寝ても覚めても『真景累ヶ淵』

コロナをきっかけに真景累ヶ淵を覚えるのがライフワークになりました。それまではこの作品の中では「豊志賀」はやっていたのですが、コロナをきっかけに最初から覚えてみようと始めました。この噺は、切り方にもよりますが全部語ろう(一席30分だと)と思うと15日ほど掛かると思います。最初から言うと、

①「宗悦殺し」
②「深見新三郎」
③「豊志賀」
④「お久殺し〜土手の甚蔵」
⑤「お累の婚礼」
⑥「勘蔵の死」
⑦「お累の自害」
⑧「聖天山」←イマココ

これは圓生師匠がおやりになった切り方で、私もこのやり方でやっています。一席一席が結構長くて40分〜50分あります。私はそれを少し削ったりしながら、速記から起こしたりしたものを圓生師匠ので補ったりして、馬桜師匠に聞いて頂いて直してもらうという形で進めています。

そしていよいよ、今度は⑧に挑戦していよいよ真景累ヶ淵もひと段落です。ひと段落というのは、この噺はまだまだ先が長いのです。おそらく現在の噺家で最後まで通しておやりになっているのは古今亭志ん輔師匠しかいないのではないでしょうか?私はその音源を持っています。鳴物入りで、おそらく何年か掛けてやったものをパッケージにされたんだと思います。

⑧までは、宗悦殺しからの因縁が続いていて、途中からは深見新左衛門の次男の新吉が主人公になって進んで行きますが、その後からがらっと変わって、新吉が出て来なくなります。

最後の最後には出てきますがそこまでが長いんです。しかも、怪談というテイストは薄れて、安田一角という武士と、花車重吉という相撲取りの織りなす仇討ちモノに話が変わってしまいます。

それもあってか、⑧以降はやる方がいないわけです。

だけど私はいつかやりたいと思っています。もうここまで来たら意地ですね。

「累」というくらい、もう繰り返し繰り返し喋って覚えていくこの作業が、一種の受験勉強のような感覚になっていて、脳が喜んでいるんですね。

⑧が終わったら、一旦①に戻ってまた改めて自分なりに作りながら覚えて行きたいとも思っています。

真景累ヶ淵の旅路はまだまだ続きます。

「はなつる怪談〜はな平・つる子GW二人会〜」
日程 令和5年5月4日(祝)
時間 15:00開演(14:30開場)
場所 お江戸日本橋亭
料金 2500円(予約当日共)
出演
林家はな平「真景累ヶ淵 聖天山」ほか
林家つる子「牡丹灯籠 お露新三郎」ほか

お問い合わせ
info@tsuruko.jp

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