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ひゃくま
2019年6月26日 14:34
「……あれ?」 その日、一門 撫子(ひとかど なでしこ)(旧名:ノーネーム・アークレスハート)は勉強終わりであった。 彼女は現在中学三年生、受験真っ盛りであり、すっかり気温も下がり始めたこの時期において大変重要な時期に差し掛かっていた。 なので、彼女は帰り際に中学校の図書室で軽く勉強し、日が落ちる前に自宅に帰ってきて夕飯を食べて、今度は自室にこもって勉強するという生活をしていた。 本日も
2019年6月19日 01:05
夕日が照らす放課後の教室。 夏の始まりを告げるような爽やかな風がカーテンを揺らす。 教室には二人。 学校の課題に取り組む僕と、そんな僕の目の前で優雅に本を読む先輩。 そんないつも通りの光景―――― 「さて後輩君」 今日出た数学の課題をこなしていると対面に座る先輩から声がかかった。 「なんですか? 先輩」 課題から目を離して先輩の方へ目を向けると、先輩は満足そうに微笑んで先ほどま
2019年6月12日 02:25
「お、言海じゃないか」 『協会』の本部を歩いていると、曲がり角のところで高校指定の制服に身を包んだ少女――琴占 言海は一人の白人男性に声を掛けられた。 「うん? あぁ、ジェームズか。久しぶりじゃないか。いつ日本に来ていたんだ?」 言海はすぐに相手がジェームズ・ハウアーであることに気付き、立ち止まって会話を始めることにした。 元々、今日は『協会』への定例報告に来ていただけだった。 その報
2019年6月4日 01:41
スマートフォンから奏でられた穏やかな音楽によって目が覚めた。 設定していたアラームの音である。 ゆっくりとベッドの中で動き出し、枕元に置いてあったスマートフォンを手探りで探し当て、アラームを止めた。 画面には午前十時と表示されていた。 時間を確認したあと、スマートフォンをもう一度枕元に戻した。 今度は枕元から眼鏡を探し当て、眼鏡をかけてベッドから起き上がる。 今日はふた月ぶりのまとも