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Huuuuが2020年に担当した約180本の記事から、おすすめを紹介【年末まとめ】

いろいろあった2020年の年末、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

緊急事態宣言下でどんな記事をつくればいいのか悩んだり、慣れないオンライン取材に悪戦苦闘したりと、Huuuuでもさまざまな壁に直面することになった年でした。そんななかでもまわりの皆さんにご協力いただきながら、なんとか走り抜けることができました。お世話になった皆さん、ありがとうございます!!!

おかげさまでHuuuuで関わらせていただくメディアも増え、今年は毎月12~15本くらいの記事を制作しています。「そんなに!?」と思った方、そうなんです。自分たちでもたまに驚くぐらい、Huuuuの担当した記事が世に出ているんです。

どれも胸をはっていい記事だと言えるものばかりなので、隙あらば皆さんに読んでいただきたい! ということで、今回は、2020年にHuuuuが制作した約180本(!)の記事のなかから、各メンバーおすすめの3本をピックアップして紹介します。

なかなか外出もできない年末年始でもありますし、ぜひお家で読んでいただけると幸いです〜!

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●徳谷柿次郎が選ぶ3本

酒場好きに愛される143歳のビール「赤星」、ブレずに貫いてきたファンへの姿勢とは?(ジモコロ)

外で友だちと飲むことがむずかしくなった一年でしたが、「サッポロラガービール」こと「赤星」がなぜ愛されて、なぜおいしく感じるのかを取材しました。変わらない製法とブレないマーケティング。いい店にいい人を連れていきたい。前提条件や店の雰囲気によってよりおいしく感じられるメカニズムは、リアルなコミュニケーションあってこそ。来年は安心して飲みたいですね。

「満潮時なら東京は沈んでいた」日本人が学ぶべき台風のメカニズム(Gyoppy!)

2020年は気候変動と向き合った一年でもありました。かねてから災害のメカニズムに興味があり、気候変動→海面温度上昇→台風が発生する→さらに発生位置が北上していて九州から本州にかけて影響が大きくなっている。ほんの数年前まではエビデンスがなかった世界にようやく光が当たったなぁと。現場の漁師は10年以上前から自然の変化に気づいてたんですよね。

ライターの「個性」ってなんだろう?悩める若手が、先輩に聞いてみた(CAIXA)

Huuuuの若手筆頭・日向コイケくん。美大上がりのカルチャークソ野郎なんですけど、気づいたらインドの修行僧みたいに髭がボーボーのルックスに。同じく髭がボーボーのライター・阿部光平先輩との印象の違いはなんなんだろう? 二人で髭について対談したら面白いんじゃない?と企画を振ってみたら、髭対談からライターの個性対談になって、結果的にHuuuuらしい記事に仕上がっておもしろかったです。

これも気候変動!? 漁師と農家100人が体験した「へんなできごと見聞録」(Yahoo! JAPAN

番外編でHuuuu初のLP制作を紹介させてください。全国の農家と漁師100人に地道なアンケートを取って、民俗学的なアプローチで気候変動の実態を調査した企画。ただアンケートをまとめるだけではなく、長野の豪雪地帯の米農家さん、長崎の漁師さんにもインタビューをして記事2本を制作しました。これまでなかった取り組みを評価してくれたのがなんと「国立環境研究所」…! 届く人にはちゃんと届いてる実感が最高…!

●友光だんごが選ぶ3本

コロナ後は「焼け野原」なんかじゃない。京都のミニシアター・銭湯・クラブの声(ジモコロ)

コロナ禍の2020年。ジモコロとして心がけていた「現場へ行くこと」が難しくなり、改めて自分たちの編集において大切なものは何か、考え直す機会となりました。そこで出たひとつの答えが、「現場の声を届けること」。たとえ自分は現場に行けず、画面越しの取材であっても、これまで培った関係性や取材力を元に、又聞きやネットからの情報ではなく、現場の「生の声」を拾って届ける。緊急事態宣言下で世間が混沌とするなか、それがいまできることだと信じながらつくった記事のひとつです。外出も難しい状況で、京都在住のライター・おかんがていねいに取材し、素晴らしい記事を書いてくれました。当時と状況は変化していますが、この時期の貴重なドキュメントとしても価値のある記事だと思っています。

千葉で生まれた「ミネラルじいさん」の土掘り物語(ジモコロ)

