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Tasha のお庭を訪ねてみたい

ターシャといえば。。。

 可愛らしいひと。
ボストン上流社会に生まれ、でもその世界に違和感を感じて。そして、そんな違和感を感じる自分を大切にした女性だといつも思っています。

 この有名なお庭を作り始めたのは57歳のときからなのだとか。私ももうそろそろその年齢を迎えようとしている今、自分の美意識を大切にしようと決意した彼女の気持ちがわかるような気がします。

私とターシャとの出会い

 私が初めて彼女のことを知ったのは、まだ赤ちゃんだったお兄ちゃんをつれてミシガンへ滞在していた頃だと思うので1995年頃でしょうか。広大な友人の家に日中は赤ちゃんと二人でお留守番。その徒然にみていたテレビで紹介されていたように思うのです。
ライフスタイルからアーミッシュの女性かと思ったらそうではない。その日の夜、彼女の庭の美しさを友人と夫に熱く語ったような記憶があります。
 それからしばらくして日本でも紹介されたように思うのですが、私はその頃にはボストンに移っていたように思うのです。

いつか彼女の庭を訪れてみたい

 そう思ってはいても日々の暮らしに追われます。
日本に住んでいらっしゃる方からすれば、こんなに近くに住んでいるのになぜ!とお叱りをうけるかもしれませんが、彼女が住んでいるバーモント州までは車で3時間ほどかかります。孤軍奮闘の3児の育児のなかでは、そんな夢が叶わなかったことも仕方がないと思うのです。
 旅行会社が企画するツアーも販売されていましたが、私には高嶺の花でした。

訃報に接して

 そんな日々の中で彼女の訃報を聞きました。

 2008年だったのですね。その頃の末娘は2歳。目が回るような忙しさの中にいた自分を、今となっては愛おしく思います。
そして2007年に夫がこの古い家を買ってくれました。お隣のおばあちゃんが、今まで50年この家に住んでるけど隣の家は誰も庭いじりなんてしていなかったわ。と笑うぐらい荒れ果てた庭でした。
そんな庭を一人で色々育ててきた気持ちの中に、いつもターシャのお庭への憧れがあったことは確かです。

I don't make proper flower arrangements; mine just grow, like the garden.
まさにそんな気持ちで我が家の庭を作ってきました。

友人からの誘い

 あれはいつだったのか、パンデミックの前であったことは確かなので、4年ほど前か、旅行会社に勤める友人がキャンセルが出たとターシャのお庭へ行くツアーを紹介してくれました。
その頃はもう時間的に行けない訳ではなかったように思います。でも、なんだかやっぱり行くならば一人で行きたい。誰に遠慮することもなく、ゆっくりと彼女が愛した自然に触れたい。そんな気持ちで断ったのです。

 それが良かったのか、悪かったのか・・
パンデミックの影響で、それ以降、ターシャのお庭は開放されていません。

来年こそは。。。そう思って今日、サインナップだけはしておいたところです。

世の中が落ち着いてくれることを祈っています。

それでも。。。

 もし2024年にまた開放してくれることがあったとしても、行けそうな日のチケットが取れるかどうかは分かりません。
私が訪れることができる日は、もしかしたらもっと遠いのかもしれません。

 でもそんな時には、また想像力をふくらませながら庭いじりを楽しみたいと思います。ターシャのお庭を訪れることが出来なくても、憧れながら草花を育てることは楽しめるのですからね。

Life isn't long enough to do all you could accomplish. And what a privilege even to be alive.
それこそが、ターシャが私に教えてくれたことなのだと思っています。


1992年からのアメリカ暮らし、ボストンはそろそろ四半世紀になりました。 「取材」と称していろいろ経験したり、観光ガイドも楽しんでいます。 https://locotabi.jp/loco/hyacinth 応援していただけたらとても励みに思います。