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シェアリングエコノミーによる不動産再生と場づくりの企画運営をされている荻野智希さんへのインタビュー

今回は、シェアリングエコノミーによる不動産再生と場づくりの企画運営をされている荻野智希さんに取材させていただきました。

荻野さんとお話を聞いて感じたのは、アウトプットを意識したインプットの重要性です。荻野さんが様々実践されてきた学習法は、どの分野で仕事をする人にとっても参考になると思いました。そして、このような発想で勉強されてきた荻野さんの考える「投資」や「資産」という言葉の捉え方も参考になります。

あとは、試行錯誤する大切さです。特に音楽をたくさんの人に届けるための様々な工夫は、お仕事全般に必要な工夫だと思われ、他の仕事をされている方にとっても参考になる点があるように思います。

以下、インタビュー記事です。

佐藤:本日はよろしくお願いします。まずは今までどんなお仕事をされていたのかお伺いしてもよろしいでしょうか?

荻野:新卒で大手複合機メーカーのエンジニアをやっていました。様々な場所に訪問しコピー機などのメンテナンスを行ってきました。

佐藤 最初はエンジニアをされていたのですね。エンジニアになられたきっかけは何ですか?

荻野:東京で働けそうな会社を探していて偶然見つかったのがこの仕事でした。学生時代は京都で音楽活動に携わっていたのですが、今後は東京方面で音楽活動をやりたいという動機と、今までお世話になった両親への親孝行のために一度はちゃんと就職しようという気持ちもありました。

佐藤:荻野さんからは、かねてよりDJをされていたというお話を伺っていて何がきっかけで音楽に関心を持たれたのか、前々から気になっていました。音楽との出会いはついてお話を聞かせていただいてもよろしいですか?

荻野:中学生のときにヒップホップやブラックミュージックを聞いてカッコイイと感じました。次第にスクラッチにも関心を持つようになり、高校生からDJを始めました。

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佐藤:音楽と出会って変わったことは何かありますか?

荻野:1つのものに熱中することで集中力が身につきました。また、音楽活動で人の音楽を研究する過程で分析力も身についたと思います。後は10代のとき自分の好きな音楽の愛好者に年上の方が多かったので、年配の方との交流が多くなりました。年配の方と交流する中での考え方の変化も音楽と出会って変わったことだと思います。

佐藤:音楽からたくさんのことを学ばれたのですね。音楽活動で工夫されていたことで今思うことは何かありますか?

荻野:師匠と呼ぶことのできる方がいない分野(PCでの音楽の作り方など)は自分で調べていました。「周りに先生がいなければ本が先生だ」と考え、本で勉強する習慣ができました。この習慣が身についてから、吸収力、アウトプット力がついた気がします。これは今にも生きていますね。

佐藤:本もだいぶ読まれるようになったのですね。今まで読んだ本で特によかった1冊は何かありますか?

荻野:いろいろありますが思い返すと原理原則を教えてくれる本を愚直に読んでいました。特に「7つの習慣」「原因と結果の法則」などは自分に落とし込んでよく読んでいました。

佐藤:先ほどアウトプット力というお話がありましたが、具体的にどのようにアウトプットを行っていましたか?

荻野:昔はアウトプットを全部書いていました。DJのスクラッチのやり方、アイデアから日常の出来事など何から何までノートで記録していて、そのノートは20冊くらいになりました。その過程で自分軸や土台ができたように思います。
次第にPCを使うようになり、そのアウトプット方法はノートからマインドマップツールへと変化しました。文章を書くのは苦手なのですがマインドマップなら書きやすくて、PC内に日付ごとのマインドマップを管理しています。時間をおいてそれらを読み返して統合することもあります。ここも合わせて自分の土台を作ったと思います。

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佐藤:すごいですね!勉強法やアウトプット法として本が一冊書けそうな内容だなと感じました。またお仕事の質問に戻りますが、上京されてからDJ活動ではどんなことをされましたか?

荻野:DJ活動だけでなく楽曲制作に力を入れており、大手複合機メーカーに勤務しながらインディーズレーベルよりCDをリリースしました。それがきっかけでCMや番組等の楽曲制作の仕事を頂くようになりました。

佐藤:DJだけでなく、番組制作のお仕事をされていたのですね。以前に音楽活動を海外でもされていたと伺った記憶があるのですが、海外でのお話も聞かせていただいてもよろしいですか?

荻野:東日本大震災を契機に海外に行こうと思い立ち、ワーキングホリデーでオーストラリアのメルボルンに行きました。そこでは日本での楽曲制作の仕事をしながら、現地でもDJの仕事をさせて頂いてました。帰国後に英語力を生かしたいと思い、フィリピンの住込の学校を見つけてメルボルンから直行しました。3ヶ月勉強漬けの後、マニラで3ヶ月友人の紹介でプロモーターのシェアハウスに住みながらDJツアーを組んで頂き各地をまわりました。

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佐藤:海外でさらに本格的にDJ活動をされたのですね。その後日本に戻られるわけですが、その後はどのようなことをされてきましたか?

