ADHDの"遅刻"は「想像力の欠如」から来る

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遅刻の原因には2種類ある

僕は、よく遅刻をする。
これは、昔からで社会人になった今も改善しきらずにいる。

20歳でADHDと診断された後、「自分はそもそも遅刻しやすい人間なんだ」という自覚が進んだ。

そこから、様々な方法を試した。以下がその一例である。

a.目覚し時計を複数購入する。
そしてそれぞれ「理想的な起床時間」「まあ許容範囲時間」「起きないとマジでやばい時間」にセットし、その中でも鳴りが大きな時計に関しては、遠くに置く。
b.「出発時間の5分前」にスマホのタイマーを設定する。
c.細かいスケジュールを作り、「起床後→出発」までのタスクを視覚化する。

これを見ていただけるとおわかりだと思うが、僕は2つの「遅刻要因」にアプローチしている。

①そもそも起ききれない

②起きてはいるが間に合わない

この2つの中で、①は「睡眠障害的」と考えられるため、自分一人では改善が難しい部分がある。そして解決策があったとしても、それまでに時間がかかるのではないかと思っている。もちろんここにも睡眠導入剤を変えることで手を打とうと思っているが。

以上から、まずは「②起きてはいるが間に合わない」について工夫できるところはないかと考え始めた。

ゴースト的遅刻

まず「②起きてはいるが間に合わない」について対策を打つ前に、
これはADHDのどこから来ているものなのか?を考えた。以下がそれである。

1.衝動性

2.時間感覚

3.アフォーダンス

1は、ADHDでは有名な特性だと思うが、
簡単に表すと「欲求>義務」となるかと思われる。
例えば、「出発まであと10分ある。ゲームで一戦できるな→遅刻」という感じである。

2は、そもそもADHDの人は、時間の感じ方がズレているのはないか?ということである。これには諸説あり、脳内の神経伝達物質ドーパミンが関係しているというのがよく言われている印象がある。

3は、アメリカの知覚心理学者ジェームズ・ギブソンによって提唱された物で、
一言で言えば「環境が動物に与え、提供している意味や価値」である。
例えば、タンスに取っ手がなければ、
それを「一つ一つの棚を引き出し、収納するタンスというもの」と認識できない。つまり、タンスは取手によって人に「引き出す」という意味を提供しているのである。
なぜこれを持ち出したかというと、
僕は毎朝、起きた時、「あれ、何をすればいいんだっけ?」とまるで記憶喪失かのような状態になるため、そこへの対策として「服を着る」「歯を磨く」という行動を、服や歯ブラシという物(環境)から引き出してもらい、行動をスムーズにすることで遅刻を減らせないかと考えたからである。

以上の三つから、様々に対策を行ってみた。ただ、なかなかに上手くいかない。

「ゲームをする時に終了時間にタイマーをセットする」←衝動性

「寝る・起きる時間を休日含め固定し、体内時計を一定にする」←時間感覚

「その日着るものをすぐ取り出せるように配置する」←アフォーダンス

もちろん嬉しいことに(本当に嬉しい)、少しは改善され遅刻は減った。ただ、劇的な変化とまではいかず、自分は社会人失格だと責めた(今もだ・・・)。

原因がわからない・・、まさにゴーストのように掴みどころがない。壁にぶち当たった。

「想像力の欠如」という発見

ある記事で、ADHDの人間は「未来についての認識」がズレているのではないか?と書かれているのを見た。
その記事では、時間感覚についての補足として書かれていたが、

僕は単純に、「遅刻の原因」として解釈した。

この「想像力の欠如→遅刻」を念頭におくと、確かに納得できる場面がある。

1.衝動性

これに関しては、

「欲求>義務」ではなく、「残り10分間でゲームをすると、どうなるか」を想像できていないから起きると言い変えるとわかりやすい。

2.時間感覚

時間と行動が上手く結びついていないと言い換えられるのではないか。

だから想像が出来ない。

10分間という時間が、ゲームの一戦と結ばれている。
つまり、僕の頭の中では「ゲームをする→間に合う」となっているのである。
これでは、適切に未来が想像できているとは言えない。

3.アフォーダンス

これは独立しているのかなと思う。
というより、これを踏まえた工夫によって生活が楽になったのが大きいので、
あまり考え方を変更する必要性を現状感じていないのが正直なところである。

今回は以上にしようと思う。読んでいただき、ありがとうございました。
一人でも楽になる方がいらっしゃることを切に願います。

twitter:@hutoko_arai





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