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落語のはなし

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落語にまつわるお話です。はな平の考える落語の話から、落語の周辺の話、落語家独特のしきたりなどを取り上げています。初めての方が疑問に思うことを取り上げることを念頭に書くマガジンです。
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#真景累ヶ淵

圓朝忌と真景累ヶ淵

圓朝忌と真景累ヶ淵

本日8月11日は毎年恒例の圓朝忌へ出掛けて来ました。菩提寺である谷中全生庵で法要が行われ、落語協会にとっては公式な行事でもあります。

いわゆるお経をあげて、法事をするわけですが、少し他の法事と違うのは、最後に奉納落語があるところですかね。

本堂に向かって落語をします。落語家とお客様を背負って本堂に向かってやる落語は妙な緊張感がありますが、今日だけしかない特別なものでもあります。

今年は三遊亭

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雲助師匠と真景累ヶ淵

雲助師匠と真景累ヶ淵

先日、雲助師匠と真景累ヶ淵のリレーをやらせて頂きました。

コロナ禍において、自分のルーツは何かというのを考えて取り組み始めた真景累ヶ淵。今回は一番最初の「宗悦殺し」をやりました。

雲助師匠はその二話後の「豊志賀」を口演されました。

中入りに上がって私が「宗悦殺し」をやったので、お客様からすればなんつうことしてんだ(雲助師匠の会だし、持ち時間が減るじゃないか)くらいに思われたかもしれません。

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祐天寺の累塚へ

祐天寺の累塚へ

先日、祐天寺に行って来ました。真景累ヶ淵をやる上では外せない聖地で、こちらは噺家よりは歌舞伎役者の方が「累もの」をやる際に訪れるところのようです。

当時、累の怨霊が乗り移り、村の人々を恐怖に陥れた際に、その怨霊を祓ったとされるのが祐天上人です。

後にお弟子さんがその時のことをルポした『死霊解脱物語聞書』という本を書いていて、その現代語訳も読みました。

下総羽生村で起きた累伝説は後に歌舞伎など

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寝ても覚めても『真景累ヶ淵』

コロナをきっかけに真景累ヶ淵を覚えるのがライフワークになりました。それまではこの作品の中では「豊志賀」はやっていたのですが、コロナをきっかけに最初から覚えてみようと始めました。この噺は、切り方にもよりますが全部語ろう(一席30分だと)と思うと15日ほど掛かると思います。最初から言うと、

①「宗悦殺し」
②「深見新三郎」
③「豊志賀」
④「お久殺し〜土手の甚蔵」
⑤「お累の婚礼」
⑥「勘蔵の死」

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真景累ヶ淵の四回目の公演を終えて

真景累ヶ淵の四回目の公演を終えて

去る3月31日に真景累ヶ淵の第四話「お久殺し〜土手の甚蔵」をやりました。今回は大体40分から45分くらい。出来るだけ端折らずに最後まで喋りました。

真景累ヶ淵は円生師匠の口演だと全八話構成です。今のところ、その流れで進んでますのでやっと折り返し地点ですね。

だけどこれはあくまで前半の折り返しです。本で見るとよく分かります。

ほら、まだ1/4です。単純に考えれば十六話くらいにはなる計算ですね。

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三夜連続真景累ヶ淵

三夜連続真景累ヶ淵

秋ですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか?秋が過ぎればすぐに冬がやってきます。気がつけば正月です。良い正月を迎えるには、まずは今年何か頑張っておかなきゃいけない。

というわけで、自分への今年の課題として『真景累ヶ淵』に挑みます。三遊亭円朝作にして大長編。今年の夏からこの作品をライフワークのように覚えていこうとと決心して、早三ヶ月。2020年の決算として、この『真景累ヶ淵』を三夜連続でやってみよう

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