荻野:帰国後にいくつか継続的に頂いていた受託案件の楽曲制作の仕事がなくなり、このまま続けていくのは難しいと考えました。この時の挫折で自分で仕事を作る側というか、生み出すことをしていきたいと考えるようになりました。具体的には、海外でのシェアハウスやゲストハウスでの体験から機会を生んだり、交流する場作りに関心を持ちました。

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佐藤:お話を伺っていて、音楽が今の荻野さんを作ったのではないかと感じました。目の前のことに熱量をもって集中し活動していくことで人生が開いてこられたのではないかと。

荻野:そうですね。それに加えて自分からチャンスを取りにいったのも大きいです。

佐藤:「目の前ことに熱量を持って活動する」のに加え「チャンスを狙う」ですね!目の前のことに一生懸命取り組むとよいという趣旨のメッセージは時々聞く機会がありますが、それと同時にチャンスを狙っていくというのは個人的に初めて聞いたかもしれません。

荻野:いい音楽を作るだけでは人は聞いてくれないんですよね。その音楽をどう届けるか、言い換えれば、自分の努力がどう報われたいのかという視点が大事だと思います。これは音楽だけでなく企業でもそうではないでしょうか。
さらに、一度届けようして届かないときに、さらに工夫してそれをどう届けるか考えることも大事ですね。あとは、尊敬する人を目の前にするとビビってしまうことがあると思うのですがそのときにいかにしてビビらずいけるか、「自分なんか」と思わずにいけるかどうかも大切ですね。

佐藤:その点に関して具体的なエピソードはありますか?

荻野:10代のときの音楽でたくさんありました。音楽活動で自分の尊敬する方にお会いしたとき、勇気持って挨拶するようにしていました。最初は何も起きませんでしたが、どう相手に挨拶したらいいか工夫していくことで、徐々に仲良くなることができました。音楽のサンプルをネットで送ったり、直接渡したり、届け方もあれこれ工夫しましたし、一度ダメでも懲りずにまた渡していました。

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佐藤:すごい行動力と粘り強さですね!荻野さんは、自分を動かしている原動力は何だと思いますか?

荻野:「クリエイティビティ」や「何かを作りたい」という思いですね。 ただ、1では限界があることを痛感していて、いかに人とコラボしてやるかということも大切にしています。1日は24時間しかないですし、自分にない視点を持てる人といかに接点を持てるかという点も大事にしています。

佐藤:荻野さんのされていることは全て繋がっていますよね。今、運営されているNeribaがまさにそんな場所ではないかと感じました。私、個人的には一度お話を伺っていますが、改めてNeribaを作られた経緯をお話いただいてもよろしいですか?

荻野:日本に戻った後で不動産の仕事もする中で「場所を作りたい」という思いが強くなり、みんなが価値を見出していないことに価値を見出す事を意識的に行うようになりました。具体的には、不動産の分野なので、物件に付加価値つけて売買したり賃貸するという形で行っていました。そんな活動をしているとき、自分の知り合いのオーナーから相談を持ち込まれた案件が、まさに今のNeribaの物件でした。コンテンツを持っていても、それを表現する場がないと困っている人が多いことに気がつき「そのような人がいろんなことできる場を作ろう!」と思い立ちました。この話をいろんな人にすると、共感してくれる仲間も増えていって、その仲間たちと一緒に物件を借りる交渉して実際に借りることができました。

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佐藤:素晴らしいですね。今まさにNeribaの活動に興味を示され、たくさんの人が集まってきているのも納得できます。今回の取材では、働き方という切り口に加え、お金という切り口も大事にしています。音楽活動を始めるとき、海外に行くとき、Neribaを運営など、今まで様々な人生の転機かあったかと思うのですが、そんなときにお金という観点ではどんなことを考え実行されてきたかも聞かせていただいてよろしいですか?

荻野:音楽やっていると収入が不安定だという認識があって、どのように収入源を作るかというのは昔からテーマでした。「金持ち父さん貧乏父さん」も読んで資産形成についても本で勉強していました。そうやって勉強することで、昔から資産運用も実践しています。

佐藤:お金を使うときに何を大事にしてきましたか?

荻野:クリエイティブな機材にはお金を使うなど使うところにはお金を使っています。反対に自分へのご褒美など、自分が浪費だと感じるものにはお金を使いません。経営者的な感覚を持つように心掛けていて、固定費を下げることも昔から意識していました。
今大事にしていることでは、金融投資ではなく人や場所への投資です。人という観点では他の人だけでなく自分への投資も大事にしています。一番効率のよい自分への投資は本を読むことですね。金融商品での投資は情報格差があるので難しいですが、自分は裏切りませんし。

佐藤:学んだことをしっかり血と肉にされているのだなと感じました。これからはどんなお仕事をしていきたいですか?

荻野:今までは不動産という形のあるものの付加価値をつけることを行ってきましたが、これからは、無形なものにも付加価値つけるということも行っていきたいです。Neribaの運営をそういうことを考えて継続していきたいです。

佐藤:素晴らしいですね。本日は学びになる視点が満載でした。ありがとうございました。

荻野さんのHP等

●会社(スペリアル)のHP
https://spereal.com

●Neriba
http://neriba.mystrikingly.com

●Facebook
https://www.facebook.com/tomoki.ogino


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