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ビジネス・エコノミクス

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ビジネス・エコノミクス関連のレポートを書いていきたいと思います。生煮えのものが多いかもしれませんがスピード重視で。 それから過去に書いたちょっと古いエッセイも”その後”の追加を含…
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#ファイナンス

#147 もう一つのレバレッジ「営業レバレッジ」とは

レバレッジって”てこ”のこと。 借入を使った投資レバレッジは知っていると思います。 財務レバレッジが大きいと、リターンが伸びれば利益もグーンと増えることになり、売上が落ちれば損失もガーンと落ちます。 全体のリターンが大きくなれば自己資金や株主資本のリターンが大きくなります。逆に全体のリターンが落ちれば自己資金や株主資本のリターンもガーンと落ちます。借入金利より小さいときを逆レバレッジと言います。リスクも大きくなっているわけです。 私の説明では、”歯磨きのチューブを絞る

#144 WC:会社が大きくなると運転資本(WC)が増えていくもの

会社経営すると日々のお金が必要になるもの。 年間で帳尻が合ったとしても短期的に見れば費用と収益は常に一致しない。キャッシュで考えても入金と支払いにズレが生じるなど。 そのためのお金が運転資本。ワーキング・キャピタル、運転資金といいます。 WCは売上が成長するにつれて増加するものです。これが不足すると資金ショートの恐れが出てきます。 管理会計では「運転資本」としてこの短期資金化をみるわけです。 初心者が戸惑うのは、日々のフローの話なのに、バランスシートの数字で定義され

#143 DESノート

DESとはデット・エクイティ・スワップ。債務の株式化です。 事業再生で使われます。利息や元本返済はなくなります。 債権者にとって債権放棄よりマシということです。 例:シャープのDES 2015.06を紹介します。 欠損874億円でした。 6月末までに2250億円増資(新株)し、半分が資本金、残りは「資本剰余金」の「資本準備金」へ計上しました。 6月末までに資本金5億円に減資(最初は中小企業1億円の話もあったけど批判をうけてぽしゃった)。 みずほ1000億円と三菱東京UFJ

#113 販管費も業界で異なるけど、全てカットすべきは間違い

広告宣伝費、研究開発費、従業員教育費、資源探索費などは回収不能です。 このお金は返ってこないので埋没費用=サンクコスト といいます。 会計上の費用かどうかとは別の話です。むしろ経済的な見方になります。 回収できないからリスクとか問題であるということもあります。 しかし、これは参入阻止の源泉になると考えるのです。 つまり「攻めのコスト」、「最大防御のコスト」になります。 “顧客創造の実現は、マーケティングとイノベーションだけである”(ドラッカー[1954]「現代の経

#112 コントロール可能なコストと不能のコストに分けて考えよう!

原価率のことを制度会計的な視点で書いてきました。 ここでは、管理会計的な見方で制御可能なコストと不能のコストに分けてみましょう。 制御可能費、統制可能費、裁量可能費ともいいます。 制御可能:旅費交通費・交際費・広告宣伝費・通信費・水道光熱費・会議費・研究材料費・事務委託費など 制御不能:法定福利費・租税公課・賃借料・リース料・減価償却費・慶弔費など 連動:販売手数料・運賃・荷造梱包費など。まあ変動費ね。 ドラッカーの言う管理可能支出の定義で言うと、 減価償却費、

#111 業界ごとの売上高と利益率はかなり違う

#110 で原価率は業界でかなり違うことを書きました。 それでは売上から利益までP/L(損益計算書)の違いをみましょう (1)売上高 卸売りや小売りは大きい。でも利益率は小さい。 サービス業は売上高は低くても原価が少なくてすむ。M&Aなどのコンサルなんかは儲かるはず。 「ニッポン社長の年商は〇〇億円!」って驚く人がいますけど、いくら売上高があっても利益があるかどうかはわかんない。 100億円売っても利益ゼロとか赤字もあるし、1人で売上5千万円で経費は通信料だけな

#90 コメ先物終了:蓋すれば価格が安定すると考える浅はかさ

大阪堂島商品取引所のコメ先物取引が終了することが決定しました。 これは2011年の民主党時代に試験上場として復活したものでした。 農水省が「参加者数が伸び悩んでいて」「取引高が少なくなり」「価格が乱高下すると困る」という理由らしい。 参加者数は168と着実に増えてきたのに。 つまりはJAの反対工作。 医師会と並ぶロビー団体。 そして自民党(農林・食料戦略調査会)が止めたのが真相。 先物市場の「価格発見機能」が怖いのだ。市場価格がわかってしまう。あえてこれが「真の

#66 ビジネススクールを修了したあとも学び続けよう!

