オットと私②
私は当時、実家で母とオジョーと3人で住んでいた。
うちのオジョーはレア度が高い人が大好きだ。
彼女の“レア度”とは普段一緒にいる時間が長い方がレア度が低いのである。
なのでほぼ1日中一緒にいる私よりも母の方が良い、弟夫婦が遊びにくれば母より弟夫婦だし、それより更に私の友達はレア度が高いのでオジョーは彼女達にべったり懐くのである。
その上、大人が大好きで人見知りもしない子なのでよく友人達には誘拐されないかと心配される。
そんなオジョーにとって母である私は常にレア度最下位なのだ。
淋しい…笑
そんなオジョーの特性のおかげで母に数時間預けて外出などで息抜きすることができた。
オットとLINEする様になって2週に一度くらい会うようになった。
内容は非常に健全で主にランチを一緒にしていた。
10年くらい会ってなかった彼の印象はいい意味であんまり変わらない人だった。
食事が出てくるまでの間、何故か私の水にお砂糖を入れようとするちびっこみたいな所も変わらないなーと何だか可愛く思えた。
おしゃべりが楽しい。もっと時間があればいいのに。
結局私はこの人が好きなんだと思ってしまった。
でも私はバツイチだし、子供もいる。
ずっとこのままで良いと思っていた。
が!
何度目かの食事の後で“ずっと一緒にいるよ”と言われた。
この詳細は私にとって大事なことなので敢えて書かないのでご想像にお任せするが、お付き合いする事になったのだ。
“今度は子供も一緒にどこかに遊びに行こう”と言ってくれた。
最初に書いたようにオジョーは人見知りを全くしない。 大人男子は私の弟位しか接点がないのでレア度も非常に高いはずだ。
初めて会った彼に対して、オジョーはいきなり“パパ”と呼んだ。
“パパだったら良いのにー♡”とか言っていた。
オジョー、猛スピードで彼をお気に入り認定したのだ。
初対面わずか5分程の出来事である。
もしかしたら子供の方が大人より遥かに本能的で、その直感力で彼の人柄を察知したのだろうか。
これには我々大人が驚き、動揺したが、パパと呼ぶ方が他人から見たら自然なので良しとした。
私たち3人が今、家族として生活を楽しめているのは様々な奇跡的な要素もあったのだと思う。
もしあの時電話で話さなければ、もしオジョーが人見知りだったら。
今の生活は無かったのかもしれない。
人生とは不思議なものである。
つづく。