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【妖怪】一つ目小僧とのっぺらぼうに関する話

タイトル通り、一つ目小僧とのっぺらぼうに関する体験談をいくつか。

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778 :本当にあった怖い名無し :2007/01/02(火) 15:02:18 ID:KyknkSHq0

小学3年のとき夏休みに母の実家へ家族で遊びに行った。
夕方に姉と遊びに行こうとしたら
「お社さんに行ってはいかんよ。『めんたま』が出るきに。」
と祖母に言われたが、気にせずに飛び出した。
七時くらいか。暗くなってきたので帰ろうとすると道端にこちらに背をむけた人影が。
側を通りすぎようとするとくるっと人影が振り返った。
真っ黒の顔のど真ん中にありえない大きさの一つ目。口は無かったと思う。
声もあげずに姉と必死に走って帰った。
やっとの思いで家に戻ると祖母が玄関で待っていて
「いかんといったのに」
と怒られた。あれから何度も祖母の家に行ったが『めんたま』を見たのはあれっきり。

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58 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/04/20(水) 02:44:40 ID:Yse+VKJv0

友人の話。

泊りがけで渓流釣りに出かけたという。
その沢には彼の他に誰もおらず、良い穴場を見つけたと少し浮かれていた。
なかなか見事な岩魚が上がったので、刺身と骨酒にして楽しんだ。
日もとっぷり暮れ、そろそろ寝ようかと考えている頃合。

ぱちゃぱちゃ、という音が聞こえた。何かが川を渡ってくる。
一体何だと目をやると、間もなく真っ白い人影が彼の前に立ち現れた。
細くてひょろ長い身体。衣服の類は何も身に着けていない。
股間には何も確認できず、つるりとしているだけ。
股間だけではない。身体の表面という表面がつるりとして青白かった。

何より彼を硬直させたのは、そいつの顔だった。
あるべき所にある物が何も付いていない、のっぺらぼうなのだ。
しばらく焚き火を挟んで、双方無言のまま対峙していた。
やがてのっぺらぼうは踵を返し、ぱちゃぱちゃと元来た闇の中へ消えていった。

もう寝るどころではない。夜が明けるや否や、すぐに撤収したのだという。
帰ってから年配の釣り仲間にしどろもどろ話してみると、次の一言。
「運が良かったなぁ、クチナシで。口があったら食われているところだ」

穴場となる場所にはそれなりの理由があるのだと、つくづく痛感したそうだ。

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842 名前:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:03/12/13 23:36

知り合いの話。

一人山道を下っていた時のこと。
緩やかなカーブを曲がった先に、奇妙な人影があったのだという。
汚れた白いワンピースに腰まである長い黒髪からすると、女性のように見えた。
髪を顔前に垂らして俯いており、表情などは見えなかった。

近づくにつれ、おかしな点に気がついた。
彼女は靴をはいておらず、傷だらけの素足だったのだ。
声をかけようと横に並んだちょうどその時、彼女が顔を上げて彼を見た。
彼女の白い顔はのっぺらぼうで、どこにも穴が開いていなかった。

彼が腰を抜かすほど驚いていると、彼女はおもむろに指を顔に突き立てた。
指を突っ込んだところに大きな穴が開き、ぽっかりとした目と口ができた。
もうそれ以上我慢ができず、彼は走って逃げ出した。

すると後ろから地面を蹴立てて走る音がついてくる!
荷物を放り出して力の続く限り走ったのだという。
追いかけてくる足音は、麓近くまで続いた。

後日、彼は仲間数人に頼み込んで、一緒にその山道を登ってもらった。
彼女は現れず、彼の荷物は投げ出された位置にそのまま転がっていたそうだ。

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