MBAを取ったら終わりじゃない。 ずーっと学び続けよう。 終わりはありません。 勉強するクセのついたあなたなら大丈夫。 もちろん目の前の仕事が最優先です。

#49 残念!木瀬照雄氏「私の履歴書」最終日失敗!TOTOブランド説明に不足あり

#39 で「私の履歴書」の正しい書き方で、毎回、必ず年月を入れることを書きました。 それが木瀬氏(TOTO元会長)が初めて達成しそうだと書きました。 ところが、よりによって連載最終日(6月30日(水))についにこれが途切れてしまいました。残念。完全試合を最後の一球で打たれたみたいなもの。 たしかに最後の日は自分史というよりまとめの回だったので、大目にみようかと一瞬思いました。 しかし、TOTOの名前のところで、「商標となった。私の入社前年のこと。」と書くチャンスがあっ

#42 ネットのチラシ情報で価格をチェックしよう

新聞を取る家庭は少なくなっています。ネットで読めばいいしね。 でもそれだとチラシや広報が手に入らなくなってしまいます。せっかくのお得情報を見逃す可能性もあります。 それから真の消費者物価(CPI)を知るためには、こうしたチラシを見てその乖離を体感しておく必要があるかもしれません。「これより安くは無い」という意味で。 そこでネットのチラシ情報をチェックしましょう。 Shufoo!(シュフー) スーパー、ドラッグストアなどの特売も知ることができます。 6/24の「DC

#41 追悼、立花隆。政治スキャンダルに学ぶ不動産

立花隆氏が亡くなりました。過去の私のエッセイの中から氏の関係したものを再掲します。 2007年2月25日発表のアーカイブ 立花隆著「田中角栄研究」(講談社)を読み直した。ロングテールの時代だとこうした絶版も容易に手に入るようになったわけだ。それはともかく、小泉内閣が壊そうとした田中派的金権政治を振り返ると、不動産が巧みに使われていることがわかる。 昔から政治の黒いお金の出入りは株か不動産になるが、リクルート事件が株なのに対して田中金脈は不動産だった。ただし、小佐野賢治と

#39 「私の履歴書」の正しい書き方。今日まで合格している木瀬照雄氏(TOTO元会長)。

もちろん日本経済新聞の最終面左上の連載。 世の成功者だけが書けるステータス。 1か月で1人だから1年に12人しか書くことができない。 経済人に限られないところがいいけど、やはり経済人が多い。 まともなビジネス・パーソンなら読んでいない人はいないんじゃないかな。 調べると1956年3月スタートだそうだ。 私の父親が日経を購読していて、新聞配達もしていたので小学生のころから読んでいる。(当時、田舎で日経を読んでるなんて株やっている人) 1971年(9歳)の川口松太郎

#38 暗号通貨のランキングや交換レートがわかるサイト

昨日の暗号資産の暴落の話題に引き続いて、暗号通貨のランキングや交換レートがわかるサイトをご紹介しておきます。 コインマーケットキャップ(CoinMarketCap)がメイン。 日本語サイトもある Tokeny.plという「熱狂者の暗号チームによって運営される暗号化サイト」です。 ランキングはこちら 「暗号化の計算機」というとろでは、相互の交換レートがわかります。 解説記事もあります。 あと、ニュースやSNSもあってチェックできます。 Brockchain.co

#37 ステーブルコインのTITAN(暗号資産IRON)が大暴落!しかも≧を>と書き間違えてた件。

暗号資産の「TITAN」の価格が1日で35億分の1まで大暴落する事態が発生。 2021年6月16日午後10時ごろから価格が急激に落ち始め、翌日午前10時には価格が0になってしまいました。 交換レートが一定に保たれた仮想通貨を「ステーブルコイン」(stablecoin)といいます。法定通貨に連動したcentralized stable coin 、暗号通貨に連動したdecentralized stable coin アルゴリズムステーブルコインがあります。 TITANは、