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コロナ後遺症の私が言われて傷ついた10の言葉

はじめに

初めまして。HYと申します
私は2022/11コロナに罹患、2023/03にコロナ後遺症と診断されました(受診まで期間が空いてしまっただけで、コロナ自体の症状が治まった直後から体の異変を感じていました)
症状は倦怠感、頭痛、ブレインフォグ、聴覚過敏、全身の痛み等々です
一番症状が重いときは、半寝たきりで、トイレとベッドの往復が限界の生活をしていました
2023/09現在、寛解しつつあり、復職に向けた準備をしているところです
20代後半の男で持病はなし、まさか自分がコロナ後遺症になるだなんて思いもしませんでした
そして、コロナ後遺症がこんなにつらいものだなんて想像もしていませんでした
今回はその自分の経験(+一部知り合いの後遺症患者の経験)から、言われて嫌だった言葉を挙げていきます
すべての後遺症患者に当てはまるわけではないと思いますが、後遺症患者と接するときの参考にしていただければと思います
また、偉そうだなとか、わがままだなとか思われてしまうかもしれませんが、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです

1.「病は気からだよ。気のせい気のせい」

違います
多くの方が、コロナ後遺症に突然かかっています
心身ともに健康だった方が、ある日、いきなり動けなくなるのがコロナ後遺症です
何かを気に病んで、徐々に体調を悪くしていったのではありません
僕自身、精神疾患もなく、コロナにかかったことを特に気にすることもなく(多くの方同様に「あーコロナかかっちゃった」程度)、後遺症の心配をすることもなく(正直、後遺症にかかる前はコロナ後遺症は存在しないと思ってました)、ある日突然体調に異変が生じ、動けなくなりました
また、コロナ後遺症については日々研究されており、現在はウイルスの断片が体に残って免疫機能が暴走しているのではないかという説が有力視されています

2.「元気そうだね」

そう見えるのかもしれませんが、違います
コロナ後遺症は症状が目に見えづらいことが多く、元気そうに見えても実際はすごくしんどいということが多いです
また、やむを得ず外出しないといけないときは、家で数日間体を動かさず休めて、しっかりとセルフケアをして、外出前にBCAA(一時的に倦怠感を軽減する効果のあるサプリメント)をがぶ飲みして、徹底した準備をしていることが多いです
もちろんこの言葉を言う方に悪気はないと思いますが、言われた側は「やっぱり理解されないんだな」と感じかねないと思います
代わりに「今日の調子はどう?座って話すのは大丈夫そう?」など体調を気遣う言葉がけをしていただけると助かります

3.「なんでコロナ後遺症ってわかるの?」

コロナ後遺症は確定診断は難しい病気です。そのため、不思議に思われるのもわかります
症状の出方(倦怠感やPEM※があること)や、コロナ罹患直後~数か月内に発症したこと、検査で他の病気が見つからないこと等から、コロナ後遺症と診断されます
聞かれたときに上記のことを答えても良いのですが、答えてもあまり理解されないことが多いし、疑われているような気分になってつらくなってしまいます
会社の上司や人事担当等、状況を把握しないといけない立場の方であれば仕方ないのかもしれませんが、それ以外の方はできる限り避けていただきたいです
※PEM・・・軽い労作後や、ストレスのあと、5時間~48時間後に急激に強い倦怠感(だるさ)が出てしまう、という症状

4.「ガンとかじゃなくて良かったじゃん」

これは私が言われたことではなく、知人が言われた言葉です
体に不調が出て、様々な検査をしたけど特に病名がつくようなものはなく、コロナ後遺症と診断された話をしたときに、言われた言葉のようです
このとき、
「ガンは理解されるけど、コロナ後遺症って理解されないよな…」
とひどく傷ついたそうです
たしかに、コロナ後遺症は基本的には死に至る病ではなく、その点でガンよりよっぽど良いということは否定はできません。ただし、ガンは分かりやすくみんなから心配されます。コロナ後遺症はなかなか理解してもらえず、心無い言葉を吐かれることもあります
直接死ぬことはなくても、その無理解を苦にして自死する人もいます
「ガンとかじゃなくて良かったじゃん」
ある種正論なのかもしれませんが、その正論が人を傷つけることがあるかもしれません

5.「コロナ後遺症には〇〇のサプリが効くよ(ドヤァ」

インターネットでチラ見した記事をソースに、このようなことを言ってくる方がいます
これも悪いことではないですが、多くのコロナ後遺症患者は藁にも縋る思いで様々な情報を調べ、すでに多くのサプリメントを試していることが多く、その情報(〇〇のサプリが効くことがある)も知っていることが多いです
そして、サプリメント含め既存のコロナ後遺症の治療はあくまで「効くこともある」程度のものです
すでに色々試してそれでも治っていないなかで、このような「簡単に治る」に近しい言葉を聞くと、なんとも言えない気持ちになります

