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副業で国防はじめました。

株式会社百森の齋藤です。

最近、副業や兼業が可能な会社や企業が増えてきましたね。
調べてみると、政府が副業を推進している背景が5年くらい前からあるようです。株式会社百森においては、本業がおろそかにならない限り比較的自由に副業を行うことができる社風だと勝手に思っています。理解のある社長に感謝です。

さて、私は今年の4月から即応予備自衛官となりました。
即応予備自衛官とは、普段は民間人としてそれぞれの職業に従事し、有事の際には自衛官となって第一線で活動する非常勤の自衛隊員(特別職国家公務員)です。

実は以前、自衛隊を退職する際に即応予備自衛官になるチャンスがありましたが、退職後すぐにフランスに旅立つ予定だったため、一度断念した経緯があり、ずっと心残りでした。

そこで、現在の仕事に多少の余裕ができてきたことと、最近の不安定な国際情勢も相まって、やはりいざという時には微力ながら国防の力になりたいと思い、即応予備自衛官として志願しました。私の場合は、今年の1月にまず予備自衛官となり、4月には即応予備自衛官として採用されました。地連の広報官に聞くと、人員が不足していて若手の確保が急務のようです。余談ですが、フランスではパリの同時多発テロが起こった翌年、軍隊への入隊を希望する若者が急増したそうです。

晴れて即応予備自衛官となると、年間30日間(2日〜4日間程度の訓練を複数回)の招集訓練に出頭する義務が生じます。出頭する指定部隊はこちらで希望を出すこともできますが、だいたいは現在住んでいる場所から最寄りの駐屯地に駐留する部隊になると思います。私も西粟倉村から最寄りの日本原駐屯地に出頭しています。ちなみに、即応予備自衛官制度は陸上自衛隊だけに存在します。

陸上自衛隊にはさまざまな職種があって、私が常備自衛官の時は、普通科職種の軽火器をメインに扱う部隊に所属していました。普通科とは、かつての歩兵科のことで、自衛隊と聞いて一般的にイメージする頭に葉っぱをつけて小銃片手に走り回ったり、ほふく前進したりする部隊ですね。
今回、即応予備自衛官としては普通科職種の重迫撃砲中隊に配属されました。この部隊では、一つの砲を4人〜5人で操作するチームワークが必要になります。

即応予備自衛官の訓練について

ここでは詳細を省きますが、招集訓練には個人としての訓練と部隊訓練があり、履修する内容によって、それぞれ異なるタイプがあります。招集訓練は本業になるべく支障が出ないよう主に土日を使ってスケジュールが組まれます。

Aタイプ
精神教育、野外勤務等(必要日数2日×1回)
訓練開始式や中隊長のありがたい訓話があります。年に一回この時だけ制服を着用します。
Bタイプ
小火器射撃、基本教練等(必要日数2日×3回)
小銃で実弾射撃します。ブランクがあると射撃姿勢や銃の分解結合を忘れていたりします。
Cタイプ
特技訓練等(必要日数2日×4回)
配属部隊の特技をひたすら演練します。私の場合は主に重迫撃砲の操作です。
Dタイプ
班レベルの部隊訓練(必要日数4日×1回)
かなりきついです。
Eタイプ
小隊レベルの部隊訓練(必要日数3日×2回)
しんどいです。
Fタイプ
中隊レベルの部隊訓練(必要日数4日×1回)
死にます。

個人的にはブランクのせいもありますが、部隊訓練は全体的にきついです。
久しぶりに重装備での夜間行軍や掩体構築という名の終わりなき穴掘り、苦行の土嚢づくり、美味しくないレーション飯生活、寒さに震える夜、睡魔との闘い、エトセトラエトセトラな状況を体験しました。しかし、感じたのは苦しさだけでなく、懐かしさや助け合いの精神など思い出すことも多々ありました。同僚には女性隊員も数名いますが、一人も途中で離脱することなく最後まで訓練をやり遂げました。

即応予備自衛官の処遇について

即応予備自衛官になると本職と自衛官を兼業することになります。
私は西粟倉村の山守であるとともに自衛官でもあるのです。
当然、自衛官として訓練に参加すれば様々な手当が支給されます。

即応予備自衛官手当
月額: 16,000円 即応予備自衛官としての手当が支給されます。
※手当は課税対象になります。
訓練招集手当
日額: 14,200円(2尉)~ 10,400円(1士) 訓練招集に応じると各階級に応じて手当が支給されます。
※手当は課税対象になります。
勤続報奨金
1任期: 120,000円 1任期(3年)良好な成績で勤務した場合には、報奨金が支給されます。
※手当は課税対象になります。
被服及び食事
訓練招集期間中に必要な被服等は貸与され、食事も支給されます。
訓練招集旅費 訓練参加のための往復旅費が支給されます。
災害補償
公務に起因する災害(負傷、疾病、障害、死亡)については、現職の自衛官と同様、本人又はその遺族に対し、補償を行います。

※ 防衛招集等により自衛官となった場合は、自衛官の給料が支給されます。
※ ざっくりですが、年間支給総額は約60万円です。

即応予備自衛官になるには?


即応予備自衛官として採用されるためには、自衛官として1年以上勤務し、退職後1年未満の元陸上自衛官であるか、陸上自衛隊の予備自衛官として採用されている必要があります。まったく自衛隊経験がない人でも予備自衛官補から即応予備自衛官になることも可能です。
また、1年以上の勤務年数があれば、陸海空問わず陸上自衛隊の予備自衛官になれるので、元陸上自衛隊員でなくても即応予備自衛官になることができます。
即応予備自衛官採用時の指定階級は、基本的に現役退職時点の階級ですが、招集訓練の出頭率と勤続年数に応じて昇級していくようです。

最後に

私がこうして招集訓練に安心して臨めるのも理解のある職場があってこそで、改めて百森メンバーには感謝の念が絶えません。今年度の招集訓練も残りわずかとなりましたが、寒さの負けることなく最後まで無事に完遂したいと思います。
即応予備自衛官は、職場とは違った新しい自分を見つけられる場として、遣り甲斐と誇りが持てる仕事です。職場の理解が必要ですが、本人のやる気があれば副業としてやる価値は十分にあると思います。

一緒に副業で国防してみませんか?

興味のある方はこちら

防衛省 陸上自衛隊:即応予備自衛官制度



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