見出し画像

#75 戦後の日本の経済成長の要因は何か?

#74 は「戦後日本は何も無いところから始まった」と題して、戦前の経済大国が戻っただけという話でした。

その高度経済成長できた要因を探してみましょう。

(1)人口増加

まず労働人口の増加がありました。団塊の世代(1947年~1949年生まれ)は60年代後半から加速させました。彼らが消費の需要も賄いました。

画像1

(2)都市化

産業構造が農業から工業へ変化しました。それに伴って人口が農村から都市へ移動し都市化が進みました。これらで生産性が急上昇しました。

画像2

(3)キャッチアップ

工業製品は欧米のモノマネから始まりました。大量生産して輸出しました。円もまだ360円の時代なので有利だったのです。これがうまく回りました。

(4)インフラが戦前から高い水準

前回書いたように第一次大戦から戦前までかなり経済大国になっていた。

以上から作れば売れる時代でしたので、よく働きました。朝鮮戦争など特需もありました。傾斜配分や官僚の貢献はそれほどではなかったと今では否定されています。

日本は奇跡的な経済成長と称賛されました。余力でオイルショックも克服できました。そして80年代は羨望と嫉妬されるくらいでした。

前回書いたとおり、戻った時期だけ見れば脅威の成長ですが、均してみれば成長は同じくらいです。

実質でみるとむしろ低いくらいです。インフレ錯覚もあったのです。

画像3

ところが90年代に入るとメッキが剥がれてしまいました。

(1)~(3)ともどこの国にも同じようにできるからです。

違いは(4)の他、政情安定、軍備費不要、勤勉性など。たしかに当時の日本は大量生産に向いていた面はある。

デジタル化で大きく遅れるなど「後退国」のトップに君臨しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?