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孤独について 16.まとめ

私も”後期老齢者”が近づき、これからおとずれるかもしれない「おひとりさま=孤独」の時間をどうすごせばよいか考える必要を感じています。
そこで、「こんな本を読んだ 番外篇」で、さまざまな人の著書をもとに「孤独」について考えています。最終回は全体のまとめです。

「孤独について」の目次ページはこちらです

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【独断的結論】孤独なときは本を読もう

16.まとめ

「孤独」は、ひとりぼっちであるという状況のみをさすものではありません。「孤独」のとらえ方、感じ方には、人によってことなる部分があります。

いままで見てきた人の孤独観をいくつかのパターンに分けて考察してみます。

1.実存的な孤独観

孤独は人間存在の本質とする考え方です。岡本太郎・中島義道・三浦瑠璃・谷川俊太郎の各氏があてはまると思います。「孤独」とは次のようなものとしています。
・孤独は、闘うべき権威や欺瞞に対峙する自分の在り方
・人間の根源的な存在の仕方であり、孤独によって人間は自己の存在の本来的な在り方を知ることができる
・自由と自立をもたらすもの
・自分で考える機会をあたえてくれるもの

2.自由な孤独時間

孤独な時間を持つことによって、自分を見直し、よりよい生き方を求めることができるという考え方です。吉本隆明・鴻上尚史・斉藤 孝・五木寛之の各氏があてはまります。
・孤独な時間を持つことによって、自分自身と向き合い、自分の本当の思いや欲求に気づき、自分の人生をより良く生きることができる
・孤独の時間が自身の成長をうながす
・退屈との付き合い方にそなえる
・孤独な時間は、「回想」が豊かで自由な風景を見せてくれる

3.医学・社会的な孤独感

精神医学や脳科学が対象とする孤独、あるいは社会が原因となる孤独への対処法を伝えるものです。和田秀樹・中野信子・上野千鶴子の各氏があてはまります。
・孤独感が人の健康をむしばんでいる。孤独と上手につきあう必要がある
・自分の感情を客観視し、整理することで、より生きやすくなる方法がある
・老後のひとり暮らしは怖くない。そのための知恵と工夫がいっぱい蓄積されている


もちろん、各氏の考え方には、重なり合う部分があります。「孤独」ということばが持つ多義性が、混乱をもたらしている可能性もあります。

孤独の時間を増やして自分を磨くか、減らして孤独によるダメージを防ぐか、バランスはむずかしいと思います。忙しくすることによって一見孤独からのがれているように見えながら、逆に深い孤独におちいってしまうこともあるかもしれません。

孤独への対処はむずかしい。そんな中で、本を読むことによって時間をつぶし、あるいはなぐさめを受け、自分の生き方を考える。上にあげた人たちの多くが読書の効用をあげるのは偶然ではないでしょう。


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安っさん@こんな本を読んだ
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