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神保町ブックフェスティバル初参戦の記録

皆さまごきげんよう。

 10月30日、31日に行われた神保町ブックフェスティバル。2日目の31日に私は行ってきた。コロナウイルスの関係で3年ぶりの開催だという。本好きの私だが、今回の参戦が初であった。

 前日の夜まで行くべきか否か悩んでいた。というのも、行けば散財してしまうことは確実だったからだ。歯の矯正をすると決めたばかりで(歯の矯正には原則保険がきかないため3ケタ万円かかることが予定されている)、最近は器の沼にも片足を突っ込んでしまった。
 悩んでいる折、辻村七子先生のツイートが目にとまった。

行きたいが……! 行っている時間はないし、そもそも買った本を置く場所も、ない……ッ! 行ける方、どうぞ楽しんできてください。予想外のすてきなものといっぱい出会える場所だと思います📚

Twitter @tjmr75 10月29日

 書き写して気づいたが、プロの小説家の方はTwitterであってもちゃんと「!」のあとにスペースを開けるのだと変な部分に反応してしまった。
閑話休題。
 この言葉に背中を押され、私はブックフェスティバルへと向かった。軍資金の相場がいくらくらいなのか分からないままに3万円を握りしめて。

 感想を言うと、良かった。とても良かった。そこには楽園があった。
神保町駅のa7番出口からすずらん通りに向かうと、通りに入って最初の方で京極夏彦氏を遠目だが拝むことができた。小説家さんは本当に実在しているんだなぁ、という馬鹿な感想を持った。職人とも呼びたくなる風格があって、貫禄があった。

 ブックフェスティバルは出版社ごとにブースがある。たまに出版社でないものもあるが、大体は出版社だ。きっと以前までの私であれば、本屋さんで名前が出ているくらいの出版社しか知らない私であれば、十分に楽しめなかったように思う。
 今、私は図書館で働いている。図書館の業務には、どんな本を図書館に置くか選ぶということも勿論ある。全ての出版物を網羅できるわけではないが、多くの新刊を目にすることになる。自然に出版社も覚えてくるし、どこがどんな分野の本を出しているのかも覚えてくる。それが今回のイベントで多少なりとも役立ったように思う。どの出版社が私の好みに合いそうでじっくり見るべきかが何となく分かるからだ。

 早川書房のブースで出されていた本は全てサイン入りだった。ミーハーな私は、まんまとその手に乗っかってしまった。最近すっかりハマった森晶麿先生の本も並んでいた。黒猫シリーズ以外持っていなかったため、『四季彩のサロメまたは背徳の省察』『探偵と家族』『探偵は追憶を描かない』を買うことにした。柴田勝家先生(武将の名前と全く同じだがこれはペンネームだ)は存じあげなかったが、表紙に惹かれ、裏表紙のあらすじを見ると面白そうな予感しかしなかったため、『ヒト夜の永い夢』『アメリカン・ブッダ』の2冊も手に取った。紹介するまでもなく大人気の『同志少女よ、敵を撃て』もあり、サイン入りが手に入るなんてこのチャンスしかないのでは? と思いこれもまた手に取った。早川書房のブースだけでリュックサックはだいぶ重たくなり、先が思いやられた。

 三省堂のブースでは全ての本が2割引きになっていた。三省堂といえば辞書・辞典である。私は辞書を読むのも大好きだ。棚にはまだ明鏡国語辞典しかない。辞書好きとしては『新明解国語辞典』は持っておきたいし、最近新しく出たばかりの『三省堂国語辞典第八版』も気になる。いや、物書きを目指すものとしては『新明解類語辞典』を持っておくべきではないか。全てを今買うのはお財布的にもリュックサックの容量的にも厳しい。そんな脳内一人会議を開いた結果選んだのは『新明解類語辞典』だった。2冊に比べて多少値が張るため2割引きが大きいのも決め手となった。

 他には平凡社で『別冊太陽 ガレとラリックのジャポニズム』、大修館書店で『ウィーンのカフェ』を買った。

 気になったものの、泣く泣く諦めた本もある。見たくても人が多くて見られなかったブースもある。人が集まるブースでも、創元社や早川書房のように列を作って順番待ちする仕組みであれば、私のように150センチに満たない小柄でもじっくり本を選ぶことができるからありがたい。人手が必要になってしまうが、人気の出版社にはぜひ順番待ちの仕組みにすることを検討して頂きたいところだ。

 そんなこんなで、行くか否か悩んでいた人とは思えないほどに堪能した。きっと来年もお財布を見て頭を悩ませながらも参戦することだろう。

またこんど!

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