探偵調査

前の夫が家を出てから私は酷く落ち込み塞いだ。
その時は毎日実家のソファーの端っこに座り一日中泣いて過ごし、食事は取れず、眠れずで不健康極まりない生活だった。
頭の隅っこの方でこのままではいけないと思いつつ、簡単には復活できなかった。
元夫の不審な行動を何となく把握しつつも、確信を得ることが怖かった。
何もはっきりしないままではどう身を振るべきかわからないので自身の方針を決めるために探偵を雇い調査してもらう事にした。
この時はまだ、“自分さえ頑張って我慢すれば(元)夫は帰ってくる”と思っていたし、小さな娘の為に何としても元の生活を取り戻さねばとも思っていた。
今思えばクレイジー期真っ只中である。

探偵に依頼する時、ことの詳細を説明したがその時探偵はほぼほぼ黒だと言っていた。
私が体験したようなパターンは一般的にとても多く、“大体女が居ますね”なんだそうだ。
男性の皆さん、“ほぼほぼ(確実)”ですってよ。
お気をつけあそばせ。

モノホンの探偵さんには初めて会ったが(恐らくは企業秘密だと思うので割愛するけど)凄い技の数々の説明を受けた。
私の場合は相手の所在がハッキリしなかったので追跡してどこに住んでいるのか、誰と一緒にいるのかなどを調べてもらった。
凄く高額なイメージもあるかと思うが、追跡する回数や時間などを予算以内に収めてくれるので非常に良心的だった。
もし、パートナーの不貞行為を理由に離婚や訴訟を考えている友人がいたら私はまず探偵の調査を勧めたい。

今時の探偵はなのか、この会社がなのかはわからないが探偵さんから調査中にLINEで報告が入る。
実際に女との写真が送られてきた時、私は文字通り怒りで体が震えた。
否、怒りだけではないかも。
もっと複雑な感情だったと思う。
とにかく冷静な判断が失われていて、電話口で探偵氏に落ち着くように言われ、あとは彼らに全権を委ねて欲しいと言われたくらい動揺した。

探偵調査を依頼したものの、私の中の何処かで0.1%くらい不貞はないと思いたい気持ちがあったのかもしれない。
ほんの少しだけ信じていたのかもしれない。
証拠を目の当たりにした私は愕然とした。
この頃から少しずつ、離婚に向けて前進し始めた。

つづく。


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