ひょんなきっかけからジモコロで「ローカルのすごい人」の記事を書くようになり、早や3年。彼らは常に突然目の前へとあらわれ、衝撃と興奮と生きることの不思議さを僕に教えてくれます。この「ミネラルじいさん」こと浅野悦男さんとの出会いは、これまでジモコロで取材した方々との縁で導かれたとしか思えないものでした。これまでのジモコロにおけるひとつの集大成のような濃密な取材を、ライターとしても持てるものをすべてつぎ込んで原稿にしました。

若者の貧困問題は「かわいそう」より「楽しい」で解決したい。サンカクシャ・荒井佑介さんが描く未来(未来想像WEBマガジン)

学校や社会になじめない若者に、居場所や社会参画の機会を提供する「NPO法人サンカクシャ」荒井佑介さんへの取材記事。荒井さんには2018年、当時Huuuuが運営を担当していたメディアで取材したことがあります。その後、新たに2020年から企画・記事制作をすることになった『未来想像WEBマガジン』で、彼の「その後」の取材が叶いました。取材のたった一回限りで終わるのではなく、できるだけ、その後も取材対象の方と関係性を繋げていく。できる範囲ではありますが、Huuuuの心がけていることです。こうしてメディアすらまたぎながら記事をつくり続けられることは、さまざまなメディアの仕事に関わるHuuuuだからこそですし、編集者としてとても幸せなことだと思います。

●きむらいりが選ぶ3本

「世の中は政治が動かしてる」マグロの絶滅を防ぐため、消費者にできることはない!?(Gyoppy!)

とっても、とっても大事な視点とお話の詰まった記事です。個体数が減っているといわれている「マグロ」や「ウナギ」を食べるのは悪いことなのか?じゃあ、食べるのをやめたらいいのか?単純には答えの出せない問題だけれど、豊かな海を守るために、自分たちの未来のために、どうしていくべきなのか。多くの人にまずは知ってもらいたいし、その先を考える人が一人でも増えたらいいなと思います。

「根性の人力検索」でルーツを解き明かす。NHK『ファミリーヒストリー』のすごい制作術(ジモコロ)

「人のルーツを探る」という地味で地道な取材や調査を、ディレクターがほぼ一人で行っていることに純粋に驚きました。思いを持って、粘り強い取材を続けた先で出合う「人生に存在する物語」は、どれもが胸を打つ内容です。メディアというものに関わる端くれとして、心に響くことが多い記事でした。

【漫画】税理士が教える! ネコでもわかるインボイス制度(ジモコロ)

フリーランスの人はとにかく読んでくれ〜〜!と思っている記事です。「インボイス制度」のことが間違った形で拡散されているケースを多く見かけたので、世界一わかりやすい解説記事をつくるぞ!と意気込んでつくりました。ネコでもわかる内容になっているので、ぜひ!!

●日向コイケが選ぶ3本

「女には無理」から「やりたいならやれ」へ。漁師の世界に女性活躍の場をつくる挑戦(Gyoppy!)

三重県・熊野で古くから伝わる「女性は漁師になれない」という慣習を乗り越えた二人の女性漁師に取材した記事。夕日に照らされながら、楽しそうに漁をする二人の姿がとても印象に残っています。彼女たちのような存在を世に伝えていきたいと感じ、ライターという職業の存在意義を自分なりに認識した取材でした。それと同時に、初めて取材から執筆までを一人で担当した思い出深い記事でもあります。

世田谷で出会った隣町の歌【街と音楽】(SUUMOタウン)

1960 年代に活躍したバンド『ビートルズ』の成功には、彼らがイギリスの片田舎で育ったことが要因していると云われるように、育った街の文化や歴史、そこで出会った人々との関係性は『音楽』にも大きな影響を与えていると感じます。そんな考察から始まった本企画5回目の執筆は、8人組ソウルバンド『思い出野郎Aチーム』のVo/trp高橋一さん。彼が青春を過ごした世田谷での日々、そして街と音楽の繋がりについて書いた最高のエッセイです。

「信じる」が失われる世界で見つけた、変わらない価値【コロナの渦中で考える】(ジモコロ)

コロナに見舞われた激動の2020年。さまざまな情報が錯綜し、心がざわつく瞬間が度々ありました。そんな中、悲観せず、かといって楽観的にもならず、目の前の問題に淡々と向き合い続けるヒラクさんの言葉にはとても励まされました。記事中の「悩むことをやめたら、正解を手に入れたくなってしまう。すると、その正解で誰かのことを殴りたくなってしまう」という言葉は昨今思い当たる節が多く、今でも無性に心に残っています。

