〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その42 夢十夜その10 顔認証
※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。
朝起きたらアザラシになっていた俺は三国志とキングダムの本場中国へ泳いでいった。
アザラシでも中国まで泳ぐのは疲れる。
ヘトヘトになりながら猿の惑星で有名になった特殊メイクの大家ジョン・チェンバースに注文した変装グッズで人に化ける。
本当はアザラシのまま観光したいのだが、横浜中華街で肉まんの具にされやしないか怖くなって逃げた経験から、人に化ける。
俺もチェンバースも中国人をよく知らないので、山川書房の世界史図説資料集から見たことのある毛沢東をチョイスした。
よく見かける顔だけど教科書に乗るのだから、諸葛孔明や始皇帝みたく、有名人なのだろう。
中国では至るところに顔認証システムが配置されている。特殊メイクが中国人と認証してくれたのでお迎えの車がやって来た。
最近のライド・シェア・アプリは進んでいる。
呼んでないのにリムジンが来た。
オレのJCBカードで払えるのか気になって翻訳アプリに北京語を表示して伺うと無料だった。
初回無料サービスか。うまい商売だ。
リムジンの前方に五星紅旗がたなびいてセレブ感を味わう。
ふかふかのシートで横になる。
しまった!エアコンつけっぱなしで出ちゃった!!
アザラシだって電気代は気になる。
せっかくの旅行だけど行き先を東京に指定して寝た。
つづく。
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