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#67 AIを使って・・・って誇大広告多いよね。回帰分析で終わったセミナーのお話

まあどこもかしこもAIです。

広告も記事も「AIを使って・・・ビジネス」「ビジネスを人工知能によって・・・」

ところで、

「AIを使って儲ける株式投資を・・・」

「AIによって適切な不動産価格がわかります」

ほぼウソですね。

まず、金融市場をAIで予測するようなことはできません。理論的にも実際的にも。

市場は効率だからです。

不動産価格が統計でわかることなどありません。地域要因が強いのですが、そうするとデータ数が足りません。百歩譲って都心の中古マンションならできそうですが、こんなのAIを使うまでもありません。

「拙者が、あなたの中古物件を無料査定してしんぜよう」っていう古い営業手法があるけどそれと同じ。AIだから何なのよ。

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ちょっと面白い、だけど示唆を含んだ体験があったので書きます。

ある集まり(無料セミナー)の1コーナーでのこと

主催者が「残りの時間で、特別に〇〇先生に、AIの手法をご披露してもらいます」

先生は人工知能の本も出しているその界隈では有名な先生。本日のセミナーの目玉のゲスト。

ところが、先生は、Microsoft Azure でデータを回帰分析して終わってしまった。20分程度。たしかに手際よく手法の流れを見せてくれた。

主催者はやや落胆した感じで「そこまでですか?」と。

「これが人工知能なんですか?!」「ただの回帰じゃないですか!」と言わんばかり。

先生は「そうです。これがAIですよ。(何か?)」と。

見ていた私はニヤリ

つまりこういうことです。

AIの定義は広い。最も広義の範囲がAI(人工知能)であって、機械学習やディープラーニングを内包する概念というわけです。

外側は従来の統計分析や多変量解析のことです。

よって従来の回帰分析も立派な人工知能の一つというわけです。

これなら「人工知能を活用したビジネス・・・」がただの統計分析であっても間違いではないと言えます。

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主催者はディープラーニングなどで手品のようなものを見せてくれると期待していたわけです。

しかし先生は「AIは手品ではない」ことを示したのです。(未開人のような)素人の持つ変な期待にクギを刺したとういうわけ。

人工知能なんていってもタダの統計なんですよ、と。

もう一つは、技術を教えてもらうことに対する態度を一喝。そんないいものタダで教えるわけないだろ、お前らに20分で理解できるわけないだろ、と。


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