6.「運動しなよ。散歩とか」

運動療法が効くのは極一部の患者です
大半の患者にとって運動は無理。回復期に慎重に慣らしながら行わないと悪化します
5分間無理して歩いただけで、3日間、半寝たきりになるようなことだってあります(経験談)
何も知らずに、無責任なアドバイスはしないでいただきたいです
(5,6のアドバイス系は言い方の問題が大きいかもしれません。色々考えてくれるのはうれしいのですが、「自分は知ってるんだよ」みたいな上から目線で来られると、正直きついです…)

7.「私は感染しても何もなかったけどねえ」

へえ…良かったですねえ。……で?で?!?!
だったらなんだよ。コロナでも無症状もあれば死に至る場合もあるし、後遺症が全くない人もいれば、数週間咳が出るだけの人もいるし、数年間寝たきりになる人もいるんだよ
多くの病気がそうだろうが。逆に全員全くの同じ症状が出るものとかあるのか?そして比較することに何の意味があるんだよ黙ってろボケ!!!
と、言葉が汚くなってしまいましたが、率直に言われたときの心の反応です
(ここまでキレるのは私の問題でもあります)

8.「ブレインフォグ?あー頭がもやもやするやつね。じゃあ私もいつもブレインフォグだわ(笑)」

ブレインフォグって主観的なものです。正式な医学用語でもありません。明確な数値で示されるわけでもありません
そのため、他の人が本当にブレインフォグを持っているのか持っていないのかは断言することはできませんが、少なくともこのように話す方が「いつも」持っていることはないと思います
急に文字がほとんど読めなくなってしまうことや、親しい友人達の名前を全然思い出せないことなどが、毎日あるのでしょうか?
もちろんコロナ後遺症患者の間でも症状の重さに違いはありますが、多くの人は社会生活に大きな支障をきたしています
冗談めかすような形で言わないでいただきたいです
類似で「倦怠感?あーだるい人はそこら中にいるよw」もあります

9.「いつ治るの?」

わかりません
長くて暗く、出口が見えないトンネルの中にいます
いつ治るかだなんて、自分が一番知りたいです
でも、自分にも医者にも誰にもわかりません。プレッシャーをかけられている気分にもなるので、言われたくないです

10.「コロナが明けて~」

まず、個人的には明けてはいないと思います。初期に比べれば重症化率は下がりましたが後遺症のリスクは大きく変わっていません。もちろん感染症はコロナだけではなく、これまでも風邪やインフルなどありましたが、それよりもより大きいリスクがあります。社会活動を止める必要性は全くありませんが、マスクの着用、換気、鼻うがい、手指消毒等はしていくべきだと考えます
様々な情報を元に判断し、自分自身がコロナのリスクを気にしないし、特に対策をしないというのも私には咎める権利もその気もありません
ただし、少なくとも私たちコロナ後遺症患者のなかでは終わっていません。そう思っている方々の仲間内で言っていただいても構いませんが、私たちに面と向かって言わないでいただけるとありがたいです

殿堂入り「それコロナ後遺症じゃなくてワクチン後遺症ですよ」

一部の方にとってはセンシティブな話題のようなので、書くかどうか迷いましたが、やはり大事なことなので書きました。もうこれは論外ですね
こんなこと言うやついるのかと思う方もいるかと思いますが、いっぱいいます。さすがにリアルで言われたことはないですが、X(旧Twitter)で後遺症関連の話題が出ると、この手の輩が大量に湧いてきます
確かに、ワクチン後遺症もあります。でも、コロナ後遺症もあります(その証拠に、ワクチン接種歴のないコロナ後遺症患者も多くいます)
では、なぜコロナ後遺症ではなくワクチン後遺症だと診断できるのでしょうか?医師でもなく、何の専門知識もなく、実際に見て診察したわけでもない方が
医師がコロナ後遺症を診断するときは、症状や経過を念入りにヒアリングして診断をします。もちろん誤診断がゼロではないでしょう。ただし、インターネット上の有識者(笑)の方々よりは100倍信頼に値します

終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございます
どう思われたでしょうか?
えぇ、
「めんどくせえ~~!!!」
と聞こえてきた気がします
はい、面倒くさいです。ごめんなさい
ただ、お伝えしておきたいことは、コロナ後遺症にかかると様々なストレスがあり、いろいろなことに対して敏感になってしまうことがよくあると思います
(もちろん、すべて病気のせいにするのは良くないですが。はい、私が面倒くさくて人間というのもあると思います。ごめんなさい)
今は面倒くさいです。でも治ったら、きっと周りのコロナ後遺症患者、いえ、病気や悩みを抱えるすべての人に対して優しくなれます
あなたが悩んでいるとき、困っているときにも、きっとあなたの助けになります
それは私だけではなく、すべてのコロナ後遺症患者が感じていることではないかと思います
自分以外の人のことなど、わからないのが当然です。わからないからこそ、決めつけて自分の言いたいことを言うのではなく、その人と本気で向き合うことが大切なのではないかと、私は改めて気づかされました
最後に、みなさんの幸せを願い、この記事を終えさせていただきます

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