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芸のやり取り

長女と一緒に習い始めた極真空手の道場で、
平安1の型の審査に合格した日。
初めて道場で足圧整体の施術をしました。

長女より先に青帯になれたことが嬉しくて、
朗らかな気分でいられたからでしょう。
普段は、雑談もできないくらい遠慮してしまうのに、
四十肩で腕が上がらない黒帯の先生を見て、
自ら踏ませてくださいと志願しました。

先生は左腕が上がらない様子ですが、どうも身体が全体的に硬い。
特に硬いと思ったのは、左脚の内転筋と足の裏と左の肘の周りでした。
そういえば、休憩時間に先生だけお水を飲まれていないことに気づきます。
先生は本業の海外出張から帰ってきたばかりで忙しくされていたとか。
水分不足、手足の使い方の癖、旅の疲れなどから、
肩が固まってしまったのではないかなと推測しました。

先生は、足圧整体を受けるは初めてとのこと。
かなり痛がっていたけど、血が巡っていく感じがすると
喜んでいただけました。

これまで、先生と空手以外の話をすることは
あまりなかったのですが、よくよく話を聞いてみると、
驚きの事実が発覚します。

何と、私が通っている空手のレイトクラスは、
黒帯や茶帯の先生方のボランティアで成り立っているそうなのです。
アルバイトや業務委託ではなく、報酬はいただかないお仕事で、
先生の学びの場であるとのこと。

根底にあるのは、たとえ習い事であっても
サービス業ではないという意識でしょうか。
足圧整体のお教室も同様の秩序で運営されています。
師弟関係のある芸の道には、たとえ仕事であっても
報酬が発生しないのは共通なのですね。
一歩間違えばブラック企業になってしまいますが、
絆が強くアットホームで、家族のような雰囲気でもあります。

先生方が報酬なしで空手を教えてくださっているのだから、
私も無償で施したい。
先生が、もし私の足圧整体を求めてくれるなら、
これからも道場で踏ませていただこう。

お金のやり取りではなく、芸のやり取りで、
与え、与えられる。
Win-Winで素敵なことだと思います。

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