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本当にあったオレの体験談

お盆だからと書いた不思議体験の記事。怖い話やオカルト、陰謀論大好きなオレですが本人にはまったく霊感はありません。実体験は記事に書いた金縛りもどきと幽体離脱もどきぐらいです。
そんなオレのとっておき最恐に怖かった実体験をご紹介します。

❸「そうだ、幽霊見せてやろうか?」

家の近所にコンビニがあり、学生時代バイトしていた。
コンビニと言ってももう30年以上前の話で、サンエブリーというチェーン店を辞めてオーナーが個人のお店にしたコンビニだった。
自分がバイトしていた時は24時間じゃなかったし、レジも手打ち。
24時間になったのは自分が辞めて社会人になり、平成になった頃だったと思う。
実家に帰った時、久しぶりにお店に行ったら店長がおり、懐かしい話で盛り上った。その流れで出たセリフである。

「そうだ、幽霊見せてやろうか?」

レジにいたバイトの男の子がハッと店長とオレの方を向くのがわかった。
「は?何いってんスカ、そんなもん見せようがないでしょう?」
「それが見せられるんだなぁ。おい、ちょっと頼むな。」
バイト君に一声かけると、オレをバックヤードに手招きした。
レジ裏から引き戸で中に入ると、昔と変わらない事務机とロッカー。

「これこれ。写ってるんだよなぁ。」
店長が楽しそうに指差すのは防犯カメラの写った白黒のモニターだ。
当時はまだVHSのテープで録画していて、そのままだと120分しか撮れないのでコマ送りで撮影されている。

「いや、おかしいじゃないですか。なんでわかったんです?」
そもそもそんな防犯ビデオ、万引とかない限りチェックなんてしないで、10本あるテープを順番に繰り返し使っていて保存なんかも考えてない時代。
オレがバイトしていた時から変わってない。

「だろ?そう思うだろ?でもちゃんと理由があるんだよ、これがw」

幽霊という話題とは対極の笑顔で楽しそうな店長。
「まずはこの前日のやつね。」
前日の店内の模様とやらを見せてもらった。オレが居た時もあったので、取り立てて目新しいものはない。
「で、これが問題の日のやつ。」
うれしそうに別のテープをデッキにセットすると再生してみせた。

「あれ?」
「だろう?こっからおかしいだろう?」

しばらく見ていてすぐ違和感を感じた。
防犯カメラはレジと通路とバックヤードの4ヶ所にあり、何秒後かに自動で切り替わって録画されているのだが、このテープのはレジと出入り口だけがずっと写っており切り替わらない。
👇(これはイメージです。だいたいこんなアングルでした。)

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「誰もいじってないんだぜ。このおかげでわかったんだけどさ。」
「けど、なんかなきゃビデオなんて見ないじゃないですか。」
「それがさ、」

もう話したくて話したくて仕方がないようだった。
その日、朝6時ぐらいに店長が店に来ると、今レジにいるバイトの男の子が朝きたばかりの朝刊を見ていたそうだ。
スポーツ新聞ぐらいしか見ないのに珍しいな、と声をかけると。

「いやぁ。ゆうべ自殺した人いないかと思って。」

と答えたという。
ネット記事のある時代だとしてもそんなに早くは新聞には出ないw
訳を聞いてみると、ゆうべ女の人が98円のカミソリ1本買って、2円おつりを渡そうとしたら消えた、と言うのだ。(消費税のない時代ですw)

「そんなわけあるかよってビデオチェックしたら消えたんだよ、ホントに。」そう言うと件の場面を再生し始めた。

最初はレジの横、表のガラス戸に女が写る。長い髪でうつむき、顔はハッキリわからない。黒い貞子って感じでした。
自動ドアの前に立ち、自動ドアが開きそのまま左手に行くのが見える。
服は真っ黒で、実際他の人に比べてなにを着ているかわからない感じ。
時間は深夜1時過ぎで、レジには自動ドアに背を向けて、ここの三階に住んでいるオーナーが、おそらく内線で今から帰ると電話している。
件の女が入ってきたのを感じてバックヤードに声をかけると、自動ドアの前に立ち、自動ドアが開き、外に出て表のガラス戸の前を通っていくのが写っている。
オーナーと入れ替わりにバイト君がレジに立つと、ほどなくうつむいたままの女がレジの前に立った。
レジはピッ!ではなく手打ちなのでバイト君がレジを打つ。
女はお金を置き、そのまま買ったもの(カミソリ?)を取ると自動ドアの前に立つ。レジが開いてバイト君が受け取ったお金を入れている。

自動ドアが半分開いたところで女の下半身から透けていき、自動ドアが開ききったと同時に頭まできれいに消えた。
その瞬間、おつりを持ったままのバイト君が顔を上げ、あたりをキョロキョロ見ている。そして自動ドアの前に立ち、表に出て左右をキョロキョロ見ているのが写っていた。

「な?幽霊だろ?」
「ちょ、もう一回お願いします!」

見れば見るほど不可解だった。
その日はオレも覚えていて、東京で初雪が降った時で、自動ドアの外にも積もっており、他のお客さんが入ってくる時も出る時も足跡が残り、来た方向、出ていく方向がわかる。
この女の人、入ってくる時も足跡はなく、出ていく時(消えた時)残っていたのはオーナーがつけた足跡だけだった。

「これ、TV局に持ってったらどうですか?」
「オーナーも店の看板も写ってるからダメだって。」
残念そうに店長は言った。

もう時効だから言ってもいいと思うが、このせいとは思わないけど、このあとこの店長は使い込みがバレてクビになる。
あいつが居なくなったら同じ金でこんなに仕入れられると言っていたオーナー。高給出すから店長やらないかと言われたけど断った。
ここ、一階がコンビニ、二階がスナック、三階がオーナーの住居で、オレがバイトしてた時からスナックのママとオーナーは浮気していて、それが原因でオーナーの奥さんが自殺してしまった。

今でこそ本当にあった呪いのビデオシリーズやYouTubeで投稿動画なんか当たり前に見られるけど、このビデオほど不思議なものはなかった。

おわかりいただけただろうか?


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