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アートは不要不急のものなのか

先日、ワタリウム美術館から手紙が届いた。それはクラウドファンディングのお礼の手紙だった。
その中にはクラウドファンディングを行った経過について、こう書かれていた。

思えば、3月の後半から社会状況は変わり始め、4月7日に緊急事態宣言が出され、その後5月25日には解除されましたが、不要不急の外出は控えるという自粛ムードは夏過ぎまで続きました。「アートは不要不急のものなのか?」。ワタリウム美術館は時間短縮やアポイント制を駆使しながら開館を続け、8月には関東圏で開館している唯一の美術館となっていました。その後も、入館者は減少するばかりで、先行きが見通せぬ中、9月になってクラウドファンディングを行おうと決心したのです。

アートは不要不急のものなのか。
これは人によって答えが異なると思うが、僕にとっては必要なものだと言える。毎週のように美術館に行っていたわけではないが、これまで定期的に、そして意識的にアートに触れるようにしてきた。アートを楽しむ心のゆとりを持っておきたいし、それを確認するために。

谷川俊太郎は『生きる』という詩の中でこう言っている。

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

こんな時期だから、外出するのにはいちいち気を使うし、毎日、自問自答している。だからこそ、こんな時期だからこそアートを楽しむこころのゆとりは必要だと思う。

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