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「書籍化前提」で提案したWeb連載が、本になるまで|フリーランスの進路相談室

Huuuuの友光だんごです。2/12に、Huuuuが編集を担当した書籍『先輩たちが語る、自分らしく働くヒント フリーランスの進路相談室』がKADOKAWAさんから発売されました。

「おもしろい仕事はどうしたらできる?」
「苦手なことと、どう付き合う?」
「仕事と子育て、両立できる?」
「メンタルの調子、どうやって保ったらいい?」
「セルフブランディング、どう取り組もう?」

検索しても答えがない、知り合いにも聞けない、ましてや自分じゃわからない……。フリーランスにまつわる悩みはつきません。そこで、誰もが知ってるあのフリーアナウンサーやフリーランス歴40年の大ベテラン、YouTubeチャンネル登録者25万人のインフルエンサーまで、16人の先輩たちに進路相談をしてみました。
この本を読み終わるころには、あなたの不安がスッキリ解消してるかも?

フリーランスになりたての人や、これからフリーランスになろうとしている人、フリーランスとしての働き方を見直したい人など、キャリアに迷ったときに何度も読み返せるような一冊です。

もともと紙の本が好きで前職では雑誌の編集部にいたこともあり、『書店に自分の関わった本が並ぶ』瞬間は、人生で気持ちいいランキングのTOP3を争うくらい。ましてや「書籍」の編集にガッツリ関わり、頭からお尻まで「編集しました!」と言えるのは生まれて初めての経験。それはもう嬉しくて、できあがった本を初めて開いたときには目も潤み…………

と、個人的な感慨はそれくらいに。この本はHuuuuとしてもかなり大切な仕事となったため、会社視点での「どうやって生まれたのか」「どのように関わったか」を書き残しておきたいと思います。


コンテンツを紙で残すことにこだわる

Huuuuは元々、Webメディアのコンテンツ制作をメインとする会社です。ですが、ある時から意識的に「コンテンツを紙で残す」ことに取り組んできました。

Webの記事は半永久的にWeb上にアーカイブされ、検索ひとつでいつでも・どこでもアクセスできる存在です。しかしその反面、記事の保存されているサーバーが消えれば記事のデータもあっという間に消える、刹那的な存在でもある。さまざまなメディアに関わるなかで後者を感じたことが、「コンテンツを紙で残す」にこだわりはじめた理由でした。


その取り組みが最初に実現したのは、2019年。Webメディア『BAMP』の連載を書籍化した『経営者の孤独』(ポプラ社刊)でした。

小説家の土門蘭さん、編集者の柳下恭平さん、さらに出版社の天野潤平くんも最初からチームに巻き込む形で企画はスタートし、連載は完走。書籍化までたどり着くことができました。

プロジェクト開始〜書籍化までをまとめたnoteです


また2020年12月には、Huuuuが運営・記事制作を担当するWebメディア『ジモコロ』の連載漫画『いつか中華屋でチャーハンを』も書籍化。

Huuuuの日向コイケが大学時代の先輩である増田薫さんに依頼したところからはじまったWeb連載でしたが、連載中にスタンドブックスの森山さんにお声がけいただき、書籍になりました(『ジモコロ』としても初の書籍!)。

『フリーランスの進路相談室』はHuuuuとして3冊目の書籍化になるわけですが、この本については、かなり意識的に「最初から書籍化前提で提案し、実現した」企画だったんです。


仕事の提案時から、書籍化前提で

『フリーランスの進路相談室』は、元をたどれば株式会社GIGさんからの「自社メディアの『Workship MAGAZINE』で、記事を作ってほしい」という依頼がはじまりでした。あくまで「Webの記事を」というオーダーで。

そこでHuuuuから「書籍化できるくらいのテーマで、強いコンテンツをつくらせてください!」と提案させていただき、「2025年まで働けますか? フリーランスの進路相談室」という連載テーマが生まれました

Huuuuとしては「紙で残したい」だけではなく、『経営者の孤独』で経験した「1つのテーマを連載で掘り下げていくこと」に挑戦したい、という気持ちがありました。

1本のWeb記事は、長くても8000〜1万字程度。そこで掘り下げられる「深さ」には、限度があります。しかし連載のかたちをとり、一つのテーマをさまざまな角度から、10数本の記事を通じて掘り下げていくと、単発の記事では生み出せないコンテンツの深さと強さがあるはず。 そんな思いを株式会社GIGの方々が理解してくださり、連載がスタートしました。

とはいえ、最初から書籍化が決まっていたわけではない

鼻息あらくいろんなことを言っていたものの、スタート時点でどこかの出版社から出すことが決まっていたり、声がかかっていたりしていたわけではありません。

まずはWeb記事として面白いものをつくるところから、と月2本ペースでの連載がスタート。そうそうたる面々のフリーランスや専門家の方々に出演いただきながら、月2本ペースで記事が公開されていきました。

