンション、商業ビルをメインターゲットに開発を進めることになります。
初めは何もわからないところから始まり、水力発電には機械、流体、材料、電気、土木といった幅広い知識が必要なことがわかり絶望的だったことを思い出す反面、奥深く面白さを感じ始めたときでもありました。
私は大学を出ていませんが、専門学校で機械工学を少し勉強したこともあり、それらのわずかな知識を頼りに独学で流体力学を中心に電気、材料について今も勉強しています。
水力発電で最も重要なのが水のエネルギーを受ける水車部分(回転する部分)であります。写真はYumesFrontierで開発中の水車内部です。その水車の構造によって発電量が変化します。
その後、水車の設計を始めますが大型水車の技術資料を片っ端から読み、論文なども可能な限り目を通しました。
水力発電の大きな課題は、技術面ではなくコスト面ということがわかりました。小型水車は大型水車よりも発電量当たりのコストがかかってしまい、発電量1kwあたり100万円以下を下回ることは必須の条件でした。現在、世の中に出回っている水車は数少ないですが1kwあたり150万円以上かかっているものばかりでした。
水車技術は、ヨーロッパが先行しており日本では水車メインで事業展開している企業は少ないため高度な技術をより簡易的にして安価な材料(大型水車よりも耐久性は必要ないと思い)を使い改良すれば100万円/kwを下回ることは可能だと判断しました。そこでフランシス水車という構造を改良していき、2019年初めには設計が完了しました。
しかし簡易的な構造にしたとは言え150万円/kwほどかかってしまい、今後加工精度、加工方法、材料、部品構造などを再検討して100万円/kwを目指していきます。
これらの水車が完成すれば、大規模発電に頼らない分散型の小規模発電が日本全国普及すると考えています。
災害が多い日本では、非常時に電気がないことは致命的です。そんなときに市民プールや浄水場など避難所の近くに水の流れさえあれば電気が得られる環境を目指していきます。
私は「技術の発展と地球環境の保護を両立した事業」を目指しており、それらを追求することで社会課題の解決やより便利な世の中になると考えています。環境問題の解決はもちろん必要ですが、石油・石炭・天然ガスが50~120年程で枯渇してしまうというデータがあります。それらに変わるエネルギーによる電力供給は21世紀を生きる私たちにとって最大の課題ではないかと思います。
地球のために「あなたのお金の1%」、
お金がない人は「あなたの時間の1%」、
時間もない人は「あなたの心の1%」
を使っていただければより良い社会になると思います。
今回は技術的な内容は記載せず、私たちの開発STORYを簡単にお伝えさせていただきました。
少しでも興味を持たれた方は、TOMOSHIBIにて仲間(メンバー)を募集しておりますのでぜひご連絡いただければと思います。
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