●乾隼人が選ぶ3本

365日行く場所を奪われるなら、お金があっても意味がない【ほろ酔い座談会】(ジモコロ)

感染症の拡大によって、多くの人の行動が制限された2020年。ライブハウスや飲食店など、人々が密集する場に対する世間の風当たりが強くなった時期がありました。しかし、「不要不急」という言葉で括られた場所の多くは、その場を愛する本人たちにとっては「娯楽」以上の何かだったはず。平時には言語化してこなかった「街にある居場所」の尊さを、現場に行かずしてZOOMで語りあう座談会記事を作りました。酒場の話をしているようでいて、酒場だけの話ではない、「家以外の好きな居場所」を持っている人々の心を否定しないための記事になったと思います。

「普通」じゃなくてもいいのかな? 91歳のスーパーウーマンに悩める23歳が人生相談(ジモコロ)


知らない土地の知らない人の記事を読む理由、が詰まっている記事だと思います。取材相手は、長野県下諏訪町で長年女性議員として活動し、県内の女性議員率向上に貢献してきた樽川通子(たるかわ・みちこ)さん。取材するライターは、彼女の行ってきた活動を知ると同時に、樽川さんの経験と自分の悩みとを照らし合わせていきます。人生の予習なんてできないけれど、先達の経験や葛藤を知ることで「こんな行動が取れるかも」「こんな考え方もできるかも」と自分の外にある考え方を取り入れることができるんだと思います。

「このままじゃ事業がなくなる」危機感から手を組んだ若きリーダーたち(Gyoppy!)

長年続いてきた産業が、子の代、孫の代まで続くとは限らない中で、「自分の地元の産業を無くさないためには?」と考える二人の若き社長へインタビューしている記事です。石川県奥能登エリアを舞台に、「子どもたちが生きていく能登を、どうすれば良くできるか」と考える人々の一方で、子を慮って「町の外に出ろ」と諭すのも、また親世代の意見。「街に未来がないと考える大人もいた」という当たり前の事実が、綺麗事ではない「地元の未来を考える」ことの難しさを伝えてくれます。

●相談役・柳下恭平さんが選ぶ3本

私、東京で働いてていいの?「田舎の跡継ぎ娘」が父とホンネの会話をしてきた(ジモコロ)

「今年の三本を選んで」といわれて、自分の記憶の中から三本を選ぼうと思いました。何も見ずに思い出せる記事が、印象的な記事だと思ったので。そして、たくさん読んだ中で、山越さんの記事は不思議な存在感でした。具体的な内容よりも「娘さんがお父さんにきちんとぶつかってる」という印象がずっと残っていました。その距離感が好き。「ヨガ木こり」「函館のパン屋さん」に続く「娘ライターが聞くシリーズ」を決定づけた記念碑的記事でもあります。

「孤独」に向かわない「弱い」経営者でありたい / Tagiru. 伊藤修司(CAIXA)

書籍『経営者の孤独。』のクラウドファンディングのリターンとして、スリランカにホテルを作ろうとしている伊藤さんへのインタビューが行われました。経営的にも健康的にも不安の多いこのコロナの世界で「結局、人類は移動をやめないと思う」という強い言葉を聞けたことがとても印象的でした。土門蘭さんのロングインタビュー。折に触れて読み返す一本。

【育児漫画】あけたらしろめの父まんが「理想の父親像」(ジモコロ)

縦スクロールでしか表現できないしろめさんの絵物語。じわじわと感情と温度が上がっていった連載でしたが、特にこの最終回は素敵だったな。「父親になること」という未知への不安を描き続けた作品でしたが、2020年の世界の不安と、不思議なリンクをしている気もします。しろめさんの作品、またいつか読みたいな。

ウェブ上で『この世の果てだ…』と噂された秘境スポット「野付半島」に行って来た(ジモコロ)

番外編。いわゆる「こたつ記事」と呼ばれる、取材をせずに素材だけを切り貼りする記事の作り方に対して、不必要なパンク精神を見せたこの記事。そういうの嫌いじゃない。むしろ好き。で、この空に向かって唾を吐くスタイルが健在だということを、今年、また、野付半島に(誰にも頼まれていないのに)行ってきて、勝手に追加取材(?)をしている。カロリー効率が最悪なオーバーキル。最高。

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全世界の人の願いだと思いますが、コロナが早く収束し、2021年はのびのびと乾杯したり、旅をしたりできる世の中になりますように…! 現場主義のHuuuuとしても、心から祈っています。それでは皆さん、よい年末年始をお過ごしください〜!

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