書籍化に向けて具体的に動き出したのは、連載終盤。『Workship MAGAZINE』さんのSNSアカウントやHuuuuのnoteで告知をしたり、

さらに水面下ではGIGさんが出版社へ企画の売り込みをかけてくださったり(これがとっっっってもありがたかったです…!!!)。結果、このタイミングでKADOKAWAさんに興味をもっていただき、具体的に書籍化が進み始めることに。

最初から出版社さんを巻き込めていれば話は早いのですが、連載は「生き物」でもあり、進行とともに企画が深まり、方向性も定まっていくもの。今回は全体像が見えた段階で企画を持ち込む方法をとりました。

Web連載からの書籍化、意外と大変!

さて、「書籍化前提で、Web連載する」こと自体は珍しくありません。ただ、多くは漫画などで、出版社が自社での書籍化を前提にやるパターンのはず。今回のように版元でない会社がおこなうケースは少ないと思います。それがなぜかも、今回の書籍化でよくわかりました。なぜなら、なかなかに大変なことも多いから……!!!

・確実に書籍化できるわけではない

これは当然というか、書籍化に向けた営業コストが発生します。漫画でも連載の人気次第で…という点はあると思いますが、そもそも「自社で書籍化できるかどうか」でハードルはかなり変わってきますね。

・Webのコンテンツを、そのまま書籍に流用できるわけではない

今回大変さを実感したのは、ここでした。『フリーランスの進路相談室』の場合、Web連載時にはテーマと書き手のライターさんの色を重視し、ある程度、記事ごとに幅をもった編集をしていました。なので、きっちり文字数などを統一しておらず、最大で2000字くらいのボリュームのばらつきも。

そんなこともあり、書籍化に向けての既存記事の再編集では「1冊全体の統一感をどう出すか」という作業が発生。書籍版では、悩めるフリーランス2名のキャラクターを新たに設定したり、インタビューの長さを調整したり、新規インタビュー2本やコラムを追加したり、いろんな編集を加えています。書籍をお持ちの方は、Web版の記事と見比べていただくのも面白いと思います。

とにかくチームは大事!

書籍化することになってとにかく実感したのは「このチームでよかった!」ということで。もっと言うと一番は「山中さんがいてよかった!」です。

山中さんとは、編集者の山中康司さん。もともとWeb連載時には(ほぼ)レギュラーのライターさん的に巻き込んでおり、全体の半分近い記事を執筆いただいてます。連載タイトルである「フリーランスの進路相談室」も、山中さんとのMTG中に浮かんだ言葉です。途中から記事の編集でも関わっていただいたり、取材相手のネタ出し会議にも参加いただいたり、まさに今回の本のキーマンなんです、山中さん。

なにが言いたいかと言うと、Web連載→書籍化まで走り抜けるにあたり、両方を通して伴走してもらえたのが本当にありがたくて。企画の背景からまるっと理解してくれている人と、書籍を一緒に編集できたのはすごく助かりました。

ひとりの頭でできることはたかが知れているので、「チーム」はとても大切。当たり前ですが、山中さん以外にもたくさんの方々にご協力いただいています。

本のデザインだけでなくかわいいイラストまで描いてくれたのは、橋本太郎さん。出会いは4年前で、遊んだり飲んだりし続けてやっと一緒にお仕事ができました…!

そしてGIGの担当者であるじきるうさんにも連載時から一緒に伴走いただき、書籍の校了でもめちゃくちゃお世話になりました。ありがたや…! 

もちろんKADOKAWAの担当者・川島さんと小川さんにもさんざんお世話になってます。いいチームで仕事させてもらってるな〜〜〜!と思いながらの校了でした。緊急事態宣言中でまだ叶わずでしたが、落ち着いたら皆で打ち上げしたいですね…!

と、校了時のエピソードなど話せば尽きませんが、とにかくいま言えることは「『フリーランスの進路相談室』めっちゃいい本なので、読んでください」ということだけ……。Kindle版もありますので、紙でも電子でも手にとって読んでいただけるとチーム一同大喜びします。

さらにTwitterで「#フリーランスの進路相談室」付きで感想をつぶやいていただけたりしたら、この大SNS時代にはもう甘露……! ひとつよろしくお願いいたします。


そして今回のように「書籍化も見据えたWeb連載」にご興味があれば、ぜひHuuuuにご連絡ください。Web連載の立ち上げから書籍編集まで一貫して請け負えるチーム・Huuuuを何卒宜しくお願いします!



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