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大人がハマる昆虫研究

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40になって知ったディープな昆虫の世界。身近な環境も、視点次第で宝の山に。
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2022年12月の記事一覧

コマルガムシ―神出鬼没すぎるその生態―

コマルガムシ―神出鬼没すぎるその生態―

2022年5月中旬のこと、近所の行きつけの相模川で水際の微小ゴミムシ類でも調べようと石を起こしたところ、微小で細長い水生甲虫がゴマ粒のように大量に浮き上がってきて驚いた。

何だこれは?一見してガムシ科だが、見たことがない。ツヤヒラタガムシに形態が似ているが、ツヤヒラタは翅の端部が明るい色に見えるはずだし、これより一回り大きいはず。本種は真っ黒で、体長2 mm弱しかない。調べると、本種はどうやらコ

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アリヅカコオロギは木に登る

アリヅカコオロギは木に登る

タイトルの通りで、だから何?という話かもしれないが、本当に木に登るのである。個人的にちょっとした発見だったので紹介する。アリヅカコオロギ類Myrmecophilus sp.という虫がいる。バッタ目に属するが、体長はわずか3 mmほどで翅もなく、珍奇な形態をしている(トップ画像参照)。この虫はアリの巣の中に生息し、アリから餌をかすめ取って生活することで知られている。この虫を含む好蟻性昆虫については、

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