霊柩車の助手席に座った話
北国で暮らす義父が亡くなった。
義母も既に他界。喪主は夫だ。コロナ禍に東京から来る夫婦ふたりに現地のひとたちはなるべく近づきたくない。こちらもそれは配慮してほとんど私たち2人と葬儀社の担当さんと和尚さんの4人きりで葬儀は執り行われた。
火葬場に向かうのに、義父の遺影を抱えて霊柩車の助手席に座っていたのは私だった。私が車の免許を持っていなくて、私たち夫婦には霊柩車から降りたあと帰りの足が必要で、霊柩車の後ろについて夫がレンタカーを運転していくと夫自身が決めた。
霊柩車の助手席